「劣等プロパガンダ」「赫いリボンと青い舌」 / 「#没」 | 安眠妨害水族館

安眠妨害水族館

オバンギャと初心者に優しいヴィジュアル系雑食レビューブログ

劣等プロパガンダ/「#没」

 

1. 劣等プロパガンダ

 

赫いリボンと青い舌/「#没」

 

1. 赫いリボンと青い舌

 

 

九州を拠点に活動する「#没」による2nd&3rdデジタルシングル。

 

3ヶ月連続での配信リリースを敢行している彼ら。

第二段以降は、TwitterのRT数によってリリース可否が決定するという企画を実施していましたが、無事、発表に至ったようです。

ライブ会場や通販では、CD盤も販売。

コレクターアイテムとなりますが、現物で手に入れたいリスナーは、併せて注目しておきたいところでしょう。

 

「劣等プロパガンダ」は、玉音放送を意識したギミックが散りばめられたパンクチューン。

サイレンの音や、ラジオノイズのエフェクトをかけた台詞。

バンカラな応援歌のフレーズも多用して、ストレートにも見えるパンキッシュな構成にアングラ感を植え付けています。

ポップすぎるほどに突き抜けたサビにも。ある意味で驚かされるのだけれど、不協和音で構築されたギターソロのインパクトが物凄いですね。

気持ち悪さとわかりやすさを混在させることで生まれた電波的、洗脳的なフレーズは、彼らの尖っている部分を見せつけた形。

 

「赫いリボンと青い舌」は、ビートロックをベースに、ミクスチャー要素も追加したハードなナンバー。

ひとつひとつはストレートなパートを持ち寄って、カオティックに構成するスタイルは、懐かしいコテオサ的な下地を感じずにはいられません。

やや歌が引っ込み気味なのが気にはなりますが、切なく余韻を残して疾走するサビのベタっぷりは、嫌でも耳に馴染んでしまう。

環境面がレベルアップして音質的なクオリティが高まれば、大きなパワーを生み出すポテンシャルを見出せそうです。

 

言ってしまえば、大日本異端芸者時代のガゼットのフォロワーといった側面はあるものの、王道的な部分ではなく、その中から尖ったアプローチを引っ張ってきて昇華させようとしているのが面白いな、と。

そもそも、コテオサ路線が現代では競争が少ない方向感だったりもするので、ガラパゴス的な発想が良い方向に転べば。

連続リリースの最終章にも期待がかかります。

 

<過去の「#没」に関するレビュー>

「没個性障害」