「没個性障害」/「#没」
1. 「没個性障害」
2022年に始動した新バンド、「#没」による1stデジタルシングル。
九州を拠点に活動を開始した彼ら。
挨拶代わりとも言えるシングルは、その言葉通り、"僕達は没になりました。"という、彼らのコピーフレーズを連呼。
耳にこびりつく中毒性を生むとともに、バンド名を強烈に印象づけるナンバーになっています。
まず、とても独特な世界観を持っているな、と。
軽めのフレーズを繰り返し、ヘヴィーなサウンドと硬派なシャウトでギャップも演出。
そのうえでサビはポップに、という構成は、コテオサ系のフォーマットを踏襲していると言えるのですが、サビでキャッチーに突き抜けすぎず、どことなく気持ち悪さを残しているので、むしろネガティブな側面が押し出されているのですよ。
こんなにもパンキッシュに、ドロドロを表現する手法があったのか、と膝を打ちました。
粗削りな部分も見られますが、地方発の新進気鋭なバンドは、伸びしろも十分。
流行とも懐古とも違う独自性が活かせれば、加速度を増していきそうですね。
興味を惹くバンド名と、インパクトのあるデビュー曲。
期待感の大きい滑り出しを見せた彼らに、注目が集まります。