僕は其の花を摘んで握り潰した/トゥワイライトOSAKA混沌都市 / diverse effect in Doppelgänger
1. 僕は其の花を摘んで握り潰した
2. 共犯
3. トゥワイライトOSAKA混沌都市
"生きる"をテーマに活動中のdiverse effect in Doppelgängerにとって、初の正式音源となる両A面シングル。
1曲目に持って来たのは、「僕は其の花を摘んで握り潰した」。
歌謡曲調のメロディと、異国情緒が漂うシンセのフレーズが、ミスマッチのようでいて、実は相性が抜群。
発明のようなサウンドで繰り広げられる、ミディアムテンポのラブソングとなっています。
しかしながら、よくよく歌詞に耳を澄ませてみると、どうも一筋縄ではいかない内容。
愛と狂気は紙一重、と言わんばかりに優しく歪んでいく感覚が特徴的に響くナンバーでした。
デジタルサウンドにポエトリーリーディングを重ねたショートトラック「共犯」は、個の強い2曲の繋ぎとなるのだが、熱量は十分。
フルで1曲分の歌詞に相当しそうな文量のメッセージを、1分半のSEの中にとにかく詰め込み切ったといったところですね。
期待感を高めに高めて送り込まれるのは、もう1曲のリードトラック「トゥワイライトOSAKA混沌都市」。
お得意のデジタルラウドチューンに仕上がっていて、タイトル通りにカオティックに展開されます。
サイケデリックなパーティ感があったり、アグレッションの高い尖った演奏で攻めてみたりと、賑やかさが表に出ている一方で、どんよりと深く潜って行く淀んだ空気も抱え込んでいるようで、なるほど、これは奥が深い。
内向的ではあるが故のアウトプット過多なスタイルが、少年期の願望や葛藤、共感などと結びついて、妙に心を抉ってくる。
表層だけを見れば、「僕は其の花を摘んで握り潰した」のどこに共感要素があるのだ、と否定されそうだけれど、異常への憧れ、アンダーグラウンドへの傾倒なんかも、リスナーにとってのリアリティだったりするのだ。
マニアックに落とし込みすぎず、キャッチーさ、ポップさは素直に強調しているバランスも見事。
ギミックも効果的で、正式音源の発表を機に、ひとつ突き抜けたなと思わせる1枚です。
<過去のdiverse effect in Doppelgängerに関するレビュー>
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