20th Anniversary / ILLUMINA | 安眠妨害水族館

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20th Anniversary/ILLUMINA

 

1. DJ☆むっちの銀河パラダイス

2. Love is beautiful

3. DJ☆むっちの銀河パラダイス

4. sorry

5. walk

6. DJ☆むっちの銀河パラダイス

7. 空の色

8. DJ☆むっちの銀河パラダイス

9. 心の肖像(1998 Live)

10. FALL(1998 Live)

 

2015年に、結成20周年を記念して制作されたILLUMINAのスペシャルCD。

もともとは会場限定CDとして限定販売されたものですが、オークションサイトで価格が高騰していたことを受け、BOOTHでの通販が開始されました。

 

6曲入りのミニアルバム。

ただし、ラジオ番組風の曲紹介「DJ☆むっちの銀河パラダイス」が挿入されるため、トラック数としてはフルアルバムサイズとなっています。

セレクションアルバム的な意味合いが強く、作品性よりも、個々の楽曲のバックボーンを踏まえて聴くことで深みが出る作品。

コンパクトに制作秘話や楽曲の背景をまとめてくれているので、ダレずに曲の旨味を引き出す、面白い企画だったのではないかと。

 

リリースにあたって書き下ろされた「Love is beautiful」は、Gt.TARさんが作曲を担当したビートロックチューン。

本作のリードトラック的な位置づけとなるのでしょう。

インパクトのあるギターのリフに爽やかなメロディが重なる、ILLUMINAらしいポップで華やかな曲調。

イントロでのコーラスワークの時点で期待感が高まります。

セルフオマージュ的な要素も細かく織り込んでいて、新曲だけど懐かしさも感じる、制作経緯を踏まえればベストな選曲だったのでは。

 

「sorry」と「walk」は、メジャー1stアルバム「I'm here」の曲出し時にレコーディングされたナンバー。

音質的には、いかにも当時のデモ録音といったところですが、それもまた味わい。

ただでさえ貴重な、未発表音源。

「sorry」のアウトロでギターを弾き倒しているのは、TARさんではなくVo.Naoさんだなんて前情報があることで、ひとつ聴きどころが増えたのもポイントなのです。

 

「空の色」は、メンバーも記憶にない配布音源とのこと。

Naoさんと、Dr.SATOMさんのツインヴォーカルで展開される、歌謡要素が前面に押し出された楽曲に仕上がっています。

曲紹介を聞く分には、企画色が強いのかと思いきや、いざはじまってしまえば、これはこれで格好良い。

サウンドアプローチとしては異色でも、メロディの良さは、どんな音楽性にも馴染む普遍的な魅力。

ちゃんと"ILLUMINAの音楽である"と主張しており、彼らの土台の強固さを改めて示していました。

 

デモテープの収録音源だった「心の肖像」や「FALL」のライブ音源も収録され、最初から最後までレア音源尽くし。

曲のバラけ方としても、ILLUMINAの音楽性をある程度俯瞰的に見ることができるラインナップになっています。

入門書と呼ぶにはマニアックすぎるのですが、購入が容易になったことで、これをきっかけに過去作品に潜るリスナーがいても良さそうですね。

 

<過去のILLUMINAに関するレビュー>

I'm here

ILLUSION Ⅲ