RENTRER EN SOI/RENTRER EN SOI
1. 廻
2. 分裂LE+DD人格
3. 疑裸偽裸
4. DEAD believe ME
5. PROTOPLASM
6. 解毒まがいにSUICIDE
7. Strawberry Oblaat
8. 見世物小屋
9. 鴉色の胎児
10. 精神死13度目
11. JUDE
12. 微熱下で写実した深層は宛先不明の手紙と成る
2006年にリリースされたRENTRER EN SOIの2ndフルアルバム。
バンド名義を大文字に変更。
そのタイミングでセルフタイトルアルバムをドロップするという、決意表明的な1枚となりました。
1stフルアルバム「Sphire-Croid」が、幻想的でファンタジックな世界観を表現する"白系"に特化した作品だとするならば、こちらはハードでダークな退廃の美を表現する"黒系"に振り切った印象。
表裏一体ではあるものの、シーン内での色彩感覚的には真逆の方向に路線変更したことで、賛否両論、大きな注目を集めることになりました。
「Sphire-Croid」が、ひとつの完成形になっていただけに、リアルタイムでは戸惑ったのも事実。
ただし、俯瞰的に見ることができるようになった今、改めて聴いてみると気付く良さもあるもので。
「PROTOPLASM」や「鴉色の胎児」といったシングルには、雰囲気モノが雰囲気モノのままインパクトを放つような異質な奥深さを感じることが出来たし、初期の楽曲を再構築した「Strawberry Oblaat」は、メリハリを極端にすることでオリジナルよりも尖った展開に。
シリアスな緊迫感の中にシャウトの応酬が響く「分裂LE+DD人格」や、ソリッドに突っ走る「見世物小屋」なども、従来は出来なかったタイプの楽曲であり、粒で見れば、なかなかどうして小さくはないのかと。
もっとも、当時のVo.砂月さんの課題としては、シャウトにおける迫力や声量。
透明感のある彼のファルセットがやや影を潜めて、荒っぽいシャウトが多用されているのですが、慣れていないのがリスナーにも伝わるほどで、どうも垢抜けていなかったのですよ。
メタルコア的なアプローチに持っていきたいのであれば、やはりそこは仕上げておいて欲しかった。
やりたいことと、持っている強みが、必ずしも噛み合わないのは皮肉なところです。
<過去のRentrer en Soi(RENTRER EN SOI)に関するレビュー>
MEGIDDO