ノスタルジー/カリメロ
1. 夜の音楽室
2. 雨
3. 黒猫
4. 花火
5. ゆうぐれ
2001年にリリースされたカリメロの1stミニアルバム。
Gt.ナオさん、Ba.コースケさんが在籍していたことから、heidi.の前身バンドというイメージも強い彼ら。
実際、音楽性はレトロなメロディと、ヘヴィーなサウンドを武器としており、色濃く受け継がれているのが事実でしょう。
本作は、20年前にリリースされた初CDとなるわけですが、既にそのスタイルは確立されているといったところ。
いや、むしろマンネリを気にせずやりたいことを素直にぶつけることができているため、キャリアを通じてもっとも純度が高い作品と言えるのかもしれません。
スピード感を意識しつつも、ずっしりとしたリズムが特徴な「夜の音楽室」から、タイトル通りにノスタルジックなフレーズが満載。
この1曲に全振りしているのではないか、と言わんばかりのキラーチューンっぷりなのですが、続く「雨」も、イントロの時点で名曲感バリバリ。
疾走感のあるサウンドに、レトロなギターのリフ。
そうか、哀愁系バンドとしての美味しいところは、こちらに詰め込んだのか、と。
かと思えば、「黒猫」も王道的な歌謡ロックバンドのコード進行で、アダルティーな雰囲気を演出。
ラストシングルでも再録される、ドラマティックな構成の「花火」に、和メロを疾走系ナンバーに落とし込んだ「ゆうぐれ」と続き、気付けばエンディングに。
捨て曲がない、を上回る、キラーチューンしかないミニアルバムに仕上がっていました。
もちろん、スキル面ではまだ粗削りな部分もあり、ヴォーカルパートはピッチが甘いし、演奏もコンビネーション面で課題あり。
成長した彼らで、もう1度レコーディングしてほしかった、という想いもありますね。
比較的早い段階でレア音源となった作品でもあり、本作に収録された楽曲の再録は、相応にニーズがあったのでは。
結果的に、それが実現したのは「花火」だけだったのがもったいなかったな。
せめて、手に入りやすい2ndプレス盤をどこかのタイミングで発表していたら、もっと加速度に勢いがついていたはず。
<過去のカリメロに関するレビュー>