「流」 /カリメロ
1. 「流」
2. 新世界
3. 花火
heidi.のGt.ナオさん、Ba.コースケさん、ロマン急行のDr.豪さんが在籍していたカリメロ。
本作は、ラストシングルとして発表された作品です。
2004年10月30日のラストライブをもって解散となった彼ら。
この「流」が発売されたのは、同年の11月6日と、解散から1週間後のリリースとなりました。
ライブシーンを中心とした36ページのフォトブックと一体型になった特殊仕様で、メモリアル作品の意味合いが強いのかと。
収録されたのは3曲。
「流」 は、これ以上ないほどにカリメロを感じさせるナンバー。
どことなく懐かしい感触と、精神的な重苦しさを内包しており、Vo.ユーキさんの甲高い歌声も武器となっています。
ノスタルジックなサビのメロディと、ずっしりと響く重低音のギャップは、改めて聴いてもたまらない。
マンネリが懸念されていた時期でもあり、この曲についても既視感はあるのですが、ここではheidi.へも受け継がれる得意分野と捉えておきましょう。
ラストシングルとして切られる楽曲となれば、このぐらい王道であるべきなのかもしれません。
「新世界」は、スリリングに展開されるアングラチューン。
ギターのリフなど、やはりナオさんの手癖がそのまま反映されている感はあるのですが、ダークな雰囲気を強めてピリピリと張り詰めたパートと、感情的に力強いメロディを歌い上げるパートとの対比を強調させていて、構成については凝っていますね。
素直ではない展開も、解散を迎えて名残惜しんでいるようにも聴こえてくる。
もっとも、曲調としては、そこまでラストっぽくはないのですけれど。
「花火」は、過去の楽曲の再録となるのでしょうか。
アコースティックサウンドでしんみりと歌い上げる、切ないバラード。
正真正銘最後の楽曲が、リズム体が参加しないアコースティックアレンジなのか、と少し消化不良になりかけたところで、突然バンドサウンドになるから驚かされました。
だって、4分20秒ぐらいまでアコースティックで進行したら、そのまま終わると思うじゃないですか。
バンドサウンドに移行してから、そこからまたひと盛り上がりするので、7分超の長尺ナンバーに。
このタイミングだからこそ、効いてくる仕掛けでしたよ。
パッケージが豪華仕様となっているため、シングルではあるものの、価格設定はアルバム水準。
リアルタイムでは、そこがネックになっていましたが、15年以上経って、ある程度値崩れしてきたところもあるのかな。
トールサイズとなっているため、店舗で探す場合はご留意を。
ナオさんの作風はheidi.でも変わっておらず、彼らが現役であることによって、その源流となったカリメロのサウンドも、さほど古さを感じないというのも、面白いものです。
<過去のカリメロに関するレビュー>