Another ATRANTIS/Mr.ChickenHat Timers
1. Sorry
2. 見上げてごらん
ex-Mix Speaker's,Inc.のVo.MIKI、HERO、Bräymen等で活動中のBa.YU-TA、Dr.JYNによって結成されたMr.ChickenHat Timers。
本作は、寺子屋通販にてリリースされた限定シングルです。
本来は、4月30日に開催予定であった1stワンマン「ATRANTIS WORLD」での発売を予定されていたもの。
残念ながら新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から中止となってしまったため、通販でのリリースに変更となりました。
タイトルを踏まえると、1stフルアルバム「ATRANTIS」と関連性があるのでしょうか。
単独公演での種明かしは叶いませんでしたが、考察してみるのも面白そうです。
収録曲は「Sorry」と「見上げてごらん」の2曲。
「Sorry」は、小気味よいドラムのリズムからスタートするアッパーチューン。
生音だけでのシンプルなアレンジに、ブルースロック調のリフが飛び出す時代錯誤感が痛快ですね。
吐き捨てるように、コンパクトにまとめた潔さも効いていました。
一方、「見上げてごらん」は、どこか物寂しさを感じさせるミディアムナンバー。
こちらも音数は最小限にしており、スピードがない分、空間を感じさせます。
その空間が肝となっていて、音が遠くまで届く感覚、空が、星が高すぎて、自分がちっぽけに見える感覚を表現しているようにも思えるのですよ。
終盤、一転してパンキッシュに盛り上がるところも含めて、短い楽曲の中に、無限のドラマを感じさせる演出になっていました。
あえてオールドスクールなロックサウンドをベースにしながら、そこから新しいものを目指していくアプローチ。
数多くあるサブジャンルのどこにも属さないようなアウトローっぷりは、懐古主義的であり、新鮮味もあり。
MIKIさんのしゃがれた歌声も相まって、THEE MICHELLE GUN ELEPHANTをV系シーンに昇華したようなサウンドと捉えると、わかりやすいのかもしれません。
ここまで、マイペースな活動に留まっていた彼ら。
いよいよ待望のワンマンといったタイミングで自粛を余儀なくされたのは悔やまれる限り。
ただし、だからこそ通販で全国に音源を届けられることにもなったわけで、怪我の功名として知名度アップといきたいところでしょう。
そのきっかけとなってくれそうな1枚です。