BELIAL / ギャロ | 安眠妨害水族館

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BELIAL/ギャロ

 

1. BELIAL

 

 

寺小屋所属となり、勢いを加速させているギャロが、2015年にリリースした数量限定シングル。

 

ライブ会場と通販限定にて、2015年11月から2016年2月までの期間限定での発売。

フルアルバム「DIAVOLO」の先行シングル的な扱いで、アートワークも統一感があります。

デザイン性はもとより、タイトルまで、収録された「BELIAL」ではなく、「DIAVOLO」の文字が記載されているのが面白いですね。

 

その「BELIAL」は、Vo.ジョジョさんが作詞、Dr.カエデさんが作曲を担当したダークチューン。

戦時中、善悪の境界線が曖昧になって、狂気と欲望に飲み込まれていく姿を、シアトリカルに描写しています。

サウンドとしては、ザクザクと切り込むギターと、タイトなリズムが特徴でしょうか。

どこか淡々と、表情がないような演奏なのですが、人間が悪魔に堕ちていく歌詞を読むに、あえて人間味を殺しているのかと。

 

その分、語りと歌唱をクロスオーバーさせて二面性を表現する等、ドラマ性を高めるためのギミックにはこだわっているのかな。

特に圧巻なのは、終盤の独白のような叫び。

そこにあるのは、後悔か、謝罪か、それとも悦楽か。

ただ、叫び声だけが、激しく、暗く、響いてくるのです。

 

なお、アルバム収録時は、「嬲魔-BELIAL-」と表記されていました。

開けたサビだけを聴けば歌モノとしても機能しそうですが、至る所に張り巡らされたマニアックさは、確かに"悪魔"的。

中毒的な余韻を残す1枚です。

 

<過去のギャロに関するレビュー>

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