- 東京シンデレラ/ギャロ
- ¥2,000
- Amazon.co.jp
1. 東京シンデレラ
2. SNOW WHITE AND THE THIRTEEN RxPISTS
3. 朱いピアノ線
4. 男娼バレリーナ
5. 阿片
コテコテの音楽性でも、見た目やノリがお洒落系。
いわゆるコテオサバンドは多数派になりつつあります。
このギャロは、強引にカテゴリーに当てはめなければいけないのであれば、コテオサ系に入ることになるのでしょう。
しかし、このバンドをそう呼ぶのがしっくりこない理由をひとつあげるならば、濃厚な楽曲の中に、メルヘン色をこうも詰め込めるのかと言わんばかりの色鮮やかさと、その裏に潜むおぞましいものがドロドロ蠢いている不気味さが含まれていること。
本作は、ポップで、ビビット。
なのに、最後に行きつくところは、ダークなのです。
これは、確かに、エナメル素材のコテコテ衣装では表現できない世界観なのかもしれない。
見た目がポップでスタイリッシュだからこそ、という見方もできそうな、ある意味、ヴィジュアル系の本来目指すべき姿といったところでしょうか。
と、少し誉めすぎた感はありますが、なかなかセンスがあるなと思わせるのが、この「東京シンデレラ」。
粗削りな部分は、まだまだあるものの、ちょっとした工夫、エッセンスが非常に上手い。
メルヘン要素を強めようとすると、どうしても、ポップな方向、キャッチーな方向に転んでしまいがち。
これを、コテコテバンドがもともと持っていた要素で補おうとする試みが斬新に映りました。
たとえば、「朱いピアノ線」のサビについては、素直に歌い上げることも十分可能。
なのに、なぜか絶叫するようなカナキリ声で歌ってしまう。
シャウトやデスヴォイスのために用意されたパートではなく、きちんとメロディがある部分で、あえてそれをする。
この違和感が、バンドの魅力になっているような気がします。
Vo.ジョジョさんの、チョコレートを顔に塗りたくるパフォーマンスが注目を集めるところではありますが、これだって、ポップなモチーフを、グロテスクに見せる工夫。
新しいことをやろうとするチャレンジ精神に溢れていて、若手バンドらしい貪欲さが良い方向に出ているなと。
後半2曲に、もう少しインパクトが残せれば、もっと騒がれる作品になっていたのではないでしょうかね。