月と太陽 / Blüe | 安眠妨害水族館

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月と太陽/Blüe

 

1. Overture"蒼空の彼方に…"

2. 月と太陽

3. rain

4. ガラスのように…

 

1996年にリリースされた、Blüeのシングル。

 

本作リリース時は、Vo.SHIGE、Gt.SAKI、Ba.JUN、Dr.HAYATO、Key.TETSUという編成。

後にENDLESSを結成するSHIGEさん、TETSUさん在籍時の単独作品としては、唯一のCDとなります。

Kreisレーベルからのリリース第一号であり、SEである「Overture"蒼空の彼方に…"」の散文詩は、ボスであるYUKIYAさんによるもの。

ENDLESSでも、「蒼空の彼方に」という楽曲が存在しますが、つながりはあるのでしょうか。

 

この時期のBlüeの強みは、何と言ってもSHIGEさんの透明感のある歌声。

メンバーとしてキーボーディストが在籍しているメリットを最大限に活かしたメロディアスな楽曲を、より幻想的なものに仕立て上げていました。

例えば、表題曲である「月と太陽」は、音楽性としてはビートロックをなぞったスタンダードな疾走チューン。

ただし、コーラスを強めに重ねたサビのメロディは、それを白系サウンドとして成立させる神秘性を加えています。

エモーショナルに切なさを駆り立てる「rain」、雰囲気を作るミディアムナンバー「ガラスのように…」も同様で、彼の歌声が世界観をより深いものに。

まだまだ若さを感じるとはいえ、声質の良さと、表現力の高さは、当時のインディーズシーンにおいてはトップレベルでしたね。

 

その後、キャッチー性とドライブ感を強めて、メジャーデビューを果たすBlüe。

結果だけを見れば、メンバーチェンジが奏功したとも捉えられてしまいそうなのですが、この時期に、高いクオリティで白系バンドとしての個性化を果たし、ニーズの掘り起こしによって、土台を作ったからこそ。

Blüe、あるいはKreisレーベルのブランディングの向上にも貢献したはずで、本作の意義は、5,000枚を完売させたというセールス実績以上に大きいと言えるのです。

最盛期とヴォーカリストが異なるからといって、Blüeの歴史から外すことなどできない1枚。

 

<過去のBlüeに関するレビュー>

TRUTH

CHRONOGATE
SINCE
BREATH

misty