死んでも良い/sleepyhead
活動3周年というタイミングで届けられた、sleepyheadのデジタルシングル。
3ヶ月連続配信の第一弾としてリリース。
本作は、SuGの解散後にはじめて作曲したデモ音源をベースに制作したとのこと。
トラックアレンジは、岸田勇気さん、およびIttiさんの共作となっています。
再構築されているとはいえ、元ネタは3年前にある楽曲が、今のsleepyheadの音楽として発表しても成立してしまうのだから驚かされる。
先見の明があるというか、新しいものに向かうセンスがあるというか、さすがは武瑠さんといったところでしょう。
初期衝動というよりも、悩みや葛藤が垣間見えるナイーヴな旋律。
シンプルに洗練されているものの、そこに背景を感じるという意味では、奥深さのあるナンバーとも言えるのかと。
その内面にベクトルを向けた音楽性は、コロナ禍におけるアーティストの存在意義、という現代の葛藤にシンクロ。
歌詞を読み取れば、その意味が、一般的に「死んでも良い」というワーディングから想像するものとは違っていることに気付くのでは。
もちろん、捨て鉢になっているわけでもなく、息を抜いて生き抜こう、という優しさも持ち合わせているのが、なんだかsleepyheadらしいな。
ショッキングなモチーフを扱いつつ、お洒落なメッセージソングとして昇華。
あえて抽象的な要素を残すことで、幅広い層が、自分に向けたメッセージだと共感できるようになっているのも、構成の妙である。
これを踏まえて、第二弾、第三弾と、どのように続いていくのか楽しみになるスタートでした。
<過去のsleepyheadに関するレビュー>