十年後の今日此処で…/ヴィドール
1. 十年後の今日此処で…
2011年に解散したヴィドールによる限定シングル。
もともとは、2006年8月29日にSHIBUYA-AXで開催された単独公演「3℃Storm TV~砂嵐放送~」にて限定販売された作品。
2007年に、数量限定で一般販売も行われましたが、現在では入手困難となっています。
収録された「十年後の今日此処で…」は、ピアノと歌のみ、というシンプルな編成でのバラード。
脚本、原作はVo.樹威さん、構成はDr.テロさんが担当しており、ピアノもテロさんが自ら演奏。
実質的に、ふたりのユニット的な作品と言えるでしょう。
序盤は、余韻を持たせてしっとりと。
進行するにつれて、ピアノを弾く指に力が入っていき、終盤では情熱的な演奏に移り変わっていきます。
もちろん、それに樹威さんの歌声も呼応。
武器である表現力と安定した歌唱をいかんなく発揮し、勢いで誤魔化さなくても楽曲を成立できるぞ、というヴォーカリストとしての懐の深さを見せつけていました。
バンドサウンドではないという意味で、邪道とも捉えられる作品。
一般販売時の価格1,500円+消費税分の価値を、この1曲に見出せるか、という駆け引きはなかなか難しかったのでは。
なお、リリースからはとっくに10年が経っており、次のターゲットは解散から10年、2021年5月。
既にSHIBUYA-AXはなくなってしまいましたが、このタイトルを道標に、何らかのアクションを期待してしまうのは僕だけでしょうか。
<過去のヴィドールに関するレビュー>
Crescent gazer
Monad
Deathmate
Chocoripeyes
シャットダウン
昔懐カシ総集編+オマケつき
ロマネスクゴシック