鳥篭~torikago~/Vice†risk
1. 鳥篭~torikago~
2. Nostalgia
2000年に1,000本限定で発売されたVice†riskのデモテープ。
同年、3本同時にデモテープを発表していた彼ら。
半年と開けずに届けられた次回作は、「Dears」との2本同時でのリリースでした。
カップリング曲については、3本とも 「Ask」 だった前作に対し、それぞれ異なる楽曲が収録。
それでもコストパフォーマンスが良いとは言えませんが、まだ良心的だったでしょうか。
「鳥篭~torikago~」は、ハードなサウンドとメロディアスな展開が融合したナンバー。
言ってしまえば王道中の王道で、チャレンジ要素は薄いのですが、彼らに求められていたのはこんなベタさだったのも事実。
フック部分でシャウトも交えてくるあたり、わかっているな、といったところです。
サビのメロディなど、「Ask」 と似ている印象が出てしまった部分はあり、王道の中での差異化に課題は残ったものの、自らのバンドの強み、ツボを知っていると捉えておくべきでしょう。
「Nostalgia」は、悲壮感が漂うミディアムバラード。
退廃的な雰囲気からサビやギターソロに向けて広がりを見せていく、Matinaバンドらしい歌モノと言えるかな。
こういうタイプの楽曲では、どうしてもVo.弥生さんの歌声に苦しさが滲んでしまうのですが、「鳥篭~torikago~」がど真ん中だった分、バリエーションを増やそうとする狙いは、必ずしも悪くはなかったはず。
結果的に、本作が流通音源としては最後の作品となってしまいましたが、とにかくど真ん中を貫くこのコテコテ感。
アルバム作品を残してくれていたら、もっと現代でも耳にするリスナーは増えていたのにな、と思わざるを得ませんね。
<過去のVice†risk に関するレビュー>
Farewell