STYLE/vistlip
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STYLE(lipper盤)
3,240円
Amazon |
1. New ERA
2. Timer
3. And The Beast.
4. [glider]
5. ELIZA
6. My Name is #Think.
7. Original Words Complex [album ver.]
8. INPUT
9. chapter:NOVEL
10. HONEYCOMB
11. BLACK MATRIX
12. Hey You!
13. It
14. OVER TIME
15. And The Beauty.
結成11周年のタイミングで発表された、vistlipの6thフルアルバム。
初回生産限定盤、vister盤、lipper盤の3タイプ同時リリースとなります。
楽器隊の全員が作曲に関わる、多才さが売りの彼ら。
ここ数年、作曲者の個性を伸ばす方向に舵を切っており、それを1枚の作品にまとめあげるため、コンセプトを構築していたのですが、本作では、個性化の方針は変えずに、フラットな視点で制作を行ったようで。
ともすれば、散漫になってしまうところかと思うのですが、むしろ、一本の筋が通っているのが興味深いですね。
その"筋"というのが、ライブ感。
確かに幅は広がって、ヒップホップ調の楽曲あり、アグレッシブなパンキッシュなナンバーあり、アコースティックでも映えそうな歌モノあり、と従来の優等生的なイメージを覆すチャレンジも多数見られます。
ただし、それとライブ映えが両立できないかと言えば、そんなこともないわけで。
フラットに曲を作ったときに、全員がライブを意識できていたのだとしたら、制約の中で作品を作るよりも自由度を増したコンセプト作に仕上がったということ。
結果として、とても充実した化学反応が起こったと考えられるのですよ。
リードトラックとなった[glider]が、その象徴。
vistlipとして新しい音楽性というわけではないのだけれど、王道的な"らしい"楽曲ではなく、この手の攻めるアッパーチューンをリードに持ってくるというのが、ライブへのマインドが高まった証拠なのではないかと。
歌詞も、まさにストレートにライブにおける決意表明ですよね。
オーディエンスとの掛け合いを意識したパートもあって、盛り上がりが期待できそうです。
前述のとおり、アプローチの方法としては多岐に渡っており、ライブでの王道曲を、というだけでなく、こういう見せ方があったら面白いのではないか、という総合演出的な観点も持ち合わせているメンバーが多いのもポイントが高い。
アルバム1枚を通して、出だしの盛り上げ、アクセント的な楽曲を織り込んでの演出、聴かせるパートも詰め込んで…という単独公演のセットリストとしてそのまま持っていけそうなバランス感覚。
lipper盤には、「And The Beast. 」と対になりそうな「And The Beauty.」が追加収録され、ドラマ性を高めているのも気が利いている。
残念なのは、本作を引っ提げてのワンマンツアーが公演中止になってしまったこと。
もちろん体調優先ということで仕方がないのですが、せっかくライブで完成するであろう名作を作り上げただけに、もったいないという気持ちが先立ってしまいます。
vistlipとしての1日でも早い復活を祈らずにはいられません。
<過去のvistlipに関するレビュー>