グエリラ / GOTCHAROCKA | 安眠妨害水族館

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グエリラ / GOTCHAROCKA

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1. グエリラ

2. くるいのみ

3. アーティフィシャルフラワーズ

4. 華隷奴~KALEIDO~

5. Sorrow sorrow go away

6. #スグ消シマス

 

前作「Baccarat」から半年でのリリースとなったGOTCHAROCKAのミニアルバム。

通常盤には、ボーナストラックとして「#スグ消シマス」が追加収録されています。

 

表題曲となる「グエリラ」は、結成当初から原案があった楽曲とのこと。

言葉に置き換えると、"キャッチーなポップロック"と当たり障りのないものになってしまうのだけれど、実にGOTCHAROCKAらしさが出ているなと。

イントロのシンセの音色から不思議なサイバー感があって、ライブで盛り上がりそうな掛け合いもあって、おいしいところをごちゃまぜにした結果、とてつもなく個性的なものが出来上がってしまう感覚。

懐かしくもあり、新鮮でもあるのですよね。

 

バンドとして成長を続けていくと、マンネリを防ぐ意味合いもあり、徐々に王道すぎるものは避けるようになってくるものだが、古い楽曲をここにきて出してきた意味として、正面切ってど真ん中を放り込むきっかけづくりになった。

"王道の中での邪道"を地で行くナンバーで、癖になってしまいました。

 

さて、それ以外の楽曲に耳を移すと感じるのは、歌い方が、よりライブを意識したものになったということ。

Vo.樹威さんの表現力が、まだ一段と高まったと言いますか。

メロディアスで、サビ終わりの抜け方がたまらない「くるいのみ」にしても、歌モノの位置づけとなる「華隷奴~KALEIDO~」にしても、ブレスの位置やメロディの乗せ方が自然体になった気がして、制作物として完成したものというよりも、ライブでもっと化けそうという意識も高まるのです。

構成が複雑で様式美的な「アーティフィシャルフラワーズ」でさえ、ゴールはそこにありそうなのだもの。

 

そんな中で、疾走感があってロックテイスト強めに突き進む「Sorrow sorrow go away」は言わずもがな。

アウトロ部分での掛け合いは、間違いなく盛り上がるコール&レスポンスへと進化しそう。

ラストっぽさと、チャレンジ精神を両立したうえで、抜群の安定感を示すことができるのは、キャリアの成せるわざでしょう。

 

ボーナストラック「#スグ消シマス」も、その流れに乗って、盛り上がりを重視したライブ映えナンバー。

現代的なネットスラングを歌詞や楽曲に取り込む手法も、彼ららしいと安心してしまう。

進化をしつつ、変化もしつつ、それでいて帰るところもわかっているからこそ、GOTCHAROCKAは"現在が一番"と言えるのだよな。

もっと聴きたい、と渇望するぐらいのボリュームを、シンプルに物足りないと捉えるか、それすら戦略的であると捉えるか。

本作の仕上がりを見るに、後者、足りない分はライブへ足を運ぼうと思わせる絶妙な匙加減であったとしておきましょうか。

 

<過去のGOTCHAROCKAに関するレビュー>

SCREAMY

Rainfall

Royale
Crisis
Poisonous berry
Virginity
Hydrag