平成誤算大全(有害盤)/0.1gの誤算
1. 新SE
2. NEVER ENDING
3. 【S】0723【終焉】
4. 必殺!からくり七変化!
5. 絶対プリティ生命体‐緑川のテーマ‐
6. 灼熱する轟音の旋律と毛根に捧げ鎮魂歌~レクイエム~
7. 月詠センチメンタル
8. 敵刺す、テキサス
9. こんな僕らどうですか
10. Inner Light
11. 君色トワイライト
12. 21gの感傷
13. 有害メンヘラドール
0.1gの誤算にとって初となるベストアルバム。
先に会場限定販売となる【有害盤】が発表され、後に収録内容が一部異なる流通盤が2種類同時にリリースとなりました。
シングル主体のリリースで、アルバムとしてはまず完売集的な作品をリリース。
彼らの行動原理がコテオサ文化にあることを踏まえれば、ここまでの流れは予想どおり。
ただし、その内容は、想像以上に良心的だったのではないかと。
もちろん、ベストアルバムに何を求めるかによっても評価は変わるのだけれど、この作品はオリジナルアルバムとしての役割も担っているのだな、と思うのですよ。
シングル曲を入れ替えただけ、あるいは全曲を発表順に並べただけ、といったお約束のベスト盤とは一線を画していて、表題曲でも収録されていない楽曲があるし、むしろカップリング曲からの選曲が多いと感じてしまうほど。
あえて網羅性について穴を作った形ではありますが、そのおかげで作品の流れが出来ているのも事実でしょう。
また、MVが制作された「敵刺す、テキサス」や、キラキラしたポップロックに仕上げた「君色トワイライト」などの新曲も投下されているし、一部、歌詞も書き換えられているとなれば、いよいよ、バンドによっては1stオリジナルアルバムとして発表してもおかしくない充実っぷり。
実際、過去のシングルで8割がた埋まって、新曲は2、3曲だけっていう1stアルバム、それなりに見ませんか?
それであれば、本作はオリジナル盤と銘打ったって良かったわけです。
ちなみに、【有害盤】のラストを飾るのは、ポップとハードの極端さが織りなすインパクトによって代表曲に成り上がった「有害メンヘラドール」。
流通盤にあたる【初回盤】と【通常盤】では、それをトップバッターとして起用し、読経のようなフレーズが印象的な初期のダークナンバー「21gの感傷」を抜擢。
どちらが最後に来るかで、だいぶイメージは異なるのではないかと。
この変更に、制作者はどんなメッセージを込めたのかな、と推測してみるのも面白いかもしれませんね。
いずれにしても、これまでアルバムらしいアルバムが存在していなかった0.1gの誤算。
入門編となる作品が出来上がったのは、バンドとしてプラスであることは間違いないはず。
今のところ、ライブやSNSでの過激な発言や、手を変え品を変えの企画力で注目を集めているのが彼らの実態ですが、案外複雑なことをさらりとやっている音楽性にも目を向けて、再評価するきっかけにしたい1枚です。
<過去の0.1gの誤算に関するレビュー>