ニュークラシック / 葵-168- | 安眠妨害水族館

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ニュークラシック / 葵-168-

 

1. eureka

2. MUSIC

3. CANDY

4. アザレア

5. 水葬

6. 魔が刺す

7. ニュークラシック

8. beauty girl

9. Break out

10. 破軍の時 (168 ver.)

 

久しぶりにCD媒体でのリリースとなる葵-168-のミニアルバム。

初回限定盤には、Extra Trackとして3曲が追加収録されているため、実質的にはフルレンスとなっています。

 

ソロではあるけれど、バンドでのサウンドメイクを意識しているのが、"葵-168-"というプロジェクト。

本作においても、BULL ZEICHEN 88のsebastianさん、ex-Kaggra,のNAOKIさん、VersaillesのYUKIさんらが参加して、ライブでの熱量や勢いをパッケージするように努めたとのこと。

実際、ソロ作品の中でもバンド時代の激しさが帰ってきた印象があり、キャッチーさはそのままにアグレッシブさを追求した作風となっているのではないでしょうか。

 

ex-FEELのIPPEIさんによるインストナンバー「eureka」を導入として、配信シングル「MUSIC」から勢いを持ってスタート。

葵さんのブレイクのきっかけとなったアヤビエ時代の盟友、涼平さんがコンポーズを担当しており、しばらく音楽から離れていた彼がシーンに戻ってくる際の楽曲として、とても象徴的でした。

アルバムとして聴いてみても、やはり個が際立っていて、作品を引き締めているな、と。

 

また、こうした過去に在籍したバンドの作曲者とのコラボレーションも、本作の肝。

"ニュークラシック"のタイトルのとおり、"新曲だけど懐かしい"という感覚を与えるポイントになっています。

涼平さん以外にも、ex-MASKの和矛さんによる「魔が刺す」、ex-彩冷えるの夢人さんによる「ニュークラシック」が収録されており、意図的にあの頃の続きを実現化。

「魔が刺す」ではシャウトも解禁され、「ニュークラシック」での和メロもたまらない。

現在はそれぞれ別の道を歩いているとはいえ、葵さんが歌う前提で曲を作ると、しっかりバンド時代に寄ったナンバーが出来上がるのが興味深いですよね。

Extra Trackには、葵&涼平の「破軍の時」もリテイクしており、リスタートでありながら、総括的な聴き方も出来るから面白いです。

 

スタートダッシュを持続させるメロディアスチューン「CANDY」、ソロとしての王道とも言えるジャジーな「アザレア」、世界観重視の歌モノである「水葬」と、それ以外の楽曲も、バランスをとりつつ粒揃い。

総合的に見てもクオリティが高い作品に仕上がっています。

「beauty girl」、「Break out」は、ライブ映えに振り切っており、メッセージ性の強い「破軍の時」とともに、Extra Track=ライブのアンコールと捉えるとよいのかな。

 

MASKや彩冷えるで限定ライブを行うなど、過去で話題になることが多い葵さんですが、今の活動はあくまで葵-168-。

いよいよ、復活の狼煙をあげたということで、コンスタントな活動にも期待したいところです。

バンド時代は聴いていたけれど、ソロになってからは離れていたな、というリスナーにもどうか届いてほしい1枚。

 

<過去の葵-168-(葵 from 彩冷える)に関するレビュー>

MUSIC

秘すれば花

夢の彼方へ
ONE(葵 from 彩冷える)