価値観の違いは唯一の救いだった/アルルカン
![]() |
価値観の違いは唯一の救いだった (初回限定盤)
2,138円
Amazon |
1.価値観の違いは唯一の救いだった
2.白死蝶
3.SynonyM
4.blind bud
5.fiction 6.Eclipse
7.像
8.ナミダノア
9.ステラ
10.ダメ人間
11.胸の内側に宿る息
12.DROPLET
13.墓穴
14.Apotosis
15.リビドー
アルルカンの11thシングル+音源集。
15曲入りでシングルと言い放ち、価格もその範囲内に収めているところに好感が持てますね。
まず、表題曲となる「価値観の違いは唯一の救いだった」。
歌謡曲的な要素もあるサビからスタートするキャッチーさも見せつつ、ハードに疾走していくアルルカンの王道的な1曲でした。
途中で激しくシャウトで掛け合いをするパートもあり、ひとつの楽曲の中でもドラマが存在。
サビが訪れるたびに、楽曲のイメージが変化していくのです。
2曲目以降を"音源集"と表現しているのだと思われるので、実質的にシングルはこの楽曲のみ。
そう考えれば、1曲の中にあれこれ詰め込むのも理解できる。
ワンコインシングルとして切られても、確かに勝負できそうなナンバーであると言えるでしょう。
そして、本作に話題性をもたらしたのが、"音源集"の部分。
デモシングルおよび1st~3rdシングルの全楽曲をまとめた内容なのですが、なんと、全曲が再録されているのですよ。
ガラっと解釈を変えるような大幅なアレンジは施されておらず、純粋にレベルアップを示した形。
それが物足りないという声もあれば、今後ライブで演奏されるであろうアレンジになることを踏まえ、改悪されずに安心したという声もあり。
個人的には、一部の歌詞に変化が加わるなど、ライブで得てきたものを還元する以上の試みも見られるため、価値ある再録だったのではないかと。
これで、税金を勘案しなければ2,000円を割る価格設定というのはありがたい。
初期ベストに未発表曲1曲を追加、価格は当然アルバム価格の3,000円超という売り方だって頭にあったはずだ。
現代では一般的な商法であるし、再録しているなら良心的だという評価にもなっただろう。
あくまでシングル扱いにしたというのには、ボーナストラックとして埋もれさせる気はないぞ、というメンバーの表題曲への思い入れを感じるし、まだまだ新規のファンを増やしていくぞという野心もうかがえます。
実際、入門書にはぴったり。
策略にハマるのは癪だなんて思わず、気になっているリスナーは手にと取ってみればいいのでは。
<過去のアルルカンに関するレビュー>