躁像ゼンタングル / Lament. | 安眠妨害水族館

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躁像ゼンタングル/Lament.

 

1. 独白

2. 罪咎

3. Mr. Phantomとパレードと少年

4. Rest In Peace

5. Lily(2017 Ver.)

6. LOST GARDEN

 

「TOTENTANZ」以来、実に4年半ぶりとなるLament.の2ndミニアルバム。

前作が黒を基調としていたジャケットだったのに対し、本作は白が基調となっているのが特徴でしょうか。

 

配布シングルだった「R.I.P」をリメイクして別の解釈として発表された「Rest In Peace」や、1stシングル「 Lily」の再録ヴァージョンなど、新曲の中に、過去の楽曲の進化系を放り込む。

Lament.の過去と未来を繋ぐ作品というコピーも、あながち間違いではないラインナップとなっています。

 

序盤は、らしいスタート。

「独白」はメロディアスなダークチューンで、比較的ストレートに仕上げることで、1曲目にふさわしい勢いを持っている。

続く「罪咎」も、テンポこそミディアム調だが、やはりメロディアスでダーク。

名古屋系が好きな層には響くであろう流れで、掴みとしては大成功ですね。

 

彼ら流のジャズロックを展開する「Mr. Phantomとパレードと少年」や、歌モノに特化した「Rest In Peace」は、そこから一癖加える役割。

新曲とリメイク曲ということで、それぞれ作成時期は異なると思われる。

しかも、曲調としても同じベクトルというわけではないのだが、アルバムの進行はなかなかどうして自然に収まった。

マンネリを避けたうえで、浮いた感じにもさせない、構成力の高さのたまものと言えるはず。

 

「Lily」はさすがにキラーチューン。

表現力には更に磨きがかかり、技術が向上した、音質が改善した、というような客観的な評価では語り切れない部分でレベルが上がったといったところ。

深みを増した、というとやや陳腐になってしまうが、まさにそうなのですよ。

最後は、バラードの「LOST GARDEN」。

「Lily」で見せた感情的な楽曲の延長で、とにかく心が揺さぶられます。

 

アルバム作品としては久しぶり。

もっと早く聴きたかったというのも嘘ではないのだが、実際に出来上がったものを聴くと、これを作り上げるには熟成させる時間も必要だよな、という気にもなる。

コクで勝負。

積み重ねてきた経験値が、本来の武器をより輝かせていました。

 

2017年の作品という点での派手さ、フレッシュさには欠けるのかもしれないが、堅実にヴィジュアル系だからこその表現を探って、純粋に良いメロディを届けようとするスタイルは、刺さる人には刺さるはず。

そういう意味で、もっと注目度が増してほしいバンドのひとつです。

 

<過去のLament.に関するレビュー>

Swimmer

TOTENTANZ