Sacred Xanadu / 凛 -the end of corruption world- | 安眠妨害水族館

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Sacred Xanadu/凛
¥500
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1.Sacred Xanadu
2.Monochrome -vanished ray-

凛の第二章としての初音源。
音楽誌「Cure」誌上限定販売でしたが、音楽データはAmazonやiTunes Store等でも購入可能です。

2013年6月に無期限の活動休止となっていた凛でしたが、Ba.KISAKIさん以外のメンバーを総とっかえ。
ex-MegaromaniaのVo.SUI、Gt.MIZALY、Dr.YUSHI、およびギタリストのCEROを加えた5人編成で復活を遂げました。

KISAKIさんのバンドらしく、コテコテ要素はそのままに、Megaromaniaの血液を注入した効果か、シンフォニックメタル要素が強まったでしょうか。
ライブでは既存曲も演奏されているようですが、新曲を聴く分には、別バンドとして捉えても差し支えなさそう。
フロントマンが変わったこともあり、音楽性以上に、印象が変わって聴こえる部分もあるかもしれません。

表題曲である「Sacred Xanadu」は、キメを多用したイントロが、Phantasmagoria時代の代表曲、「神歌」を思い起こさせる。
それ以降は、ダークテイストの中に、シンセのサウンドで神々しさを演出するメタルナンバー。
SUIさんの鋭さのある声と、太いシャウトが交錯するBメロにおける掛け合いが、様式美だけでなく、ライブ感も重視しているバンドらしいですな。
あくまでもヴィジュアル系バンドというスタンスにおいて、KISAKIさんのバランス感覚はさすがといったところか。

サビでは、疾走感とともにメロディアスさが増して、高揚感がある。
第二章としての一発目として持ってくるにあたり、思ったよりも正統派の王道チューンで仕掛けてきたな、という印象ではありますが、こういう楽曲を主軸にしていくというメッセージであるなら、期待が高まりますね。

カップリングの「Monochrome -vanished ray-」は、メロディアス要素を増して。
シンセを使って神秘的なアレンジにしていたり、ザクザクと切れ込むギターサウンドにより攻撃性は高めていたり、これはこれで攻め気の強い楽曲ではあるのですが、サビでの開放感により、ポップな印象を与えます。
ファルセットを使って、その部分については優しさを見せているのがポイントでしょう。
こちらも、なかなか好みである。

劇的な変化を遂げているわけではないにしても、KISAKIさんに求められている音楽を熟知したうえで、新メンバーの個性も殺さない音楽性にシフト。
新鮮さがあるわけではないにしても、もっともっと聴いてみたいという欲求を駆り立てる。
前任に比べて、ボーカルに癖が少ないのも、ファン層の拡大に繋がりそうです。

もったいないのは、音の粒が粗いところか。
爆音主義もいいのだけれど、これに繊細さが加われば、音楽性を勘案しても強みになるはずなのだけれどなぁ。

<過去の凛に関するレビュー>
PERFECT LOVE~Tribute by Lin~
Metamorphose