レトロスペクティヴ Day2@東京キネマ倶楽部(2014.7.17) | 安眠妨害水族館

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a flood of circle 8th Anniversary Oneman Live"レトロスペクティヴ"の2日目に行ってきました。
この日は、「Parade Go To Zoo」と題され、2ndアルバム「PARADOX PARADE」と、3rdアルバム「ZOOMANITY」を中心とした選曲。
スケジュール上、最終日である3日目には行けないのですが、これは、全部参加したくなる企画だよなぁ。

初日も行っているので、ステージや演出における手の内はわかっているのだけれど、全曲総とっかえとなるため、新鮮さは持続。
2日目は、Vo&Gt.佐々木亮介、Ba.石井 康崇、Dr.渡邊一丘というメンバー構成で活動していた第二期a flood of circleの楽曲たちだったわけですが、現体制も継続的に演奏されている楽曲は初日よりも少ないため、かなりレアなセットリストとなりました。

セッションシリーズのインストナンバーからスタートし、歌モノ一発目に持ってきたのは、「博士の異常な愛情」。
これをトップバッターで演奏していた時期に、彼らのライブに顔を出し始めたこともあって、なんとも懐かしい感触。

そのまま、「Ghost」、「フェルディナン・グリフォン・サーカス」とハイテンションな楽曲を続けていき、早くも、高揚感の最高潮へ。
この2曲、それぞれのアルバムが発表される直前に、リードトラック的な位置づけでライブで先行して披露されていたナンバー。
それだけライブ映えする楽曲だったのですが、アルバムのレコ発ツアーを終えると、定番曲として残ることはなく、いつしかレア曲になってしまっていたのですよね。
こういう機会に、再び日の目を見たのは嬉しい限り。
出来ることなら、これを機に、セットリストに復活させてほしいものだ。

個人的には、聴きたいと思っていた2曲が、ここで登場してしまったため、さて、どうしたものかと思っていたのですが、まったく心配は不要でした。
ライブでの位置づけや、アルバム構成上の流れから、地味な曲として埋もれていた楽曲も、今回、改めて耳にしたことで、なかなか高いポテンシャルを持っていたのだな、と気付かされる。
特に、「Silent Noise=Avente-gard Punk」と「アンドロメダ」が大ヒット。
あれ、こんなに良い曲だったっけ。
こういう収穫があると、得した気分になるものです。
メンバーは、「Black Magic Fun Club」の盛り上がりに驚いていたようですね。

「水の泡」、「月に吠える」は、バラードパート。
「月に吠える」のイントロは、高校生の頃、はじめて買ったエレキで作ったとのことですが、衝動が詰まっているからこその、この純粋で美しいメロディなのだろうな。
MCでは、ここまでのアルバムの制作には関与していなかったHISAYOさんが、保護者目線で成長を褒めていたのが面白かった。

「Forest Walker」を経て、ラストスパートは、「噂の火」、「Chameleon Baby」、「Quiz Show」と畳み掛け。
しんみりした雰囲気すらあった会場の空気を、一気に吹き飛ばす。
そして、ピークに持ってきたのは「Human License」。
予想は出来ていたのだけれど、実際に体感すると、やはり気持ちが良い流れ。
「Quiz Show」からの繋ぎは、シングルリリース時によくやっていたこともあり、色々と思い出します。

ラストは、「最後の晩餐」。
もともと、制作期間が近いアルバムでもあったので、2枚のアルバムを織り交ぜても、違和感がなかったですね。

アンコールは「コインランドリー・ブルース」。
これ、その場では明確に語られなかったのだけれど、石井さんが脱退前の最後のライブで、それを匂わすMCの後で披露されたナンバーなのですよ。
第二期の終わり、ということで、この選曲をしたのであれば、なかなか味なことをしてくれるな、と。

この時点で、対象時期の楽曲はすべてやりきっていたのだけれど、実は、もう1曲用意されていたのが、「Miss X DAY」。
現体制でのはじまりの曲。
3日目に行けない身としては、嬉しいサプライズ。
派手な特効も仕掛けもなかったけれど、この演出だけで十分だ。

総括としては、とにかく楽しかった。
この手の企画、色々なバンドで増えてきているのだけれど、昔の曲をやってくれるというのは、ファンとしては、なんだかんだ、有り難い試みであるのは間違いない。
メンバーチェンジがあっても過去を封印しないという決意は、バンドのスタンスとしても好感が持てます。

また、はっきりとは語らないまでも、これまでにバンドに関わってきた元メンバーやサポートミュージシャンにも触れながら、感謝の気持ちを伝えようとする佐々木さんのMCも印象的。
それを"全部連れて行く"と言い切る覚悟にも、説得力をもたらしていました。
言ったからには、もっと高い景色を見せて欲しい。
この企画を経て、"過去"から得たものを、"今"のa flood of circleの進化に繋げてくれることを期待するとしましょう。


1.Open The Gate-session #4-
2.博士の異常な愛情
3.Ghost
4.フェルディナン・グリフォン・サーカス
5.百鬼夜行
6.Silent Noise=Avente-gard Punk
7.Black Magic Fun Club
8.Paradox
9.アンドロメダ
10.Flashlight & Flashback
11.プリズム
12.水の泡
13.月に吠える
14.Forest Walker
15.噂の火
16.Chameleon Baby
17.Quiz Show
18.Human License
19.ロストワールド・エレジー
20.最後の晩餐

en1.コインランドリー・ブルース
en2.Miss X DAY