1.PERFECT LOVE
凛が、WEB特典として限定生産したシングル。
内容は、なんと、50TAこと狩野英孝さんの楽曲、「PERFECT LOVE」のカバーです。
ファッションマガジン「KERA」主催イベントのために、トリビュートアレンジを施したのだそうで。
原曲は、格好つけているけど、ダサい・・・という狩野さんのスタイルのとおり、真面目にやればやるほど格好悪くなるタイプのナンバー。
笑わせるのではなく、笑われる。
楽曲を聴けば、芸風が一目瞭然で理解できるという意味では、それなりに出来の良い作品なのかもしれません。
凛のボーカリストである、戮さんも、なんとなく、Phantasmagoria時代から、そんなキャラが定着してしまっているひとり。
ネタっぽい煽りやフリでさえも、本人は大真面目にコテコテバンドをやっているというのが、かの有名な「神歌」が代表例とする、彼のブレイクを生んだのだと思います。
それを考えると、なかなか絶妙な選曲。
立ち位置的には、どこか似ているふたりのキャラを活かしたナンバーなのだから、そりゃ、凛でやってもそこそこハマるわけだ。
歌謡ポップス超のシンセが、一応、ヴィジュアル系らしくバンドサウンドにアレンジされてはいるものの、基本的には、原曲の"ダサさ”は残している様子です。
ダサい曲を、ダサいと思わせないレベルまで格好良く！という選択肢もあったろうに、あえて、それをしていませんよね。
まぁ、とにもかくにもダサい。
「男子！」、「女子！」の掛け合いは、鳥肌が立つレベル（寒いという意味で）。
もっとも、本作はそれを狙っているわけで。
個人的には、最近多い、先輩バンドの楽曲を、特段味付けなくコピーしただけのカバーよりは、断然聴く価値があると感じてしまいます。
凛に、コテコテバンドとしての格好良さを求めるのであれば、あえて、手を出す必要はまったくないでしょう。
一方で、流通には乗っていないため、UNDER CODE PRODUCTIONの解体に伴い、手に入りにくくなってしまった作品ではある。
彼らの、キャラまでを押さえたうえで、ネタ要素の強い企画モノを許容できるのであれば、面白く楽しめるのかな、という肌感覚ですかね。
＜過去の凛に関するレビュー＞
Metamorphose