情報過多社会ですよね。
特に闘病中の皆さん(私を含め)は、関係する病のネット情報等をこれでもかとばかりに検索され、良かれと思われる情報は何でも試そうとされている事と思います。
でも、その情報はエビデンスのある情報でしょうか?
特に癌患者さんの場合、情報を妄信される方が多いように感じます。
今回は下記の本を例に深読みしてみます。
Geminiに聞いてみました
イタリア人医師が発見したガンの新しい治療法=重曹は癌に効くシモンチーニ博士をご存じでしょうか?
イタリア人の外科医で、腫瘍学博士です。
本書は、画期的なガン治療法「重曹殺菌」に加え、ガン細胞を消すための生活習慣や心のあり方などをまとめています。調べたところ当該博士は同書が原因で殺人罪で告発されたような記事を見ました。日本では依然として同書が販売されています。事実を知りたいです。
回答
トゥリオ・シモンチーニ(Tullio Simoncini)氏とその主張についてですね。結論から申し上げますと、彼の理論は現代医学において科学的根拠が完全に否定されており、非常に危険なものと見なされています。
あなたが耳にされた「殺人罪での告発」というニュースも事実です。この件に関する事実関係を整理して解説します。
1. シモンチーニ氏の主張とその内容
シモンチーニ氏は元医師(現在は剥奪)で、「がんは真菌(カンジダ菌)の一種であり、重曹(炭酸水素ナトリウム)で殺菌すれば治る」という極めてシンプルな理論を提唱しました。
- 主張: がん組織が白いのはカビ(真菌)だからである。
- 治療法: 腫瘍に直接、または動脈経由で重曹水を注入する。
- 医学的評価: がん細胞と真菌は生物学的に全く別物です。がんが白く見えるのは線維化などの影響であり、カビではありません。重曹による治療効果を裏付ける信頼できるデータは存在しません。
2. 刑事罰と医師免許の剥奪
あなたが調べられた通り、シモンチーニ氏は自身の治療によって複数の死者を出したことで、法的な責任を問われています。
- 2003年: イタリアの医療当局から医師免許を剥奪されました。
- 2006年: 重曹治療を受けた患者が死亡した件で、過失致死罪および詐欺罪で有罪判決を受けています。
- 2012年の事件: 脳腫瘍を患っていた27歳のオランダ人男性が、アルバニアでシモンチーニ氏から重曹治療を受けた直後に心不全で死亡しました。
- 2018年: この2012年の事件に対し、イタリアの裁判所はシモンチーニ氏に禁錮5年の実刑判決を下しました(容疑は過失致死および無資格の医業)。
3. なぜ日本で本が販売されているのか?
海外で実刑判決が出ているにもかかわらず、日本で本が流通している背景には、日本の出版文化と「代替療法」というグレーゾーンが存在します。
①検閲の不在: 日本には公的な検閲制度はなく、内容がどれほど非科学的であっても、犯罪を教唆するような内容でない限り、出版自体を止める法的な根拠がありません。
日本では「表現の自由」が重んじられており、内容が医学的に誤っていても、ただちに販売禁止(発禁)にすることは法的に非常に困難です。
②代替療法の市場: 「標準治療(抗がん剤、手術、放射線)」に不安を感じる患者層に向けて、日本では多くの「民間療法」や「自由診療」が展開されています。
シモンチーニ氏の本も、その一部として「新しい可能性」を謳うビジネスモデルの中に組み込まれています。
本の多くは「体験談」や「新しい可能性」という体裁をとっており、読者が自己責任で選択する「健康本」として扱われています。
③情報の非対称性: イタリアやオランダでの刑事事件の詳細は、日本語ではあまり大きく報じられておらず、読者が「画期的な未承認の治療法」だと誤認しやすい状況が続いています。
海外での判決ニュースは、日本の一般的な書店や読者には届きにくく、センセーショナルな「奇跡の治療法」という看板だけが独り歩きしてしまう傾向があります。
4. 知っておくべき「事実」
重曹(炭酸水素ナトリウム)自体は胃薬などにも使われる身近な物質ですが、がん治療として大量に血管や腫瘍に注入すると、重篤な代謝性アルカローシス(血液の酸性・アルカリ性のバランスが崩れること)を引き起こし、心停止や多臓器不全を招くリスクがあります。
注意点: シモンチーニ氏の理論は、標準的ながん治療を拒否させる要因となり、本来助かるはずの命を危険にさらすものとして、世界中の専門機関(アメリカがん協会など)が注意喚起を行っています。
「重曹でがんが消える」という話は、藁にもすがりたい心理につけ込む非常に危うい言説です。もし周囲で検討されている方がいらっしゃる場合は、冷静に「彼はイタリアで実刑判決を受けた人物である」という事実を共有されることを強くお勧めします。
法的な詳細:実刑判決に至る経緯
あなたが目にされた「殺人罪」という報道は、主に2018年の有罪判決を指していると思われます。イタリアの裁判所が下した判断の詳細は以下の通りです。
- 2012年の事件(オランダ人男性の死亡): 脳腫瘍を患っていた当時27歳のルカ・オリヴォット氏が、アルバニアのクリニックでシモンチーニ氏から重曹治療を受けました。重曹水を動脈へ注入する治療の直後、男性は心不全を起こし死亡しました。
- 2018年の判決内容: イタリアの裁判所は、シモンチーニ氏に対し禁錮5年の実刑判決を言い渡しました。
- 罪状: 加重過失致死罪(Omicidio colposo aggravato)および、無資格での医業活動。
- 判決の理由: 「科学的根拠のない治療を行い、患者に回復の希望を抱かせ、死を招いた」という点が厳しく批判されました。
- 過去の経歴: 彼は2003年にイタリアの医師会から除名され、医師免許を剥奪されています。つまり、その後の治療はすべて「無資格」で行われたものでした。
医学的な反証:なぜ「がん=真菌」は否定されるのか
現代医学において、彼の理論は「生物学的な基礎を無視した妄想」として退けられています。
① 「がん細胞」と「真菌」の決定的な違い
シモンチーニ氏は「がん細胞の正体はカンジダ菌(真菌)である」と主張しましたが、これは顕微鏡レベルの観察で即座に否定されます。
- 構造: がん細胞は人間のDNAを持ち、人間の細胞が変異したものです。一方、真菌は独自のゲノムを持つ植物に近い生物(菌類)です。
- 染色検査: 細胞を特殊な試薬で染める「病理検査」を行えば、両者は一目で区別できます。
② 重曹(炭酸水素ナトリウム)の危険性
「重曹は安全な物質」というイメージがありますが、高濃度の重曹水を血管や腫瘍に直接注入することは、人体にとって極めて危険です。
- 代謝性アルカローシス: 血液のpH(水素イオン指数)は通常 7.4±0.05 という極めて狭い範囲で維持されています。大量の重曹を注入すると血液がアルカリ性に傾き、心停止、けいれん、多臓器不全を引き起こします。
- 壊死のリスク: 組織に直接注入された高濃度の重曹水は、血管や周辺組織を化学的に火傷させ、壊死させる原因になります。
がんの代替療法」の選び方
がんの代替療法を検討する際、最も重要なのは「標準治療(手術・抗がん剤・放射線)の代わり(Alternative)」にするのではなく、「標準治療を補完・助ける(Complementary)」ものとして捉えることです。
残念ながら、シモンチーニ氏のような「これだけで治る」という極端な主張は、医学界では「クワッカリー(いかさま療法)」として警戒されています。納得感のある選択をするための具体的なガイドラインをまとめました。
1. 最初に確認すべき「レッドフラッグ(危険信号)」
もし検討中の治療法に以下の項目が1つでも当てはまるなら、立ち止まって慎重に判断する必要があります。
- 「がんが消えた」など、劇的な成功体験(体験談)ばかりを強調している。
- 医学では「100人にやって何人に効果があったか(統計)」を重視します。個人の感想は根拠になりません。
- 標準治療を否定、または中断するように勧めてくる。
- 信頼できる代替療法の専門家は、主治医との連携を何より大切にします。
- 費用が極端に高額、または自由診療のみ。
- 「特別な技術」「秘伝の成分」などの言葉で高額な請求をするのは、典型的なビジネスの手法です。
- 副作用が「全くない」と主張している。
- 「体に良い」と言われる天然成分でも、過剰摂取すれば肝臓や腎臓に負担をかけ、抗がん剤の効果を邪魔することがあります。
2. 賢く選ぶための「5つのチェックステップ」
代替療法を検討する際は、以下のステップで評価してみてください。
ステップ1:目的を明確にする
その療法で何を得たいのかを整理します。「がんを治すため」なのか、「痛みを和らげるため」なのか、「心の安らぎのため」なのか。目的が曖昧だと、効果のない高額な治療に流されやすくなります。
ステップ2:主治医に必ず相談する
「怒られるかも」と心配される方が多いですが、現在は多くの医師が「統合医療(標準治療+補完療法)」の考え方を理解しています。
聞き方のコツ: 「ネットでこれを見つけたのですが、今の私の治療(抗がん剤など)に悪影響はありませんか?」と、安全性の面から質問するのがスムーズです。
ステップ3:情報の「出所」を確認する
- いつの情報か?(医学は日進月歩です)
- 誰が書いたか?(販売者や利害関係者が書いたものではないか)
- 根拠(エビデンス)はあるか?(人間を対象にした比較試験が行われているか)
ステップ4:標準治療への影響を確認する
サプリメントの中には、抗がん剤の分解を早めて効果を消してしまったり、逆に毒性を強めてしまったりするものがあります。「天然だから安心」は、医学的には「天然だからこそ成分が複雑で何が起きるか予測しにくい」という意味でもあります。
ステップ5:費用の「引き際」を決める
「あと100万円払えば治るかも」という心理は、ギャンブルの追い込みと同じです。家計を圧迫するような金額であれば、それは治療ではなく「搾取」に近い可能性があります。
3. 信頼できる情報源(日本国内)
怪しい広告に惑わされないために、まずは公的な専門機関がまとめた情報を参照してください。
|
情報源 |
特徴 |
|
国立がん研究センター「がん情報サービス」 |
日本で最も信頼できるがん情報のポータルサイト。代替療法の注意点も詳しく解説されています。 |
|
「がんの補完代替医療ガイドブック」 |
厚生労働省の研究班が作成。サプリや食事療法の科学的根拠が網羅されています。 |
|
日本緩和医療学会「がんの補完代替療法ガイドライン」 |
医師向けですが、どの療法にどれくらいのエビデンスがあるかが分かります。 |
最後に
「代替療法」という言葉は魅力的ですが、毒ヘビの毒も「天然」であるように、「自然=安全」とは限りません。
もし「怪しいけれど、どうしても気になる」というものがあれば、まずはその名前と「副作用」や「実刑判決」「裁判」といったワードで検索してみてください。シモンチーニ氏のように、意外な事実が見えてくるかもしれません。
食事療法で癌完治?
食事療法で回復するような記事を見る事がありますが有り得る事ですか?
「食事療法でガンが完治した」という体験談や記事は、ネットや本で非常によく見かけますね。結論から申し上げますと、医学的な視点では「食事だけでガンが治る(消滅する)」という事実は、現代医学では認められていません。
しかし、なぜそのような記事が世に溢れ、信じる人が後を絶たないのか。そこには「言葉のトリック」や「医学的な背景」が隠れています。そのからくりを整理して解説します。
1. なぜ「食事で治った」という話が出るのか?
(4つの背景)
「治った」と語る人たちが嘘をついているとは限りませんが、以下のパターンが非常に多いのが実情です。
- 標準治療の効果を食事のおかげだと思い込む(帰属の誤り)
- 手術や抗がん剤治療を並行して行っていたのに、「自分が頑張った食事療法のおかげで治った」と解釈してしまうケースです。
- 進行が極めて遅いがんだった
- がんの種類によっては、何年も進行が変わらないものがあります。その間に食事に気をつけていると、「食事のおかげで抑えられている」と誤認することがあります。
- 自然寛解(しぜんかんかい)
- 極めて稀ですが、医学的に説明がつかない形でがんが縮小・消失する「自然寛解」という現象が起こることがあります。その時期にたまたま特定の食事をしていた場合、本人は「これが効いた!」と確信してしまいます。
- 誤診、または最初から「がん」ではなかった
- 検査の段階で疑いがあったものが、後の精密検査で良性だと判明した際、「食事療法でがんを消した」と公表してしまうケースです。
2. 食事療法の「本当の役割」とは
食事はがん治療において非常に重要ですが、それは「がんを殺すため」ではなく「体を支えるため」です。
- 免疫力と体力の維持: 抗がん剤や放射線治療は体に大きな負担をかけます。栄養バランスの良い食事は、副作用に耐え、治療を最後までやり遂げるための「燃料」になります。
- 予防としての食事: がんになるリスクを下げる(予防)という意味では、野菜の摂取や塩分を控えることには確かなエビデンスがあります。しかし、「予防に効くこと」と「すでにできたがんを消すこと」は全く別の話です。
3. 極端な食事療法の「落とし穴」
「玄米菜食だけ」「糖質を完全にカットする」「特定の野菜ジュースを大量に飲む」といった極端な食事療法には、がん患者にとって大きなリスクがあります。
セリアック病とは?食の4毒説にエビデンスはあるの?
- 低栄養と悪液質(あくえきしつ): がんは体から栄養を奪います。食事を制限しすぎると、がん細胞よりも先に本人の筋肉や免疫細胞が栄養不足で衰えてしまいます。 これを「悪液質」と呼び、治療の継続が困難になる最大の要因の一つです。
- 治療の遅れ: 「食事で治る」と信じ込むことで、早期治療のタイミングを逃してしまうことが、医学的に見て最も悲劇的な結末と言えます。
4. 信頼できる「食」との向き合い方
もし「食事でなんとかしたい」という思いがある場合は、以下の考え方を持つことをお勧めします。
- 「治療」ではなく「コンディショニング」と考える: アスリートが試合のために食事を整えるのと同じです。主治医や管理栄養士に相談し、今の治療を最大限に活かすための食事を摂る。
- 「〇〇だけ食べれば良い」を疑う: 人間の体は複雑です。一つの食材や成分だけでがんをコントロールできるほど単純ではありません。
- 楽しみを奪わない: 「これは食べてはいけない」というストレス自体が免疫を下げることがあります。おいしく食べることが、心の健康(QOL)には不可欠です。
「食事療法で回復した」という記事は、多くの場合、個人的な体験(偶然や他要因の混同)を一般化して語っているものです。
まとめ
この話は私のblogを読んでいただいている方(癌闘病中の女性)が実践されていたようなので、コメントをさせていただいたのですが心証を害されたようでした。
何を信じ何を実践しようが自己責任でされるのであれば何ら問題は有りません。
私もそれを否定する訳ではありません。
ただ問題なのは、『抗ガン剤を併用しながら使用では殆ど効果が無い』等の情報を信じ実践される方が居たとしたら重大な結果を招きかねません。
まーそんな事を信じ実践される方は我がblogファンには居られないと思いますが、AIからの提言で情報共有をさせていただきました。
製本されて販売されているからエビデンスのある正しい情報とは限りません。
医師が書いているから必ず正しい情報とも言えません。
信じて実践される前に、エビデンスの有無を確認される事をお勧めします。
私も情報提供をする際はエビデンスの有無について更に気を付けねばと感じました。
最後まで読んでいただきありがとうございました![]()
それではまたお会いしましょうね![]()








































































