堺市の交通まちづくりを考える会 -9ページ目

高知県⑤ 路面電車とガソリンスタンド

 

 去年の記事、高知県②では「路面電車とまちづくり」と題して線路際にガソリンスタンドを取り上げて事故率などについて報告した。こちらをクリック

 

 

 出入りや電車との接触事故など、使い勝手が気になっていたので、今回利用してみた。幸い?にも路面電車と遭遇しなかったが、踏切遮断機など無い線路を横切ってガソリンスタンドに出入りするにはコツが要りそうだ。店員さんに聞いてみたが、「昔からこうなので、慣れました。」らしい。 

 高知県はガソリンスタンドの価格が高いことで有名だが、画像で紹介したapollostation 宮ノ前SS / 前川石油(株)はフルサービスにも関わらず、地域最安値だった。次回も必ずお世話なろう。

 

 

 

 

 

 

高知県④【図書館】雲の上の図書館に行ってみた

 台湾の図書館に引き続き、気になった図書館があるので行ってみた。【図書館】シリーズはここをクリック。

 高知県高岡郡梼原町立「雲の上の図書館」は四国山脈の中にあり、第37回日本図書館協会建築賞を受賞している。町役場を始め、公共施設が小じんまりと集まっている地域のなかの一つ。

 月に数回の文化イベントも開催しており、今月(2025年8月)の須藤信一郎アルゼンチンタンゴを聴けた。

 
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↑高知県高岡郡梼原町のホームページから

 

 25mプール3個分の土地面積に地上2階地下1階の鉄骨造、装飾目的に梼原町産の杉木材が内外装に使用されている。地上1階は生涯学習室や絵本コーナー、カフェスペースで、地上2階は半分が吹き抜けで残り半分ほどのスペースに十分な本が並ぶ。地下1階は書庫。館内は土足厳禁で玄関風防室にてスリッパに履き替えるところが自宅っぽくて親近感を覚えた。

↑(左上)玄関の靴箱 (右上)玄関 (中)図書館やこども園 (左下)館内案内図 (右下)図書館全景

 

 低い本棚が主流で吹き抜け感が心地良い。フロアごとに約束事があり、2階は携帯と食べ物がNGだが、1階はOK。本の背が焼けていたりもするが、あまり貸出されている様子もなく装丁や中は新しく綺麗だ。

 

 入口すぐの2階への階段は一部が舞台になっており劇などが演じられたり、逆に階段席としてミニコンサートが楽しめるユニークな利用方法だ。もちろん本棚兼用であるところが図書館らしくて◎2階の図書コーナーが1階の多目的フロアーの半分ほどの広さであることから図書館全体が開放的で、屋根からぶら下がる地元杉材のオブジェといい感じな雰囲気だった。

 

 ライブラリーと称する専門書のコーナーはこっそり潜んで調べ物ができる雰囲気で面白い。大阪の図書館では予約待ちの図書も貸出OK。階段横の本棚にはDVDや郷土資料がぎっしり詰まっていた。一般図書コーナーの棚はやはり低くて開放的だ。

 そもそも雲の上の図書館は日本十進分類法(NDC)ではなく、独自のテーマ別に編集された【いろは仮名文字】48の本棚で構成されている。本を探す図書館ではなく、本と出会う図書館でありたいというコンセプトらしい。(下画像の丸印)

 例えば【に】の本棚には龍馬の”脱藩”にちなみ、脱線、脱サラ、脱原発、脱構築、脱力、脱毛など、本のタイトルに”脱”のつく本を一堂に集めた棚になっていて面白かった。したがってタイトルやテーマではお目当ての本を探すことができず調査研究には不向きである一方で、偶然に出会う本との機会を重視した教養を育む分類図書館だ。

 従来の図書館のように「探し物をしたい民」は、カウンターに行けばいい。「図書館を楽しむ民」は雲の上の図書館を期待している。

 

 吹き抜けを利用してボルダリングが楽しめる。子どもが楽しめる奇抜な発想に驚いた。子どもコーナーは1階中央で、小さな丸机と椅子があるのだが本だけが並ぶ。新聞や雑誌は立ち読みスタイルで気軽に楽しめる工夫が目を見張る。

 


 

【まとめ】

 蔵書数や広さの規模から、政令市堺市においては各区の図書館の規模といえる。もはや堺区の図書館計画においては、この「雲の上の図書館」を完コピすればいい。堺市中央図書館計画においては、台湾桃園図書館を完コピすればいい。完コピが気に入らなければ、オマージュや姉妹図書館などと名乗れば炎上も免れよう。スタンプラリーの導入も視野に入れよう。建築設計の再発注に伴い安価になるなど設計事務所も堺市も、なんなら司書も業務省略で八方うまく収まる。

 もう堺市は悩むことがなくなる。

 

 

 

 

高知県③【防災】黒潮町避難タワーまで足を伸ばした

 今日は9月1日、防災の日。防災士である筆者にとっても特別な日だ。

 

 以前(2024年10月中旬)、高知県高知市の沿岸に設置された避難タワーを視察した。以前の記事はここをクリック。

 日本最大の黒潮町佐賀地区津波避難タワーも視察したかったが距離的時間的に及ばず、今回、四万十川まで足を伸ばすことで念願の黒潮町を訪れることができた。(2025年8月中旬)

 

 南海トラフ地震が起こった場合、高知県幡多郡黒潮町熊野浦の津波予想高さは34mにもなるが、幸いにも住民がいないので避難タワーの建設はない。

 黒潮町消防防災に津波対策について尋ねると「南海トラフ地震が発生すると、高知県沿岸には数分で津波が到達する。これを理由に黒潮町ではいくつも津波避難タワーを建設した。住民が多く高い津波が襲う佐賀地区では、200名程度が避難できる津波避難タワー7階が完成した。それは海抜4m+タワー床面22m=26m海抜高さの床面で、佐賀地区の津波高さは18mを予想していることからタワー床面では8mの余裕がある。」とのことだった。

 

https://www.jfm.go.jp/br8s810000000636-att/jfmdayori_vol30_financing.pdf

 

https://www.town.kuroshio.lg.jp/img/files/pv/kouhou/docs/201707/12-13.pdf

 

 途中の踊り場で励ましのポスターを横目にしながら避難タワー8階まで登ってみた。8階まではおよそ4分かかった。階を重ねる度に周りの住宅が小さくなっていく。かなり高い建造物だと肌感でわかる。山に近い住民はそちらへ避難するらしいが、臨海部の住民はこの避難タワーに避難する。

 気温34度を超える真夏の避難もさることながら、雪降る真冬の避難は過酷だろう。雨風をしのげる避難タワー8階の居室部が100名程度と狭いことも心配だ。

↑(左上)黒潮町の中心に位置する避難タワー

↑(左中)押寄せと引き潮で漂流物が激突することを想定してタワーの説明板に漂流物防御の柵が海岸側と山側に設置されていることが記載

↑(左下)海沿いの国道56号線には、崖への避難階段が設置されていた

↑(右上)避難タワー全景

↑(右上)上り口

 

↑右下から順番に

2階危険@まだここは危ない 速く上に逃げろ!

3階危険@まだまだ上だ! もっと速く!

4階危険@もっともっと上に逃げろ

5階まだ危険@安心するのは まだ早い

6階まだ危険@もう少し あきらめないで

7階ひとまず安心@一番上までもう少し がんばれ!

8階安心@もう大丈夫‼︎

 

 
 事前のアンケートで避難を諦める住民が多いことがわかったため、黒潮町では以下の取組を行なっている。津波避難訓練支援アプリ「逃げトレ」(監修:京都大学防災研究所矢守研究室)を使い、佐賀地区の塩屋の浜などから津波避難場所まで、どのルートでどのくらいの速さで避難すればよいかなどをスマホアプリを使って訓練する。夜間訓練などあらゆる試みを行なう黒潮町に学びたい。
 

 黒潮町における南海トラフ地震・津波の防災計画は、「避難放棄者」を出さないという基本理念をもって構築された。特に役場の全職員が通常業務に加え防災業務を兼務することで必要となる体制を確保した。防災の取組が進むことで「避難行動を取れば助かる」という気持ちへ町民の意識が変化しているようだ。

 他人任せで中身の伴わない自主防災計画を自治会に作成させたり、防災士の補助も渋る堺市とは大違い(以前の記事はこちら)。この温度差は何なのかが防災への取り組みのヒントになる。

 

 

 もう1箇所、高潮町からほど近い高知県高岡郡中土佐町久礼の第1避難タワーに行った。近くには同様の第2避難タワーもあった。高潮町避難タワー同様にスロープと階段があり、加えて道路を挟んだ迎え側の集落からも歩道橋でタワー2階に接続している。海抜6mに立つ第1避難タワーに対して、最大津波想定ラインは13m。避難階1は16.7mなのでおよそ4mの余裕がある。避難階2には災害時に自動で開くキーボックスを利用して避難用備品庫を利用できる仕組みだ。

 

↑(左上)全景 (右上)説明板 (左下)自動開閉のキーボックス (右下)避難用備品庫

 

 またこの避難タワーには手動のエレベーターが設置されており、潮が引いたあとに物資の上げ下げができる仕組みで感心した。

(左上)手動エレベーター1階 (右上)手動エレベーター4階 (左下)人力ギヤボックス (右下)集落からの連絡歩道橋