堺市の交通まちづくりを考える会 -13ページ目

フェニーチェの音響がヤバい!大阪府吹奏楽コンクール

 今年から大阪府吹奏楽コンクールの会場が大東市から堺市のフェニーチェ堺に移った。以前記事(こちらをクリック)でも記したが、期待を裏切らない音響の素晴らしさに驚いた。むしろ関西随一といわれる中之島フェスティバルホールに匹敵する響き方に感動した!これほどのホールに対して当選前の永藤市長は、「市民会館の建て替えは税の無駄遣い」と竹山前市長を批判した。政治アピールとはいえ、文化を知らんアホさ加減が露呈する。
 このフェニーチェ堺を演者として利用できることは貴重な体験で、堺市の小中学生をはじめ高校生に開放する機会を提供してはどうか。芸能人やプロの営業として貸し出すこともいいが、舞台芸術を演じない一般の市民にフェニーチェ堺の舞台裏を体験してもらうこと。歌でも縦笛でも大声でもなんでもいい、舞台に立つという経験を市民に開放する。堺市の下部組織である公益財団法人堺市文化振興財団「フェニーチェ堺」の公式ページ「芸術文化への貢献」にもそう記載されている。
 永藤市長と違って、きっと文化的な市民になるだろう。

 

 

 一つ苦言を呈するとしたら、駅近とはいえ収容人数2,000席に対して、駐車場枠が94台しかないこと。またバスの車寄せなどはなく、参加する楽団のチャーターバスはフェニックス通りに路上駐車を余儀なくされ、極めて危険だ。

 岸和田市立「南海浪切ホール」は1,558席に対して駐車場枠が約2,000台で無料、加えてチャーターバスの駐車場まで完備。

 

注)堺市吹奏楽連盟(https://www.sakai-suiren.com/)が年2回、堺市立中学校と一部府立高校を対象とした吹奏楽定期演奏会と位置づけてフェニーチェ堺を活用しているが、一部の市民を対象としているに過ぎない。
 
 

↑全国常勝の関西創価の演奏は素晴らしかった。舞台の間口はやや狭いが、他のホールに比して奥行きが深い。ホールの床は黒くカッコいい。(朝日新聞より)

 

 

左上)舞台裏は他のホールに比べかなり広く設計されている

右上)反響板の高さもかなりあるので音が上下左右方向に回っているような響きのよさ。
吹いていてとても気持ちのよいホール、癖になりそう。
左下)搬入口も広くて舞台へのアクセス良くて使いやすい。
 
 
 
 

台湾の【図書館】に行ってみた 【桃園市図書館】

 前回は台北市の北投図書館について記した。【図書館】シリーズはここをクリック

 

【公式 桃園市図書館

 桃園市は台湾で現在急速に成長発展している都市の一つで、敷地は藝文広場の公園内に位置し、今後近くに桃園國際空港と結ぶ地下鉄が開通予定である。この図書館は、映画館、ショップ、カフェ、レストランなどが一体となった複合施設であり、週末には屋台が並び、地域社会の核として頻繁にイベントが開催されている。
 基本コンセプトである「生命樹」は、図書館の提供する「知」という実を食べて、市民が成長する場所というイメージから、以下の5つの主要要素で具現化を行った。①Green Spiral:公園の緑を取り込み、屋上まで散策できる空中緑道。途中にBDS装置を設け、図書館のテラスとして自由で快適な緑陰読書も楽しめる。②Knowledge Spiral:図書館の主要な縦動線であり、上下階との視覚的なつながりを持ち、多様な活動をつなぐ空間。③Eco Tube:奥行きの深い図書館に自然光を取込み、吹き抜けの熱を効果的に排熱する環境装置。ナレッジスパイラルの床を支える構造体でもある。④Eco Skin:木目をプリントしたLow-E 複層ガラスによる外皮。木目の透過度を調整することで内部からの視界を確保し、温かみのある外観を形成している。⑤Bookshelf Structure:床の振動を軽減する防振本棚。公園の緑を内部に取り込みつつ、本に囲まれた特徴的な図書館風景を創出する。
 図書館の利用者は幼児からお年寄りまでと多様で、健常者も身障者も、個人もグループもが利用する。それぞれが自由に自分のお気に入りの場所を見つけて、読書やトーク、様々な活動など、居心地の良い自分の居場所で楽しむ事が重要と考える。上記のコンセプトは基本的にシンプルでありながら、結果として豊かで多様な空間が創出されている。その多様な空間に、音や光などの要素を用いて空間に秩序を与えることで、空間のバリエーションが豊かになっている。

 

桃園市図書館(交通部観光署より)

 

桃園市図書館(梓設計より)

 


 

 ワンフロアは50mプールが並列に2個並んだほどの大きさ。各フロアは螺旋状にエスカレーターで登っていく構造。中央にはガラス張り円柱が採光を果たす。巨大で人気なわりに岐阜市図書館のような多目的で市民が集まるといった雰囲気はない。たまのお休みに家族で出かけるといったアミューズメントパークのようだ。近代的な図書館で、優等生すぎる感じがした。

 

↑(右)(上)台北市MRT園山駅の地上バス乗り場から9023系統を利用すると、桃園市街まではノンストップなので時短で地下鉄よりも安価。(下)バス停の小さな電光掲示板を頼りに順序よく並ぶ。(左)車内は観光バス風で着席。(中央)桃園図書館周辺は工事中だった。

世界バス轉運站 -アジアの交通総合ブログより

 

 

 

↑(上)入り口から見た図書館、木製っぽい外壁 (右上)外壁は木目をプリントしたシールを厚いガラスに貼ったようだ。 (下)だだっ広い広場に左から美術館、図書館、高級高層マンションという立地。周りには高級輸入車ディーラーなどが立地する桃園中心市街地。

 

↑(上)1階はイベント開催中の多目的スペースと(下)カフェやTSUTAYA本屋が並ぶ。

 

↑(左)2階が総合案内受付で3階〜7階までが図書。3階が「子ども」表記ではなく「親子」であることが特筆。(右)3階の「親子」フロア。奥には輪っかになった椅子?ソファ?の中に入って読書できるなど、棚が低いこと以外にもさまざまなスタイルで子どもたちが自由な姿勢で読書できるアイデア満載。

 

 

↑(左上)3階子どもサイズのローソファー (右上)大スペースの本棚の下だけ使っているのはやはり子ども高さ、お国柄のせいか、多言語絵本がぎっしり蔵書されていた (左下)親子がソファーで楽しんでいた (右下)親子や兄弟でボードゲームに没頭する子どもたち

 

↑3階奥にはネズミ車のような読書椅子?があったり、手前にはトンネルをくぐってサークル棚の内側に入れたりと楽しそうなお子様フロア。もちろん棚は低い。

 

↑(左)5階の窓際自習スペース (右)3階のお子様フロアの本棚 どちらも本棚には十分な余裕がある。

 

↑4階角形のスロープが交差するオブジェに陳列される本。何かのイベントのようだが、見ているだけでも楽しいオシャレな展示に感心した

 

↑3階お子様フロアから4階イベントフロア、5階〜7階までを一望できる

 

↑(左上)台湾華語の繁体字ではあるが、 森見登美彦の「夜行」をドリンクとともに楽める (右上)万国イベントが開催されていた、床に座り込む読書スタイルもここでは正解 (左下)窓際にも読書スペースあり、飲用は許可 (右下)各フロア窓際には自習スペースがあり、日光から蔵書を守りながら採光している

 

 

↑(上)視聴覚室では様々なDVDを鑑賞できる (下左)台湾華語に吹き替えられた日本アニメも少なくない (下右)ペア視聴覚席もあったので、おそらく親子で楽しむんだろう

 

 

 

 

 

台北市北投図書館の記事はこちらをクリック

 

台湾の【図書館】に行ってみた【台北市北投図書館】

 岐阜市役所に隣接する広大な敷地に敷設された「みんなの森 ぎふメディアコスモス」は、「知の拠点」の役割を担う市立中央図書館、「絆の拠点」となる市民活動交流センター、多文化交流プラザ及び「文化の拠点」となる展示ギャラリー等からなる複合文化施設に2025年6月に訪れた。記事はこちらをクリック。【図書館】シリーズはここをクリック

 小さな家としての「グローブ」と大きな家としての「木製格子屋根」が組み合わされる波型屋根を有するデザインが特徴。図書館は、紫外線から本を守りつつ自然光をどう取り込めるかがポイントになるようで、グローブは図書のテーマ区切りだけでなく、自然な採光窓としても機能している。

 

↑「みんなの森 ぎふメディアコスモス」HPより

 

 

 これからの図書館は、多目的な要素で多様な人とそのニーズに対応した「市民が集う」をテーマにしたものに変化してゆくことを岐阜市図書館から学んだ。では海外の動向はどうなのか気になって調べると、隣国の台湾にもすてきな図書館があることを知った。博物館に隣接する「台北市北投図書館」と美術館に隣接する「桃園市図書館」だ。とても興味が湧いたので早速行ってみた。

 

 

公式 台北市北投図書館

 

 北投図書館は台北市で温泉が湧くことで有名な北投區に所在し、台湾初の環境に優しい「緑の建築」の図書館。北投公園内にあり、北投温泉博物館に隣接している。地上二階、地下1階の建物は、屋根は軽量の材質で太陽光発電パネルが取り付けられるなど、全体が環境に優しい構造となっている。また、緑化した屋根と傾斜部分の芝生は雨水が自然に回収槽に溜まる仕組みで、この水を植物に与えたり、トイレの洗浄に使ったり、水資源の節約を行なっている。2012年には米国のサイトFlavorwire.comで「世界で最も美しい25の公立図書館の一つ」に選ばれた。

台北市北投図書館(交通部観光署より)

 

 


 

 台北の地下鉄MRT北投駅からほど近い、北投図書館に行ってみた。オーソドックスな採光だが、「森の図書館」をイメージした全館木製の床や低い本棚、柱に落ち着きを感じた。お子様フロアは子どもに媚びることはないけれど、子どもが自由な姿勢で読書できる工夫に感心した。日常使いできる図書館といった感じがした。

 

↑北投公園内の温泉川に並ぶ北投図書館全景、東家から撮影。有馬温泉のように湯けむりが上がるほどではなかった。

 

↑(左上)図書館脇の遊歩道広場 (右上)図書館脇の遊歩道階段 (左下)図書館入口 (右下)図書館扉には禁止事項のピクトグラム、ペットと飲食禁止、WIFIあり

 

↑鉄鋼の補助もありつつ木造を堅持する構造は1階(お子様フロア)から2階、3階へとつながる

 

↑低めの120cmの木製棚とPC木製机、床材も木製。木のぬくもりを感じる森の図書館と行った風情

 

↑お子様フロア (左上)親子サイズの木製腰掛けと円形のゴロゴロできるスペース (右上)数段の階段状になったスペース (左下)高さ違い階段がついた円形の台 (右下)1階への読書階段

 

↑各階のベランダで読書できるが、暑い

 

↑蔵書に日光が当たらないよう、周囲は読書スペースであったり、うまい採光をしている

 

↑(左上)採光できない建物中央部の木製棚には、必要なときにだけ点灯させる照明のスイッチが有る  (右上)日本文化を伝えるガイド本。食べ物を題材にすると覚えやすい? (左下)短時間だけ偉そうに座る椅子があるが、ソファーもある (右下)筆型のトイレオブジェの意味は?(笑)

 

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