デューク・ピアソンは心底音楽したくてたまらない人 「さあ、デューク」~勝手にジャズ妄想ストーリー | 音楽でよろこびの風を

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相模の風THEめをとのダンナ

いしはらとしひろです。

 

勝手にジャズ妄想ストーリーの第4編め。

今日からスタートです。

今回の主人公はデューク・ピアソン。

このジャズの物語では初のピアニスト。

彼は作曲やアレンジ、そしてプロデュースにも才能を発揮した人。

その音楽性は深く、かつ繊細。

 

ところが、この人。

繊細な紳士にもかかわらず、今までのジャズマン霊の物語の中では、一番暴れてくれました。

僕はこの物語を書いているとき、次から次へ文字が進んでいくようで楽しくてしょうがなかったなぁ。

 

では、お読みください。

素晴らしいジャズマン、デューク・ピアソンの物語

 

 

勝手にジャズ妄想ストーリー④

「さぁ、デューク! ~いつまでも音楽し続けるデューク・ピアソン」

いしはらとしひろ作

 

 このところ、CD屋に行く回数が増えている。そう、勝手に妄想ジャズストーリーなんてのを書き始めてしまったから、いくらジャズは好きだけど大して聴いていませんよ、と書いていても最低限のところは抑えておきたいじゃないですか。

 妄想だからテキトーなこと書いてもいいんですが、(実際テキトーなこと書いてますが)ここは間違っちゃいけねえ、みたいなこともありますからね。

 

 ところで、今回の「さぁデューク」

もはやタイトルの意味も通じにくいかと思うので、最初に説明します。そこを説明しちゃうなんて超野暮だけど。むふふ。

 スティービー・ワンダーの名曲で「サー・デューク」という曲があります。20世紀のジャズの巨人、ビッグバンドリーダーのデューク・エリントンに捧げた名曲です。Youtubeで検索すればすぐに出てくるはず。そこをもじったというか、ねじれたリスペクトというか。

 まぁ、ジャズで「デューク」といえば、まずは誰よりもエリントンさん。当然でしょう。そして、オールドジャズファンなら次いで思い浮かべるのはデューク・ジョーダンかな。哀愁のピアニスト、なんて言われています。

 しかし、僕にとってはデュークといったらピアソン!で決まり。ピアソンさんはクラブジャズなどで人気が盛り上がり再評価された人なので、そちらから入った人にはなじみ深いかもしれませんね。

 繊細なのにグルーヴィという、いささか変わった人です。そしてピアニストとしても素晴らしいですが、その編曲・作曲の才がとてつもなく素晴らしい。グレート、というよりはチャーミング。そんなデューク・ピアソンの物語を。

 

 僕がまだジャズを聴き始めた頃に買ったアルバムの中に、ブルーノートレコードのピアノメインのオムニバス盤がありました。バド・パウエルにホレス・シルバー、ソニー・クラークなど有名ピアニストの名演奏が詰まっているので、入門編としては良いアルバムです。

 しかしこちとら、本当にジャズの初心者。ジャズを聴き始めて3枚目くらいのアルバムがこれです。そんな「ジャズ慣れしていない耳」にとても心地よく響いたのが、デューク・ピアソンの『スウィート・ハニー・ビー』とハービー・ハンコックの『スピーク・ライク・ア・チャイルド』でした。

 特に『スウィート・ハニー・ビー』のわかりやすくも心浮き立つようなテーマリフ。しかもなんとも昭和感溢れる?メロディ。一発で惹かれ、その曲が入ったオリジナルアルバムも買って聴きました。そこから少しずつ、デューク・ピアソンの魅力にはまっていくわけです。

 

 デューク・ピアソン(1932年~1980年)

 アメリカのジャズ・ピアニスト、作編曲家、プロデューサー。

 ドナルド・バードに見いだされ、彼のアルバムで名盤の評価も高い『フィエゴ』でレコーディングデビュー。繊細なタッチのピアニストとして人気を得ると共に、作曲家、編曲家としても頭角を現す。後にビッグバンドも結成。

 1960年代後半、アルフレッド・ライオンがブルーノートレコードを去った後は、同社にてプロデューサー、ディレクター的な役割も果たす。1990年代以降、クラブジャズシーンで「チリペッパー」や「ファントム」などに光が当たり、再評価される。

 代表作は『テンダー・フィーリングス』『プレイリー・ドッグ』『スウィート・ハニー・ビー』『ライトタッチ』『ファントム』など。

 

 僕は新宿のディスクユニオンジャズ館で、中古のCDを漁っていた。ジャズ・ピアノの棚のDの欄を眺めていて『イントロデューシング・デューク・ピアソンズ・ビッグバンド』を手に取った時に、後ろから黒い手がすっと伸びてきた。

 えっ、と思って振り向くと、今手に取ったジャケットと同じ顔が。ひょろっとした顔のあの人がいる。ははぁ、もうこのパターン、慣れてきたぞ。ようこそ、デューク・ピアソンの霊。

 アイク・ケベックさんの次はデューク・ピアソンさんかぁ。アイク・ケベックさんが1963年に亡くなって、その後をピアソンさんが引き継いでブルーノートレコードのA&Rの仕事をしていたというつながりからかな?ピアソンさんも1980年に亡くなっている。だからこそ霊として21世紀の僕とも、こうやって会えるわけだが。

 

 ピアソンさんは僕の顔を見つめて、にやっとした。

「私がいちばんやりたかったプロジェクトだったんですよ、これ」例によって脳内に直接響く声。

「ビッグバンド!これはアレンジャーとしては冥利に尽きる音楽ですよね、きっと」

 本人が一番力を入れていた、というのだから、これは聞くのが楽しみだ。

「お呼びするの、ピアソンさん、でいいですか?」

「ええ、もちろん。デュークだと、誰だって、エリントンの方を思い出すでしょう」

「そ、そんなことはないですよ。あなたのファンだって多いですよ」

「とってつけたように、無理しなくても良いですよ。私にはそこまでファンはいませんから」

 うーん。確かにピアソンさんのアルバム、大ヒットしたとかはなさそうだしなぁ。結構そういうこと、気にしぃなのかもしれない。

「ねえ、ピアソンさん、今このビッグバンドのCDを買ってきますんで、どこかでお茶でも飲みながら、ゆっくりお話ししませんか?」

「ええ、お話はもちろん私もしたいです。でも、霊なので喉は渇かない。もしよければ、音が出せる場所が良いですねえ」

「音が出せる?」なんてこった!ピアソンさん音を出す気なのか?でも、どこで?カラオケか?『ボーン・イン・ザ・USA』でも歌うのか?いやいや、それは違うだろう。

 音を出したいって言うのは………ピアノの音を出したいってことだよな、ピアソンさんはグレートなピアニストなんだから。ここは新宿だ。確か僕が会員になっているリハーサルスタジオの新宿店がこの辺にあったはずだ。

 アイフォンを取り出してすぐに検索して、電話をかける。しかしこういう場合は2名で予約すべきだろうか?デュークさんの姿はきっと見えるだろうから、2名の方が無難だな。

「ピアソンさん、ご希望通り、スタジオをとりましたよ。2時間で良かったですか」

「2時間も音を出せるんですね。幸せだ」ホントににっこり顔。音、出したかったんだろうな。 

「すいません、グランドピアノの部屋は空いていなかったんで、アップライトピアノでもいいですか?」

「ピアノなら何でもオッケーですよ」

 CDの会計を済ませた僕は、ピアソンさんと一緒にスタジオへ向かって歩き出す。

「僕のこと、グラント・グリーンさんに聞いたんですか?」

「ええ、そうです。アイク・ケベックもとてもよろこんでいたし、もちろんハンク・モブレイも」

「ええ!じゃあ僕が会ったジャズマン霊全員じゃないですか」

「今、あなたはジャズマン霊の間では、結構話題ですよ。ちゃんと話を聞いてくれるいいやつだって。みんな寂しいんですよ」

「まぁ、いいやつかどうかはアレですけど、でも、ジャズファンにとって好きなミュージシャンと話ができるなんて最高じゃないですか。そりゃいくらでも話したいですよ」

 しかしピアソンさんの話通りだとすると、これからもジャズマン霊が僕の元にやってくるってことか?まぁ、色々な話が聞けるし、こんな体験できる奴がそうそういるとは思えないからいいか。少なくとも迷惑なことはなにもない。

「でも、僕よりもピアソンさんやジャズ全体に詳しい人なんて、この世の中にたくさんいると思うんですけど、なんでまた皆さん僕なんかと?」

「さぁ、なんででしょうね。でも、私もあなたとお話がしたくて、こうして姿を現したんですから、それでいいじゃありませんか。それに詳しいからって、その人を好きかどうかはまた別の問題です」

 ひょー嬉しいこと言ってくれるね。

 

 

 

今日はここまで。

ジャズマン霊に『音を出したい、』と言われたのは今回が初めてです。

びっくりしたなぁもう。

次はどのように展開していくのでしょうか?

お楽しみに!

 

※この物語は実在の人物、実在の楽曲やアルバムを素材にしていますが、全てフィクションです。

 

 

勝手にジャズ妄想ストーリー

 

さあ デューク!

第二話はこちらから読めます

第三話はこちらから読めます

第四話はこちらから読めます

 

その1 「モブ霊~心優しきサック奏者ハンク・モブレイとの会話」は こちらから読めます。ブルーノートを代表するサックス奏者

 

その2 「野生の緑~グラント・グリーンのしつこい魅力」は こちらから読めます。 最高のグルーヴを聴かせるギタリストの物語

 

その3 「遺作なのにエロいってどういうこと!?~アイク・ケベックのたくましさ」は こちらから読めます。 彼は『男』だ!骨太の音と山あり谷あり人生。

 

 

 

【相模の風THEめをと情報】

相模の風THEめをとの映像はこちらから見られます


11月22日(日) いい夫婦の日
相模の風THEめをと結婚14周年記念ライブ!
久々のリアルライブ+有料配信ライブ

 

相模の風THEめをと いいフーフの日 11月22日

ワンマンライブ(有料配信)のお知らせです。

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音楽は祝祭だ!

相模の風THEめをと と最高の音空間を楽しもう!


11月22日(日) 18時30分よりツイキャスにて配信
有料配信のお申し込み方法

料金 2000円
☆有料配信はリアルタイムでご覧になれるほか、
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ライブ当日から12月5日まで観覧可能です。
何度でも見られます。

今回はツイキャスから配信します。
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