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米系ホテルが営業再開 自爆犯2人特定は難航


 爆弾テロから12

 今月十七日の米系ホテル同時爆弾テロから十二日が経過した二十九日、南ジャカルタ・メガクニンガンの米系JWマリオット、リッツ・カールトン・ジャカルタの両ホテルは営業を再開した。爆発で破壊されたラウンジやレストランは修復作業を終えていないが、ホテル側は警備体制を全面的に強化し、再発防止に努める方針。一方で警察は自爆犯二人の身元特定で難航している。マレーシア人の過激派指導者ヌルディン・トップ容疑者が、未成年の若者を自爆テロ要員としてリクルートしていた可能性もあり、同容疑者らの行方を追っている。
 事件直後から両ホテル前に張られていた非常線はすべて外され、新興ビジネス地区であるメガクニンガンを一巡する大通りは通常通り通行できるようになった。銃を構えた武装兵士はいなくなったが、ホテル前の歩道や車が進入するゲート、正面ロビーなどには待機する警官の姿が目立つ。
 粉々に破壊されたガラスの破片が散乱していたJWマリオットのロビーやレストランは、ガラスがすべて入れ替えられ、椅子なども新調された。
 ロビー右手から奥に入ったところにあるラウンジは、爆発で天井が大破したため、現在も修復工事が続けられ、立ち入り禁止のままとなっている。リッツ・カールトンの爆発現場のレストランもビニールシートが張られたままだ。
 セキュリティーチェックは、かばんの中もすべて見せ、ノート型パソコンも電源を入れて確認するなど大幅に強化された。犯人はホテルの客室で爆弾を組み立てた可能性もあり、爆発物の持ち込みをいかに防ぐかが今後の課題となる。
 同ホテルの関係者は「今後、監視カメラや警備員を増強するほか、爆発物を検出する最新機器、警察犬を導入し、安全面の信頼性を高める努力をしていく」と話した。
 営業が再開されたこの日、事件前に予約を入れ、その後もキャンセルしなかった客が予定通りチェックインした。

ヌルディン一味を追跡

 事件の捜査に大きな進展は見られない。警察当局は、両ホテルの爆発現場でそれぞれ手足などがばらばらになって発見された身元不明の遺体が自爆犯である可能性が高いと判断、二人の似顔絵を公表したが、有力な情報は得られていない。
 またJWマリオットの客室から見つかった不発の手製爆弾が、事件前に中部ジャワ州チラチャップの民家裏で押収された爆弾と酷似していることが判明。爆弾を保管していた疑いなどでバフルディン・ラティフ容疑者を追跡する一方、同容疑者の娘アリナ氏の身柄を拘束した。
 アリナ氏は数年前、一連の爆弾テロ事件の首謀者とみられ、爆弾専門家のマレーシア人、ヌルディン・トップ容疑者(逃亡中)と結婚。夫の逃亡をほう助していた疑いが出ているが、同氏の弁護人は「夫の名前は異なり、逃亡者であることなどは知らなかったと話している」としている。
 ヌルディン容疑者は、東南アジアの地下組織ジュマ・イスラミア(JI)の軍事指導者とされてきた。近年、爆弾テロ続行を主張する過激派として分派を形成し、同容疑者が各地で自爆要員の若者をリクルートしていたとの見方もあり、警察は中部ジャワなどでヌルディン容疑者と接触していたとみられる若者の行方を追っている。


新型インフルエンザ 国内初の死者を確認 感染者は362人に 


 

 保健省感染症総局のタンドラ・ヨガ総局長は二十五日、国内で初めて新型インフルエンザによる死者が出たと明らかにした。
 死亡したのはジャカルタ在住の六歳の女児で、十九日に民間病院から政府の指定病院に転院。二十二日に死亡した。遺伝子検査により、新型インフルエンザに感染していたことが確定したが、感染経路などは明らかにされていない。
 新型インフルエンザではマレーシア在住のインドネシア人留学生が死亡しているが、国内での死者は初めて。
 同総局長は「新型インフルエンザの致死率は〇・四%に過ぎない」としてパニックになる必要はないと指摘。国民に衛生環境に留意するよう呼び掛けた。
 保健省は二十五日に死亡した女児を含む二十一人、二十六日に十九人の感染を公表。感染者は合計三百六十二人になった。
 地域別ではこれまで感染が確認されていたジャワやバリのほか、南スラウェシ州、南カリマンタン州でも感染者が出た。

ユドヨノ再選が確定 総選挙委が最終結果発表

 メガ・カラは受け入れず

 総選挙委員会(KPU)は二十五日午前、中央ジャカルタ・イマム・ボンジョル通りの同委本部で大統領選(七月八日投票)の最終開票結果を発表、ユドヨノ大統領ブディオノ前中銀総裁が七千三百八十七万四千五百六十二票、得票率六〇・八〇%を獲得し当選を決めた。総有効票は一億二千百五十万四千四百八十一票で、投票率は約七二%。十七日の米系ホテル同時爆弾テロの直後でもあり、同委本部前は鉄条網が二重にめぐらされ、軍の装甲車も動員して厳戒態勢が敷かれる中での発表となった。メガワティ、カラ陣営は有権者名簿に不備があったとして憲法裁に提訴する意向を明らかにしており、十月二十日の次期大統領就任までは混乱が続く可能性もある。
 最終結果によると、次点はメガワティ前大統領プラボウォ・スビアント元戦略予備軍司令官で三千二百五十四万八千百五票で得票率二六・七九%、ユスフ・カラ副大統領ウィラント元国軍司令官(ハヌラ党党首)は千五百八万千八百十四票で得票率一二・四一%だった。
 ユドヨノ氏は、得票率六〇%以上、三十三州のすべてで二〇%以上の得票率を獲得。「全国得票率五〇%以上、かつ十七州以上で得票率二〇%を獲得」との大統領選挙法(法律二〇〇八年四二号)の条件を満たし、第一回投票での当選を決めた。
 集計結果を無効と主張するメガワティ氏とプラボウォ氏は欠席。カラ氏とウィラント氏は出席し、えんじ色のバティックを来たユドヨノ氏が入場すると立ち上がって笑顔で握手した。
 総選挙委のアンディ・ヌルパティ委員がゆっくり三十三州での開票結果を読み上げ、最後にアブドゥル・ハフィズ・アンシャリ委員長が「神のご加護により、以上の通り正式に最終結果を発表する」と宣言した。
 二組の正副大統領候補と総選挙委関係者は笑顔で記者団のリクエストに応え、片手を挙げて写真に収まった。これまで五年間、初めて直接選挙で選ばれた正副大統領として政権を担ってきたユドヨノ氏とカラ氏は、式が終了してからは再びあいさつを交わすことはなく、足早に会場を後にした。

ユドヨノ陣営は勝利宣言

 ユドヨノ氏は結果発表後、西ジャワ州ボゴール・チケアスの私邸で勝利宣言し「すべての関係者に感謝する」と述べた。
 ユドヨノ氏は「これまでの国政選挙に比べ、本質的に平和で、民主的に行われた」と評価。対立候補陣営が選挙結果を受け入れず、憲法裁に訴える意向を示していることに触れ「確かに不備はあったが、不正とは異なるものだ。しかし、問題は適切に解決されなければならない」と語った。

敗北者は憲法裁へ提訴

 カラ陣営選対本部のユディ・クリスナンディ氏(ゴルカル党中央執行委員会役員)は「総選挙委の招待に応じただけ。結果を受け入れるわけではない」と発表した。
 カラ陣営は二十七日、メガワティ陣営は二十八日に憲法裁に提訴し、選挙結果の無効を訴える方針を示している。