サデオのインドネシアニュース -23ページ目

噴火警戒最高レベルに ムラピ山、住民の避難開始


 火山地質災害対策局は二十五日、中部ジャワ州とジョクジャカルタ特別州にまたがるムラピ山(標高二千九百十四メートル)の四段階の火山の警戒レベルを最高の4(アワス、避難準備)に引き上げた。同局は火口から十キロ以内に住んでいる住民約一万一千人に対し、いつでも避難できるように準備をするよう勧告した。同日午後三時には、一部の地域で、お年寄りや子どもなどを優先的に避難させる作業を開始した。
 同局は同日午前六時ごろ、火山性地震などの観測結果から噴火が近付いているとして警戒レベルを上げた。二十一日夜には、警戒レベルを2(ワスパダ、注意)から3(シアガ、警戒)に引き上げていた。
 これまでに山の周辺では火山灰が降るなど火山の活動が活発化。先週ごろから住民の避難のために周辺の道路を整備し、避難所を急ピッチで建設するなど、噴火に備えた活動を進めている。
 同局はこれまでの火山性地震などの調査データから、最近起きた二〇〇六年の火砕流よりも、大きな火砕流が起きることを予想し、警戒を強めている。スロノ局長は二十五日「火山活動が活発化し、マグマが火口の約一キロの深さのところから上昇してきている」と説明。同局は噴火した際は山の南側で火砕流が発生する可能性が高いとしており、「南側や南東、東側の住民に対し特に避難を促した」と語り、「確証があるわけではないが二〇〇六年のときよりも火山の活動規模は大きく、一九三〇年に起きた大噴火のようになる可能性もある」と話した。
 ムラピ山は一九三〇年に噴火した際、大規模な火砕流が発生。多くの村が飲み込まれ、周辺の住民約千三百人が死亡した。九四年にも火砕流で約七十人が死亡。二〇〇六年には、被災地ボランティアの二人が死んでいる。
 火砕流以外でも被害が出ており、一九七六年には、それまでの噴火により降り積もった火山灰が豪雨で流され、泥流が発生。三百八十五戸が損壊、二十七人が死亡した。

 二〇〇六年六月、噴火したムラピ山の火砕流に埋もれ、ボランティア二人が死亡したジョクジャカルタ特別州スレマン県カリアデム村の地下避難壕付近には、危険度が引き上げられたにもかかわらず、国内外の観光客が多数訪れている。
 火口から約七キロ。避難壕の回りに堆積した火砕流は岩石のように固まり、その上には登山道のような道筋もできている。近隣の町から来た高校生のグループや、ジャカルタなど各地からジョクジャを訪れた観光客なども、噴煙を間近に見ようと足を伸ばす。
 ただ早朝以外、山頂は濃い霧や火山灰に覆われ、噴煙を噴き出す様子はなかなか見られない。時折、雷のようなごう音が聞こえ、サルが木々の間をつたって降りていくのが見える。
 「危険を察知して山頂付近から降りてきているんだ」。観光客相手に土産物を売るカリアデム村の住民スラジさん(三四)が説明する。「地元の住民は、マリジャン(ムラピ山の番人と呼ばれる王宮の侍従)が避難を命じるまでは普段通りの生活を続ける」
 タクシー運転手スギマンさん(四二)は「〇六年当時も、ムラピ山の火山活動が活発化して大地震が起きた。ジョクジャの人々は北のムラピ山と南の海を結び付けて考える。竜の体に例え、頭は山、尻尾は海というようにね」と話す。地震で自宅が全壊した経験もあり、「今回の火山活動ははるかに規模が大きいとの予測もある。地震が起きなければいいが」と心配そうな表情を見せた。


予算縮小、1.9兆ルピアに 来月着工、2013年完工へ ングラライ空港


 

 バリ島のングラライ国際空港を管理する第一アンカサプラ社は、同空港の大規模な改修工事向け資金について、当初予定していた二兆三千憶ルピアから一兆九千億ルピアに縮小する。ムスタファ・アブバカル国営企業担当国務相がこのほど、「金融開発監査院(BPKP)の監査を受け、予算を減額した」と明らかにした。地元紙が報じた。
 資金は、一兆二千五百億ルピアを国営銀の融資で調達し、残りの六千九百四十億ルピアは第一アンカサプラ社の自己資金を充てる。
 ムスタファ国務相は「国営石油・ガス会社プルタミナに発注する予定だった、三千三百億ルピアの新しい燃料倉庫を取りやめるなどの変更があった。資金については、まだ話し合いを進めており、中国など海外からの借入も検討している」と話した。
 改修工事は、来月にも着工する予定で、二〇一三年までの完工を目指す。計画では、改修工事を機会に、一万五千平方メートルの国際線ターミナルと七万平方メートルの国内線ターミナルを入れ替える。さらに新国際線(旧国内線)ターミナルを五万平方メートル拡張し、十二万平方メートルとする。敷地内には、三階建てで、千五百台を収納可能な立体駐車場も建設する。改修後は、年間二千万人の旅行者が利用できるようになるという。空港敷地面積は、約十九万平方メートルとなる。
 昨年の空港利用者数は、国内線が七万六千七百九十七人、国際線が九百六十二万五千四百三十三人だった。

あすレバラン 首都からの帰省ピークに


 レバラン(断食明け大祭)初日が十日となることが正式発表され、今年の断食月も休暇奨励日となる九日の一日を残すだけとなったジャカルタでは、八日までに地方への帰省の波がピークを迎えた。運輸省は、今年のレバラン帰省者は千五百五十万人を超えると発表。国民の約九割を占めるムスリムが、一年で最も盛大に祝うレバランを故郷で過ごそうと、州内の陸・海・空の出発ターミナルが大混雑したほか、地方へ向かう道路も大渋滞となった。
 西ジャワ州バンドン県ナグレグ周辺では、ジャカルタから中部、東部ジャワに向けた自家用車や二輪車で八日も大渋滞。警察は一部の道路を一方通行にするなどして対応した。
 スカルノハッタ国際空港では、レバラン期間で国内線、国際線合わせて五百五十四便以上を増便し、国内線で約二十三万千五百五十六席、国際線で約九万七千百八十六席増加。七日午後三時半までに、百四十五便の出発が遅れ、苦情が殺到しているという。
 ジャワ島北西部のバンテン州メラック港にはフェリーで海峡を渡りスマトラ島へ帰省するため、膨大な数の乗用車やバスが列を作った。
 八日午後四時までに二千八百四十台がフェリーで海峡を渡り、乗客は二万三千八百人に達した。
 帰省のピークを迎え、交通事故の件数も増加している。国家警察交通管理センターによると、交通事故の件数は、三日から八日夕までに六百四十三件に上り、百二十八人が死亡、四百九十人がけがを負った。警察は「事故件数は日に日に増加している。帰省には通常以上の注意が必要だ」と呼び掛けている。

首都は休暇ムード

 一方、すでに多くの市民が帰省したため、首都のオフィス街などでは休暇ムードとなった。
 中央ジャカルタ、タムリン通りのオフィスビルにある両替商は八日から休暇に入り、複数の店舗が入居する食堂でも閉店が多かった。郵便物の発送を扱う「JNE」では、お世話になっている人などに送るレバランカードが多く、発送量が通常の約二倍に増えたという。
 中央ジャカルタのベンヒル市場は、ブカプアサ(一日の断食明け)のための食べ物を買いに来た客であふれた。
 買い物客のシャフリアルさんは「ラマダン(断食月)が終わりに近付き、今年もやり遂げたという気持ちで一杯だ。断食後の食事はいつもより美味しく感じるなど、普段気にしないことを感じることのできる大切な時間」と話した。
 両親がいる南スマトラへの帰省は交通費がかかるため二年に一度。今年は帰らずにレバランはジャカルタ近郊に住む親戚だけで集まるという。
 カトリックだというヴェラさんは「ラマダンの時期の市場は普段より食べ物の種類が多いなど活気があって買い物が楽しい。断食月最終日のパレードの街の雰囲気など、私は断食はしないけど、ムスリムと一緒に楽しめることがたくさんある」と述べた。

タクシーは事前予約を

 タクシー大手のブルーバード・グループでは、今週からレバラン帰省で休暇を取る運転手が増加するという。広報担当のトゥグ氏は「普段、首都圏(ジャボタベック)全域には一万一千台のタクシーが走っているが、レバラン中の運行台数は約七千台になる」と話し、期間中のタクシー利用には事前の予約を呼び掛けている。
 警視庁は、九日から十三日まで「3イン1」を実施しないと発表。「レバラン休暇中の混雑状況は緩和されるため、3イン1を解除する」と説明した。
 タクビラン(断食最終日の夜)のパレードの外出客で過度の混雑を防ぐため、トランスジャカルタの九日の運行は午後六時半までとする。