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113人死亡、数百人不明 津波が離島襲う 西スマトラ州ムンタワイ諸島


 

 西スマトラ州ムンタワイ諸島沖で二十五日午後九時四十二分ごろ発生したマグニチュード(M)七・七(米地質調査所=USGS)の地震で、保健省は二十六日午後九時までに、同州ムンタワイ諸島県で百十三人が津波に飲まれるなどして死亡、約百五十人(西スマトラ災害対策局は約五百人)が行方不明になっていると明らかにした。
 津波の被害が報じられ始めたのは、地震発生から翌日の二十六日昼すぎ。
 ムンタワイ諸島はスマトラ島西岸から幅約百五十キロのムンタワイ海峡を挟み、主な四島から構成される諸島で人口は約七万人。インド洋の荒波が作り出すサーフィンの名所として、豪州人を中心に欧米人や日本人らサーファーが集う観光地だったが、島自体は漁村が広がりインフラなども整っていなかったため、災害の把握が大幅に遅れたとみられる。
 シカカップ村の海岸沿いの住民は地元メディアに対し「地震が起きたおよそ十五分後に海面が五十センチ上昇し、直後に一気に水がひいた。その後大波がやってきた。家族とともに避難したが、大波は何度も発生した」と恐怖を語った。
 二十五日午後九時四十二分に地震が発生した直後、政府は津波警報を発令したが、パダン市は一時高波が発生しただけで被害はなく、警報は解除されていた。気象地理物理庁の地震津波局モハマド・リヤディ局長は「パダンは観測できるが、ムンタワイには津波を観測する機器が整っていなかった」と話した。
 外遊中のユドヨノ大統領は同日、上海から、アグン・ラクソノ公共福祉担当調整相に電話で、ムンタワイ津波を「緊急事態(ダルラット)」として対応するよう指示した。ブディオノ副大統領を指揮官に、ムンタワイ津波とムラピ山噴火対策に当たるとし、同日夜に、到着したベトナム・ハノイで災害対策会議を開いた。
 ムンタワイ諸島は豪州人が開拓したサーフィンポイントで、日本でも最近、「最高の波」「素朴な島、雄大な自然」などを売りに、チャーター船でのグループ旅行が開催されていた。東京のサーフィン専門の旅行代理店によると、波がもっとも良いのは六月ごろで、現在はオフシーズンだった。島でのコテージ滞在より、一ー二週間、チャーター船で沖に停泊し、波を探すボートステイの人気が高いという。
 一時、サーフィンのためムンタワイ諸島に訪れていた日本人一人、豪州九人の外国人十人が乗船したチャーター船と連絡が取れなくなっていると報道されたが、二十六日夜までに、同船を所有するパダンの旅行会社が全員の安全を確認した。
 豪州メディアによると、津波発生当時、サーフィンのためチャーター船「ミダス号」とともにムンタワイ諸島沖の港付近に停泊していた「フリーダム号」の船長、豪州人リー・クラークさんは「夜十一時ごろ、目が覚めデッキに月を見に出た。六人の豪州人ゲストは皆、船内で寝ていた。そのとき突然、海の水が干上がるように強く沖に引かれ、いかりごと船が引きずられた。見ると、少なくとも四メートルはある波が船に迫り、私の船の船首はミダス号のデッキに直撃した。二隻とも吹っ飛ばされていた。船が宙に浮き、百メートルぐらい岸に向かって飛ばされて、海岸に乗り上げた。私の船のエンジンが燃え上がり、船は黒煙に包まれた。ミダス号の乗員は海に投げ出され、中には島の内部のジャングルにまで波に押し流された者もいた」と津波の凄まじさを語った。二隻の乗員は全員無事だった。

「新しいシニアライフを」 「温泉、ゴルフで快適に」日本の高齢者に魅力アピール

 観光省が宣伝の訪日団派遣
 

 減少する日本人観光客の勢いを盛り返したいと、文化観光省は高齢者をターゲットにした「ゆっくり滞在型」の観光モデルを日本でアピールする戦略を掲げ、ガルーダ・インドネシア航空と協力し今月二十五三十日、国会議員、地方自治体代表、シニア向けの施設開発や観光を手掛ける民間企業ら十八人の訪日団を結成し、東京と大阪を訪問する。約二百人の日本人記者や観光業関係者を対象にしたセミナーや商談を行う予定だ。
 訪日団団長を務める観光省市場総局のシャムスル・ルッサ市場開発局長は「インドネシアを訪れる日本人観光客は、他国の観光客数が増加する中、今年上半期、前年比で一二・七二%減少した。日本人はもうインドネシアを好きではなくなったのでしょうか」と首を傾げる。
 シャムスル開発局長は「日本人は昔からインドネシア好きの人が多い。バリの格安ツアーも良いが、昔、駐在員や旅行者としてインドネシアに来て、インドネシアを愛した人たちを定年後に呼び戻せないか」と意気込んでいる。
 今年、十五州を新しい観光地として開発に着手。ジャカルタから飛行機で四十五分の島バンカ・ブリトゥン州には高齢者用のリゾートを建設する計画を打ち上げ、西ジャワ州チアトルの温泉地には、日本人が大好きな温泉をひいたバンガローやヴィラで、高齢者をターゲットに長期滞在を呼び掛ける。
 「あまり知られていませんが、政府は二〇〇一年から退職した外国人のためのリタイアメント(退職者)ビザ(ビザ・ランシア)を支給しています。対象は五十五歳以上で月千五百ドル以上の年金受給や収入がある方。年一回の更新手続きで計五年間滞在できるので、高齢者の方はよりロングステイしやすくなります。世界一のスパ、健康に良いジャムー(漢方薬)など他国にない魅力も多い。冬場は財布一つ持って、気軽に、暖かいインドネシアに来てほしい」
 今回の訪日では日本の保険会社を訪れ、インドネシアでのサービス開始を促したり、発達した日本の高齢者サービスも学びたいと注目している。

高齢者向け施設を整備

 西ジャワ州チカランで開発地区「コタ・ジャバベカ」を運営する地場系不動産開発大手、ジャバベカ社も訪日団に参加し、新しいシニア向け事業をアピールする。
 現在同社は同地区内に、国内外の高齢者向け住宅やサービスが整った「シニア・ビレッジ」を開発。ゴルフ場など娯楽施設だけでなく、クリニックや病院を併設し、介護用施設なども完備する。二年後の完成を目指し、今回の訪日で、ニーズを調査するという。
 訪日団に参加する同社の有本堯史郎シニア・アドバイザーは「ただリタイアするのではなく、インドネシアで技術訓練所の講師や日本語教師になるなど、社会に貢献することもできる。インドネシアでは新しいシニアライフの可能性が開ける。病院も国際的な水準のものが造られており、定年後の生活を送る選択肢として日本にインドネシアの魅力を訴えたい」と話した。

ムンタワイ沖でM7.2 津波警報を発令


 二十五日午後九時四十二分ごろ、西スマトラ州ムンタワイ諸島の沖合でマグニチュード(M)七・二の地震が発生した。
 気象物理地理庁(BMKG)の発表によると、震源地は同諸島の南パガイから南西へ七八キロの海上で、震源の深さは一〇キロだった。
 BMKGは、津波発生の可能性があるとして、海岸付近の住民に警戒を呼び掛けたが、間もなく解除した。
 地元テレビ局などによると、パダン市内でも揺れが感じられ、一部の住民がパニックになり、屋外へ避難したという。午後十時半現在、建物の倒壊などは報告されていない。