賞与の見直しのポイント
賞与の支給について、見直しを検討しています。どのような点に気をつけて考えればよいでしょうか。
今までは「賃金の後払い、生計費の補填」の意味合いが強かったのですが、最近は利益配分・成果配分という意味合いが強くなってきています。
また、月例賃金は、「大幅に上げたり下げたりすることが、しにくい。月例賃金は、生活給的な部分があり、能力や業績をストレートに反映できない。」という面がありますが、賞与は、生活給的な部分が若干あるにしても、月例賃金ほど制約はなく変動性があり、今後ますます賞与のウエートは高まっていくでしょう。
賞与制度を設計する場合、賞与総原資をどのように算出するかという点と、その総原資をどのように配分するかという点を明確にする必要があります。
賞与総原資の算出には、企業の業績(利益や付加価値など)と連動した成果配分方式が多くなってきています。これは、一定期間において、企業が上げた業績の一部を、貢献の度合いに応じて社員に配分する(決算賞与や通常賞与に上乗せする)、あるいは、賞与総原資とするという方式で、事前に基準と割合を社員に明示することが必要です。
また、また、経営数字についても、社員に対してガラス張りにしないと、信頼を得られないことになります。
成果配分の方式には 売上高基準、付加価値基準、営業利益基準、経常利益基準 などがあります。
また、個人への配分については、人事考課により格差をつけるものの、基礎給として基本給をベースにした場合と、基本給に関係なく等級や役職をベースにした場合では、配分がまったく変わってきます。基本給に連動させるのかどうかも、賞与設計の重要なポイントです。
すぐに使える人事考課シートセット【改訂版】のダウンロードはこちらで!
慶弔規程
従業員の父母等がお亡くなりになった場合、お見舞い金を出すと思いますが、どの程度までお見舞い金を出すのでしょうか。範囲(一親等まで、二親等まで、など)と金額、および花輪を出すのか否かをお教えください。
会社によって色々ありますが、上場企業の例と中小企業(50人規模)の例をお知らせしますので参考にしてください。
● 上場企業の場合
結婚祝金
1.勤続1ヵ年以上5年未満 20,000円
2.勤続5年以上 30,000円
出産祝
子1人につき 3,000円の出産祝金を支給する。
弔慰金
1. 本人 勤続10年未満 30,000円
勤続10年以上 50,000円
2. 配偶者 15,000円
3. 父、母、子(養子の実父母を含む) 10,000円
花輪
1. 本人死亡 花輪と生花各1個(時価)
2. 配偶者、子、父母(配偶者の父母を含む)が死亡 花輪と生花各1個(時価)
● 中小企業の場合
結婚祝い金
1. 勤続3年未満の者 20,000円
2. 勤続3年以上の者 30,000円
出産祝い
子1人につき 10,000円を贈る。ただし、入社後3ケ月未満の者には支給しない。
弔慰金
1. 本人(業務上及び通勤災害の場合 基本給の1ケ月分
2. 本人(上記によらない場合) 基本の 0.5ケ月分
3. 配偶者の場合
A.課長以上、及び勤続25年以上の者 100,000円
B.指導員以上、及び勤続15年以上の者 70,000円
C.その他の社員 50,000円
4. 子女の場合 30,000円
5. 父母(又は義父母) 50,000円
6. 祖父母で同居している者 20,000円
7. 配偶者の父母 20,000円
8. 記各号には、花環及び弔電を贈る。
9. 実祖父母 10,000円
10.勤続三ケ月未満のものは香典のみ 10,000円
すぐに使える人事考課シートセット【改訂版】のダウンロードはこちらで!
調整給の処理
新しい賃金制度への移行に伴い調整給が発生します。この調整給はその後どう考えればいいでしょうか。
賃金制度の変更により、賃金が急に増えたり、下がったりするということは、好ましくありません。したがって、調整給により移行前の賃金総額と新制度移行後の賃金総額とを同じにします。(調整給を付加する以外の方法もありますが)
問題は、この調整給をどうするかといことですが、調整給の処理については、社内で「公平とは何か」という観点でよく検討し、慎重に対応する必要があります。
・ 既得権益をどこまで認めるか。ずっと調整給をつけるのか、いずれ廃止するのか。
・ 調整給を発生させないために本人はどのような努力をすればよいのか。また、その可能性はあるのか。
・ 廃止の期限はどれくらいにするのか。
・ 徐々に減額するのか、一度の減額するのか
・ 全額廃止するのか、一部残すのか?
金額にもよりますが、目安として、3~5年間で全額廃止するのがよいでしょう。調整給が付く人は年配者が多い場合があるので、その場合は生年までそのまま調整給を残しておくという方法も考えられます。
ただここで注意したいのは、いつまでも、過去の既得権益を引きずっていると、新しい制度がうまく機能しなくなる恐れがあるということです。
すぐに使える人事考課シートセット【改訂版】のダウンロードはこちらで!
賃金制度の移行方法
人事制度を再検討し、新たに導入しようと思っています。なるべくスムーズに導入できるよう現在の給与を一切変更しないで新しい制度に移行したいのですが、そのような事は可能でしょうか。
賃金の明細を変更し、総額は調整給で対応して、賃金総額は変更しないという方法が一般的です。あとは、その調整給をどのように処理するかの問題です。
また、賃金制度はまったく変更せず、賞与で評価を大きく反映する方法も取れます。
問題は、何のために人事制度を再構築するのか、その目的にあっているかどうか、だと思います。
導入のスムーズさを優先しすぎると、今までとあまり変わらなく新制度導入の意味がなくなってしまったり、また、賃金をそのままにしておくと、いくら評価しても過去の既得権益のほうが大きくて、意味のないものになったりします。
何らかの目的のために、人事制度を再検討していらっしゃると思いますが、いつの間にか、導入しやすいことが目的になってしまうことのないように注意することが必要です。
目的にあっているのであれば、どのような方法でもよろしいと思います。
すぐに使える人事考課シートセット【改訂版】のダウンロードはこちらで!
事業部の評価
新事業の担当になって6年経ちます。その間、他の部署が業績を落とす中、私が担当する事業は売上も2.5倍になり、会社に貢献しています。しかし、全く評価されずに他の部署と同じような低水準の賞与しか出ていません。また、業務に必要な資格を取得しても、その講習費用・受験費が出るだけで、資格手当などは出ません。このような会社は、少しおかしいのではないでしょうか。
私も、新しい仕事で努力をし会社に貢献していらっしゃるわけですから、何らかの方法があってもよいと思いますが、会社にも色々事情があるのかもしれません。経営者に聞いてみたらどうでしょう。
賞与は、会社の業績、部門の業績、個人の業績を評価して配分を決めるのが一般的ですが、全体の業績が悪くて、賞与水準が低い場合は、あまり差をつけることはできません。賞与にはまだまだ、生活給の一部と言う考えがあるからです。全体の業績がよくて、賞与水準が高ければ、評価によるメリハリを大きくすることができます。
公的資格を持っているものに関して、資格給などで毎月の給与に上乗せすると言う考えは、今は段々少なくなっています。建設関係で、残っていますが、それ以外は廃止の方向です。
資格を持っていることではなく、資格を持って仕事をすることが求められており、仕事をすることについては、賃金が支払われています。
講習費用等の便宜を図っているのであれば、よい会社だと思いますよ。
すぐに使える人事考課シートセット【改訂版】のダウンロードはこちらで!
役職手当
私は、「グループリーダー」という役職名で約40人の部下を持っています。同一の等級で役職の無い場合は「担当課長」という呼称となります。 しかし、「グループリーダー」が負っている部下の労務管理を始めとした職責に対しては役職手当は支給されておらず、「担当課長」と全く同一の賃金となっています。 職責に対して手当てが無いという状態は違法では無いのでしょうか?
昨今の成果主義、職務主義、役割主義の考え方からいえば「それだけ価値の高い職務を与えられているわけであるから 当然賃金もそうあるべきである」ということになります。 したがって、職責に対する手当が支給されることは当然であるということになります。
しかし、今までの職能主義では、やっている仕事はさておいて 持っている能力に対して賃金を支給するという考えですから 同じ等級の人は、同じ範囲の賃金になります。 役職についても、該当等級の人から組織の都合で任命されるわけであり たまたま任命される人とされない人がいるだけであって 賃金には影響しないようにしている企業が多くありました。そのほうが、役職の任免が容易にできるからです。(賃金が変わらないから)
考え方は、その等級の人には、もうすでに役職手当の分も含めて賃金が支給されているということです。役職に就かない人は、部下の管理の仕事は軽減されますが その代わりに専門的高度な業務を担当することになり、会社にとっての価値はほぼ同じであるということです。 (もちろん、職能主義であっても役職手当を払っている会社もありました)
それで、無理やり次のような説明をしていました。 例えば、総額30万円の場合
役職についている人には、その明細は 内訳は基本給27万円+役職手当3万円=30万円 その責任に対して、役職手当3万円が含まれていますよ。
役職についていない人には 基本給27万円+専門職手当3万円=30万円 役職についていない分、高度な仕事をして欲しいのですよ その分専門職手当3万円が含まれています。
このような説明で、会社も社員も波風が立たず、都合がよかったわけです。(金額に差がないから、役職任命基準が明確でなくても、そんなに問題が出ないなど)
今は 役職任命の基準を明確にし、その職務、責任の範囲も明確にした上で それに見合った賃金(手当なり名称は色々)を決めるという、考え方になっています。 いずれにしても、金額に差をつける場合はその根拠、基準を整備することが必要ですね。
最後に、違法かどうかということですが、役職手当が出ないのが一概には違法ということは言えません。 あなただけが出ないのであれば、問題ですが、 会社の制度として、そのようになっているのであれば問題ありません。 (制度として問題はあるが、法律上は問題ないという意味)
すぐに使える人事考課シートセット【改訂版】のダウンロードはこちらで!
退職金支給について
入社当時は社員も多く就業規則がありました。確か、退職金の記述もあったように思います。ただ、今は社員も少なく(10人以下)、就業規則も見当たりません。社長も変わり、退職しようと思っていますが、新社長から退職金は出ないといわれました。過去の退職者はもらっている(会社名義ではなく、前の社長個人として)現実があります。本当に退職金は出ないのでしょうか。
退職金の件ですが、難しい状況ですね。
退職金は、「支給するという規定がある場合に規定通りに支給せよ」ということであり、 退職金そのものの支給を義務付けているものはありません。
退職金支給の根拠になる規定(この場合は就業規則)がないのであれば、支給する必要はない ということになります。
ただ、
1.以前提示された就業規則には退職金の規定があった。
2.実際に過去の退職者には支給されている。 (会社名義か経営者個人かは他の従業員にはわからないことであり、支払われてという事実がある。)
ということであれば、それを根拠に、支払い義務が発生する可能性があります。
労働基準監督署に相談されたらいかがでしょうか。
追伸
過去に支払った退職金が、退職金ではなく、 前経営者の善意として、例えば「個人的な慰労金」という形で支給されており、 他の従業員も退職金ではなくて、前経営者の善意ということを知っている場合は 新しい経家者にその善意を強要することは出来ないでしょう。
以上、お願いします。
すぐに使える人事考課シートセット【改訂版】のダウンロードはこちらで!
退職金割り増しの相場
早期希望退職等の退職勧奨における 退職金割増の相場みたいなものはあるのでしょうか?
早期退職優遇制度は、大きく次の2つの類型に分けられます。
一つは余剰人員の削減を目的とした「希望退職」であり、もう一つは、定年前転職・独立の支援 労務構成の適正化などを目的とした「セカンドライフ支援制度(色々な名称がある)」です。
希望退職募集は、業績が悪化した企業が人件費削減のために行ういわば緊急避難策であり、この制度を導入する企業は、労働者の退職を誘導したいという強いニーズを持っています。
そのため、募集の期限と退職数の目標を設定し、期限までに退職数の目標が達成できるよう、職場の上司を通じて個別に応募を働きかけることもあります。
人員削減目標の早期達成を図るため、比較的転職しやすい若年・中堅層も対象とするケースが少なくありません。
他方、セカンドライフ支援制度の目的は、長寿化により労働者の職業生涯が長期化しつつあることを受け、労働者が定年を待たずに次の就労ステージに円滑に移行できるよう、企業として支援するものです。
もちろん、こうした労働者へのサービス提供だけが目的でなく、企業としても中高年労働者の比重をコントロールすることで将来の人件費負担増を回避し、また、ポストの若返りを促すというメリットをこの制度に期待する側面もありますが、その期待は中長期的なもので、少なくとも希望退職募集のような切羽詰まった人員削減ニーズはありません。
したがってセカンドキャリア支援制度は期限を設けない常設の制度で、企業が労働者に制度の利用を強く働きかけることもないのが特徴です。
割増加算金の世間相場は、一般に、企業としての雇用調整ニーズが強いほど高く設定される傾向にあります。
しかし、その世間相場となると、適当な統計データはなかなか見当たりません。企業によって大きなばらつきがあるのが実態であり、平均値がほとんど意味を持たないからです。
以前、著名な大企業が相次いで早期退職優遇制度を実施しました。例えば50歳で月例給与の30~40ヵ月分もの加算金を通常の退職金に上乗せする事例などが次々と報道され話題を呼びましたが、これらはいずれも上記の希望退職募集に分類されるものです。
常設型のセカンドライフ支援制度では、年齢にもよりますが、おおむね月給の12~24ヵ月程度というところが多いようです。
要は、この制度を導入する企業がどれほど切迫した雇用調整ニーズを持っているか、そして条件を提示された労働者がその条件にどれだけ心を動かされるかということですから、労働者の耳に入りやすい他社の事例やマスコミ報道等の動きにも目を配りながら、その企業なりの判断で水準を決めるしかないということになります。
実際の中小企業の事例では、希望退職の場合6ヶ月から12ヶ月くらいの加算額が多いようです。
上場企業では、24ヶ月前後の加算額になっているようです。
すぐに使える人事考課シートセット【改訂版】のダウンロードはこちらで!
退職金の不利益変更
会社が退職金制度の改革をしようとしています。 会社負担分3割に対し、業績連動としようというものです。一定水準の業績であれば今までどおりですが、業績が悪いと最大3割カットされるという内容です。当然のことながら、全社員の同意を求めています。 社員にとって何らメリットがないようで同意を躊躇っています。 どのように考えるべきでしょうか?
ご相談の件、大変難しい内容ですね。
確かに、社員にとってはメリットがなく、既得権益が侵害されることになります。 ただ、既得権益も会社が存続していることが条件になります。 社員が強行に既得権益を主張することで、会社が存続しない、あるいは それが「足かせ」になって、機会損失が発生すると、労使ともに損になります。 その辺は、業界の動向、会社の業績などを考える必要があると思います。
業界的にも、会社的にも好調であれば、既得権益を主張してもよいと思いますが、厳しい環境であれば、譲歩した方がよいような気がします。
また、人件費に回せる金額はある程度決まっているわけですから 退職金の件で既得権益を確保したとしても、その他の人件費(賞与や昇給)でその分を減額するということも考えられます。
会社の説明の合理性と誠意により判断することになると思います。
以上、よろしくお願いします。
すぐに使える人事考課シートセット【改訂版】のダウンロードはこちらで!
退職前の賞与
ホテルのレストランで16年勤続して、今年7月末に退職することになりました。退職金はどれくらいもらえるでしょうか?
また、7月の中旬に(退職前)に夏期賞与が支給されますが、減額されてしまうのでしょうか。心配です。
ご相談にお答えします。
1.退職金の件ですが
退職金は、すべての企業に義務付けられているものではありません。その会社として、退職金制度がある場合はその支給基準を明確にするということになっていますが、制度そのものがない場合もあります。
その会社に退職金制度があるかどうか確認する必要があります。
仮に、退職金制度が合った場合でも、その退職金の水準は各社でまちまちです。その会社の制度の支給基準に応じて支給されます。35年勤続で600万円くらいから3000万円位まで色々あります。
今回の場合は勤続が16年ということですので、東京都中小企業モデル退職金でいえば200万円くらいです。これに自己都合係数が乗じられるともっと少なくなる場合もあります。(50%とか60%とか)
いずれにしても、退職金は各社まちまちですので、自社の制度を確認してください。
2.賞与の件でですが
賞与は賞与算定期間中(過去)過去の業績に応じて支給されるものであり、その期間を満了していれば、仮に退職しても減額されることはありません。
しかし、これは最近の成果主義の考え方であり、昔の年功型であれば、賞与には将来の期待分も含まれているので、退職者は減額するという論理も成り立ちます。
その会社の今までの支給例を参考にするのがよいでしょう。あなただけ減額されるということであれば問題ですが、過去の例も同じ割合で減額されているのであれば、問題ないということになります。
以上、よろしくお願いします。
すぐに使える人事考課シートセット【改訂版】のダウンロードはこちらで!