プロセス評価の具体的な仕方19
③ 保有能力の関する評価項目(要素)の基準
保有能力は会社が定めた等級定義に合致した職務遂行能力があるかどうかを判定するものです。
したがって、等級定義が基準であり、その等級定義を具体化した職種別等級別職能要件書が基準になります。
具体的には、その職能要件書に記載してある課業が出来るかどうかを判定することになります。
知識や技能(技術)の場合は、等級別職種別に〇〇知識、〇〇技能(技術)と具体的に知識や技能(技術)の名称を明示し、その知識や技能(技術)が必要な仕事の進め方で判定します。
〇 保有能力の判定基準の例
期待を上回る
職能要件書に書いてある課業が完全にできる。
期待通り
職能要件書に書いてある課業が独力でできる。
期待を下回る
職能要件書に書いてある課業が一応できる。
期待を大幅に下回る
職能要件書に書いてある内容が、まったくできない。
完全にできる
自己の判断により特例事項も含めてスムーズに処理ができ、下級者への指導もできるレベル
独力でできる
上司による援助や指示を得ずに担当業務の範囲をある程度広げながら、ミスなく遂行できるレベル
一応できる
上司による一定の援助や指示により限られた範囲で、ミスなく遂行できるレベル
9.これからのプロセス評価(次回)
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プロセス評価の具体的な仕方18
② 発揮能力に関する評価項目(要素)の基準
発揮能力の各項目(要素)の定義や着眼点を示すことはできますが、その等級・職位としてどのようなことが「期待を上回る」に該当するか、あるいは「期待を下回る」に該当するか示すのは非常に難しいです。
言葉として示すことはできても、「大幅」とか「やや」など抽象的になってしまい、実際には基準として使えないものが多く見受けられます。
ましてや、発揮能力では目に見えない「判断」や「駆け引き」なども評価対象になるため、言葉で基準を示すのは困難になります。
それではどうすればよいか。成果を基準にすれば、根拠のある評価ができます。
「行動事実を把握する3つの方法」のところで説明した「結果からプロセスを把握する」方法を使います。
成果が良ければプロセスも良い、成果が悪ければプロセスも悪いという考え方を利用するということです。(ラッキー、アンラッキーによりそうでないこともありますが。)
例えば、「期待を上回る」成果を上げた理由は、発揮能力のこの項目(要素)が良かったからであるということがわかれば、この発揮能力は「期待を上回る」と評価します。
逆に、「期待を下回る」成果しか上げられなかった原因は、発揮能力のこの項目(要素)に問題があったということがわかれば、この発揮能力は「期待を下回る」と評価します。
③ 保有能力の関する評価項目(要素)の基準(次回)
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プロセス評価の具体的な仕方17
8.プロセス評価の基準
人事評価は、社員同士比較する相対評価ではなく、基準と比較する絶対評価により行います。したがって、評価基準の明確にする必要があります。
プロセス評価の基準は次のように考えます。
① 勤務態度に関する評価項目(要素)の基準
勤務態度は、組織人として求められる態度・行動であり、新入社員もベテラン社員にも共通に求められるものです。
勤務態度は目に見える行動であり、評価者がほめた行動が「期待を上回る」基準、叱ったり注意したりした行動が「期待を下回る」基準となります。
評価者によって、ほめる基準や叱ったり注意したりする基準が異なる場合がありますので、「限界事例」などで示すとわかりやすくなります。
「限界事例」とは、自社でよくありそうな「期待を上回る」事例と「期待を下回る」事例を示したものです。
〇 協調性の限界事例の例
期待を上回る
自分に余裕がない状況であっても、自分の責任を果たした上で、同僚などの手伝いをした。
期待通り
自分に余裕があるときは、同僚などの手伝いをした。
期待を下回る
自分に余裕があるにもかかわらず、同僚などの手伝いをしようとしなかった。
期待を大幅に下回る
周りの人たちの仕事の邪魔をして、業務に支障をきたした。
② 発揮能力に関する評価項目(要素)の基準(次回)
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プロセス評価の具体的な仕方16
7.プロセス評価の評語の意味
人事評価のある項目に「期待を下回る」という評語がついたからといって、評価期間中ずっと「期待を下回っていた」ということではありません。
いつもは「期待通り」であり時たま「期待を下回る」ことがあったので、今後そのようなことをなくしましょうという意味で「期待を下回る」と評価したわけです。
同じように、人事評価のある項目に「期待を上回る」という評語がついたからといって、評価期間中ずっと「期待を上回っていた」ということではありません。
いつもは「期待通り」であり時たま「期待を上回る」ことがあったので、今後そのようなことを増やしましょうという意味で「期待を上回る」と評価したわけです。
「期待を下回る」行動を上司部下共に認識して、それをなくしていくようにし、「期待を上回る」行動を上司部下共に認識して、それを増やしていくようにすることで、個人の成長、組織の成長につなげていこうということです。
8.プロセス評価の基準(次回)
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プロセス評価の具体的な仕方15
③ 保有能力の関する評価項目(要素)の場合
知識・技能(技術)などの保有能力は、評価する時点でその能力が「あるか、ないか」「できるか、できないか」を評価するわけですが、筆記試験や実技試験を行うわけではありません。
実際は、仕事を進め方などの行動により判断することになります。例えば、期の初めに知識が不足していると判断できる事実があったとしても、期の終わり、すなわち人事評価を行う時期には知識がついていると判断できる事実があれば、「期待通り」と評価することになります。
保有能力に関する評価項目(要素)は、評価する時期から遡って一番近い事実(直近事実)、すなわち「より後の行動事実」を参考に評価します。
そして、通常は「より後の行動事実」は「より先の行動事実」より下回ることはありません。時間が経てば、少しでも成長します。
したがって、「期待を上回る事実」と「期待を下回る事実」があった場合は、より後の事実を参考に評価します。
そして、通常は「より後の事実」は「よりよい評価」か「同じ評価」であり、後の事実が「低い評価」になることはありません。
7.プロセス評価の評語の意味(次回)
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プロセス評価の具体的な仕方14
② 発揮能力に関する評価項目(要素)の場合
発揮能力は、期間中発揮した能力や行動で、ある一定以上の知識や経験がないとできない項目です。
「期待を上回る」事実があったということは、ある一定以上の知識や経験が備わっていてそれを発揮したということであり、「期待を下回る」事実があったということは、まだ一定レベルの知識や経験が備わっていないか備わっていても発揮しなかったということになります。
「期待を上回る」事実と「期待を下回る」事実が混在するということは、一定の以上の知識や経験が備わっていく過程か、備わっていても本人の気持ちの問題で発揮したりしなかったりしている状況であると考えられます。
したがって、このような場合は、行動事実の頻度により判断することになります。
すなわち、「期待を上回る」事実が多ければ「期待を上回る」という評価、「期待を下回る」事実が多ければ「期待を下回る」という評価、両方同じ頻度であれば「期待通り」という評価になります。
③ 保有能力の関する評価項目(要素)の場合(次回)
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プロセス評価の具体的な仕方13
① 勤務態度に関する評価項目(要素)の場合
勤務態度は、本人がやる気になればすぐにできる項目であり、いつも期待通りであることが求められます。
例えば、責任性に関して「3回手抜きをしたが、4回一生懸命したからそれで帳消し」というわけにはいきません。
いつも一生懸命が「期待通り」であり、手抜きがあれば、「期待を下回る」と判定せざるを得ません。
したがって、勤務態度に関する評価項目(要素)のに関しては、同じ評価項目(要素)で「期待を上回る」事実と「期待を下回る」事実があった場合は、「期待を下回る」という評価になります。
② 発揮能力に関する評価項目(要素)の場合(次回)
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プロセス評価の具体的な仕方12
6.3つの選択方式の注意点
事実に基づく人事評価の仕方としてこの「3つの選択方式」による評価方法は優れていますが、一点問題点があります。
それは、同じ評価期間中に同じ評価項目(要素)に関する事実で「期待を上回る」事実と「期待を下回る」事実があった場合です。
このような場合にどう判断するかを明確にしておかないと、せっかく行動事実を明確にして評価しても、最後に評価者個人の判断になってしまいます。
このような場合、通常は次のように考えます。
① 勤務態度に関する評価項目(要素)の場合(次回)
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プロセス評価の具体的な仕方11
③ 「期待通り(標準)」と評価するケース
・ 行動観察記録メモにほめた出来事も注意した出来事も記載されていなかった。
すなわち、期間中特に問題なかった。
・ ほぼ期待通りの結果(目標のほぼ達成など)であり、その理由が本人の行動(努力、能力)によるものであり、特に、ラッキーやアンラッキーがなかった。
・ 自己評価が「期待通り」となっており、その理由が妥当(上司が納得できるもの)であった。
6.3つの選択方式の注意点(次回)
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プロセス評価の具体的な仕方10
② 「期待を下回る」と評価するケース
・ 行動観察記録メモに叱ったり注意したりした出来事が記載されており、その出来事が等級レベルを下回っていた。
通常は、期待を下回っているから叱ったり注意したりするので、そのような記載があれば「期待を下回る」評価となります。
・ 悪い結果(目標の未達成など)が出て、その原因が本人の行動(努力、能力)によるものであった。
・ 自己評価が「期待を下回る」となっており、その根拠となる出来事が事実であると証明された。
③ 「期待通り(標準)」と評価するケース(次回)
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