カッパのカータン逝く
先日、ベテラン声優の小林清志さんが亡くなられていたことが発表され、世間が悲しみに包まれましたが、間を置かずに今度は大竹宏さんの逝去が報じられ同世代を駆け抜けたレジェンド級声優二人の訃報が続き哀しいことばかり。
大竹宏さんは『オバケのQ太郎』『パーマン』『怪物くん』『ドラえもん』『おそ松くん』『もーれつア太郎』『ひみつのアッコちゃん』『ゲゲゲの鬼太郎』『サイボーグ009』と創世記の名作アニメのほとんどに出演。全部第一作目というのがもうすごいね。
なんといっても大竹宏といえばピンポンパンのカッパのカータン。カータンの声だけでなく着ぐるみの中に大竹さんが直接入って演じていた。
番組にはカータンのお絵描きコーナーというのがあって、子供があふれでるインスピレーションによって思うが儘に筆を振るった絵(まあ要するに適当な落書き)をカータンが奇麗に清書する。着ぐるみの指越しに描いたとは思えないタッチでそれを見た子供は「カータン、絵が上手いね!」とはやし立てていたが大竹宏は
「カータンじゃねえよ!俺だよ!絵を描いているのは!!」
といったとか言わないとか…しかし大竹宏は子供の夢を壊さないため、着ぐるみの中に入っていることを隠しており、実の子供にすら明かさなかった。しかしなんとなく気づいた息子が番組に出演した時、「お前大竹宏だろ!」と藤波みたいなことをかまされた大竹宏はカータンの被り物を取った…ことはなく「そんな奴は知らないや」とごまかしたそうな。悲しい。あまりに悲しすぎる。そんな悲しみを背負いつつ大竹宏はカータンを13年間演じ続けて番組を卒業したのでした。
休養時期を挟んで生涯現役だった大竹宏さん(とカータン)のご冥福をお祈りいたします。
陰謀論バンザイ!エメリッヒのハッタリSF『ムーンフォール』
『インデペンデンス・デイ』『GODZILLA』『デイ・アフター・トゥモロー』『2012』『ホワイトハウス・ダウン』と地球上で起こるあらゆる災害とテロリズムですべてを破壊してきたディザスター映画大将、ローランド・エメリッヒがまたやった!そんな彼の新作『ムーンフォール』は月が軌道を変えて地球に落下し、地球上のあらゆる生命は死の危機に瀕するが、NASAおよび政府は真実を隠蔽し、陰謀論を研究している外野のオタクだけが事実に気づくという内容である。
2011年、スペースシャトルで飛び立った三人の宇宙飛行士が月のそばで船外活動をしていると、謎の黒い物体に襲われる。ブライアン・ハーパー(『アクアマン』なんかに出ていたパトリック・ウィルソン)はかろうじて船内に戻るが、仲間のマーカスは死んでしまう。ハーパーの操縦でシャトルは地球に帰還するがNASAは彼の報告を信じず、船内にいたファウラー(ハル・ベリー)は気絶していたためハーパーの証言を裏付けるものはなにもなく、「人為的なミス」ということでハーパーはNASAを解雇されてしまう。
10年後。陰謀論を研究しているフリーターのK・C・ハウスマン(ジョン・ブラッドリー)は月が軌道を変えているという事実に気が付くが普段から「月はエイリアンがつくった巨大な建造物なんだ」とかほざいている奴なので、当然のことながら誰にも相手にされない。なのでハウスマンは10年前の事件でNASAを解雇されたハーパーに連絡を取り事実を伝える。最初は相手にしなかったハーパーだが、「自分の言っていることを誰にも信じてもらえない辛さはよくわかる」ことからハウスマンと手を組む。
その頃月の軌道の件を知りえたNASAは密かにシャトルで調査スタッフを送り込み、月のクレーターに巨大な穴が開いていることを知るが、穴から這い出た無数の黒い物体にシャトルは襲われ、宇宙飛行士は死亡。NASAと政府は事実を隠蔽しようとするが今は出世しているファウラーは長官の命令に抵抗し、元NASAの研究員だったホールデンフィールド(ドナルド・サザーランド)からアポロ11号が月面に着陸した際に月の中身は空洞であるという事実をNASAが隠蔽したと聞かされる。そして対黒い物体兵器としてEMP兵器を開発していたことを掴み、これを使って月の軌道を変えられると確信。ハーパーとハウスマンを呼び寄せ、博物館に保存されていた退役機エンデバー号で月へ向かうミッションを発動。だが政府は同時に核ミサイルで月を破壊する計画を立てていた。大量の核を使えば放射能が地表に降り注ぎ、大惨事となるが目の前の危機を回避することしか考えていない政府の高官と権力者たちは核ミサイル作戦を決行。ファウラーは夫のデヴィットソン将軍に自分たちの作戦が成功するまでの間、核ミサイルの発射を延期させるよう頼む。
ハーパーらがスペースシャトルで飛び立つ中、ハーパーの息子ソニー(チャーリー・プラマー)、ファウラーの息子、その子守である中国人ハウスキーパーのミシェルは避難シェルターに急ぐのだった。
『ゴジラVSコング』にもあったが、最近は陰謀論を信じているオタクが真実をいち早く知り、人類のために命がけになるというテンプレ展開が流行っている。実際は陰謀論なんか信じているのはただのアホなのでヒーローになんかなりえるわけないのだ。そんな奴らがたどり着ける真実にまともな研究者や知識人が気づかないはずがないので(映画でハウスマンは月の軌道の件を呼びかけ、地球を救うための会議をしようと呼びかけるのが、集まったやつらはケネディの暗殺は陰謀だと信じているようなやつばかりという有様)当然のごとく物語は政府の役人が事実を隠蔽するという物語になるわけだ。政府はいつでも真実を隠蔽し、それに気づくのはごく一部の知的な人間だけ!でもハウスマンの正体はビルの掃除屋で、ピザ・チェーン店のアルバイトにすら遅刻する男なのである。これは創作だからそういう人間がヒーローでもいいんだけど実際の陰謀論者の多くは惨めな人生から目を背けるために空想の世界に浸り込んでいるだけだったりする。
そしてそれら空想の世界を支える設定も穴だらけだ。『ムーンフォール』では月が地球に異常接近すると津波や地震が起き、やがて正面衝突して地球を破壊するということになっているが、重力の影響で災害は起きても地球にぶつかる前に砕け散るだけだろう。そもそも直撃するような軌道の変更はありえない。そんなことはエメリッヒもわかってるためこの大ハッタリをそれっぽく見せるための設定を裏付けた。月は古代の地球人…それも現代より遥かに高度な科学力を持っていた人類により創造された人工物であるというのだ!
古代の人類は高度なAIを完成させたが、自我を持ったAIは暴走し人類を支配することにした(それが謎の黒い物体の正体である)。今更『ターミネーター』のスカイネットかい!生き延びた人類はAIの追撃を逃れるために箱舟…月のことである…をつくった。月の内部では白色矮星がエネルギー源として稼働しており、彼らは長征の果てにたどり着いた地球で人類を誕生させたが、滅ぼし損ねた人類が地球で文明をつくっていることを知ったAIによって地球への攻撃が行われているというわけだ!
なんかもう、あらゆる部分に突っ込みどころ満載なのである(古代の人類が現代より高度な科学力を持っているって?とか博物館においてあったスペースシャトルを飛ばすとか)。
かつては全米ナンバーワンヒットを送り出してきたエメリッヒの作風もいいかげん飽きられてきて、製作費の捻出に苦しんでいる。最近は中国企業と手を組むことも多く、今回も中国のファイ・ブラザーズと製作しており、そのせいか意味もなく中国人のハウスキーパーが出てくる。そこで「両親の名前を腕にタトゥーとして彫った」というシーンに出てくるのがこれ。
彫るにしてもそんなところに彫らねえだろ!しかも、字がずれてるし。
最近の中国映画はウー・ジンの破天荒なアクション大作など、従来のハリウッドでもありえないような大スケールの映画が多く作られており、エメリッヒのハッタリ路線とウマが合っているのかもしれませんね。日本から木下グループが資金提供しているが、日本でハッタリ、ダメ映画に迷わず金を出す木下グループらしいですね。ロゴが出た瞬間に「あ!ダメ映画だ!」ってわかるという。
夏休みシーズンに何も考えず見ていられるハッタリSFとしてはあまりの清々しさに頭が下がる思いである。しかしクライマックスに『2001年宇宙の旅』みたいなところを入れたのはエメリッヒ、実はそれなりに難しいことを考えているんだよアピールに見えて残念。誰もあなたにそんなところを求めてないと思うよ!
風都探偵、U-NEXTで配信開始 これで決まりだ!
8月1日からアニメ『風都探偵』がU-NEXTで先行配信された。
これは2009年にTV放映された特撮ヒーロー番組『仮面ライダーW』の続編、後日談で番組の原作を担当した三条陸が担当しており、クリーチャーデザインも同じ寺田克也。コミックによる実写の再現である。
この度アニメ化された本作は音楽も実写と同じ中川幸太郎、鳴瀬シュウヘイのコンビに加え、主題歌はTV版の担当だった上木彩矢 w TAKUYA、EDは映画版やスピンオフに出演していた吉川晃司、松岡充を起用。どこまでも原作ファン納得の布陣が整えられた。
放送形態はU-NEXTによる先行配信ののち、一周遅れでTOKYO MX、サンテレビの地上波放送がスタートする。「東映作品なのにTTFC(東映特撮ファンクラブ)でやらないの?」という一部ファンの不満が聞こえるけど、僕は仕事でU-NEXT見られるので隙はなかった。
さて、放送された第一話『tに気をつけろ / 魔女に恋した男』だが、アニメ『風都探偵』と実写『仮面ライダーW』と最大の違いは実写では再現しにくいアクションやスタントがアニメでは可能になるということだ。実写ドラマでは街道を人知を超えたスピードやバイクで疾走するアクションや高層ビル群を飛び回るエクストリームアクションを描くのは困難だが、アニメなら問題ない。第一話でも街道をバイクよりも早く(!)駆け抜けるときめを追ってマシンハードボイルダー(バイク)が混線する道路を爆走する(そばを走るトラックと接触して火花を散らす)といったカットもアニメだからできる描写といえよう。
さらに本作は原作コミック版とは違うオープニングになっており、本編における翔太郎とフィリップが出会うビギンズナイトから開幕する。『仮面ライダー×仮面ライダー W&ディケイド MOVIE大戦2010』の『仮面ライダーW ビギンズナイト』の描写から物語が始まるようになっており、アニメ『風都探偵』本編は1クール13話でビギンズナイトの真相が描かれる第6集『sの肖像』編まではたどり着かないので、サービスといったところか。
そして劇中のお遊び要素として事務所のホワイトボードにタイヤキ名人アルティメットフォームについてフィリップが調査・研究・検索(?)している様子があった。
タイヤキ名人アルティメットフォームというのは『仮面ライダー剣』に登場する仮面ライダーでたい焼きを凄いスピードでつくるための強化スーツなんだけど…何いってるのかわからないかもしれないけど、僕も何をいっているのかわからない…頭がどうかなりそうだった…
あ、ちなみにこのフォームについて調べてる様子は原作コミック版にもありました。ホント、ネタが細かいな。
アニメ『風都探偵』は実写TV版の魅力を生かしつつ、アニメでしかできない描写にも挑んでいる野心作なので、原作ファンはもちろんのこと、媒体が違うからと差別しないで見て欲しいね!なにしろ第一話なのにライダーに変身しないなんて、絶対実写TV本編ではできないのだから(原作コミック版でも最初に変身するのは第5話)…
名画座でゴッドファーザー一挙上映
神戸の映画館、パルシネマしんこうえんが『ゴッドファーザー』公開50周年を記念した特別上映を実施。なんと一日でシリーズ三部作を一挙上映!
パルシネマしんこうえんは名画座でかつての名作映画や最近の上映作品を2番館扱いで上映している。基本二本立て上映、各回入れ替えなしで途中外出も可能。料金は1300円(各種割引もあります)。今回の特別上映はなんと別日に観ることも可能。Ⅰ~Ⅱを観た後で翌日にⅢを見てもよいのだ。なにしろこのシリーズ、最低でも一本2時間半以上あるので全部一挙に観たらほぼ半日だよ。腎臓に不安のある僕はトイレが我慢できないので一日で観るのはさすがに無理だわ。
パルシネマしんこうえんは昭和46年に開館。つまり1971年、『ゴッドファーザー』の公開1年前!もはや『ゴッドファーザー』とともに育ってきた映画館と言っても過言ではない。もはや風前の灯となった名画座の火を消すのはもったいないので近隣の方はぜひ訪れてほしい。負けるな名画座!
ちなみにパルシネマしんこうえんは防火設備の改修を巡って神戸市側と裁判をしている。
2022年8月予定
2022年8月予定
8/5(金)
『大阪おもしろマップ ~おうち対応ver〜』
open 19:30
start 20:00
¥1,500-(1drink別)
出演 /
B・カシワギ(青春あるでひど)
射導送水(さばラジオ)
縛りやトーマス(血圧300)
むっく(おもしろマップ特派員)
8月17日(水)
『旧シネマパラダイス』
会場:アワーズルーム
開演:20:00
料金:¥1000(1drink込)
解説:しばりやトーマス
深夜の映画番組みたいな企画。
今月はキネマサロン肥後橋との合同納涼企画、エド・ウッド原作のサイテー映画、『死霊の盆踊り』。
ディスコ・ハカバカーナ!
8月20日(土)
『アイドル十戒 レザレクションズ其の十』
場所:アワーズルーム 開演:19:00
料金:¥1500(drink代別)
出演:竹内義和 しばりやトーマス
惜しまれつつも最終回を迎える人気企画。
夏のアイドルフェス&リリイベ体験記。
8月23日(火)
『スーパーヒーロートーク』
場所:なんば紅鶴 料金:¥1000(1drink別) 開場:19:30
出演:にしね・ザ・タイガー ソエジマ隊員 しばりやトーマス
8月24日(水)
『キネマサロン肥後橋 』
会場:アワーズルーム 開演:19:30 ¥1000(1drink込)
カルトを研究する若人の会。
合同納涼企画第2弾。さあ~みなさんお待ちかねの一本、『シベリア超特急』がお目見えです!
肥後橋スーパーシネマ方式でお届け!
8月27日(土)
僕の宗教へようこそ第一五三教義
場所:なんば白鯨 開演:19:00 料金:¥1500(1drink付)
出演:しばりやトーマス アシスタント・トモ










