しばりやトーマスの斜陽産業・続 -60ページ目

好きだったらそれでいいじゃないか『さかなのこ』

「ギョギョ!おはようギョざいまーす!」

 と早朝の漁船に乗ってテレビ番組のロケに挑んだおさかな博士のミー坊は海の中を泳ぐ魚に見とれて海に飛び込むのだった。

 

 さかなクンの半生を描いた『さかなクンの一魚一会 〜まいにち夢中な人生!〜』をベースに製作された映画『さかなのこ』はさかなクンの子供時代、タコや魚に夢中になって周囲から変わり者と言われながらも母親に愛情を注がれ自分を貫き通して生きていく姿を追ったドラマである。

 監督は『横道世之介』『モヒカン故郷へ帰る』など独特なオフビートの作風で知られる沖田修一。まず驚くのがミー坊(さかなクンの少年時代の愛称)を演じるのがのんなのである。ある意味中性的な魅力のあるさかなクンを演じるのがこれまた中性的な魅力のあるのんというのは理にかなってる。

 

 ミー坊はタコさん(必ず「さん」をつける)大好き少年(幼少時を演じているのは女児の西村瑞季)でタコの料理をコンプする目的のために家族をも巻き込み(食卓にはタコのマリネ、タコ焼きとタコ料理がずらり並ぶ)、自作のミー坊新聞(魚に関する記事でいっぱい)を作り続ける、ちょっと変わった子供であった。

 近所に住む魚好きおじさん、通称ギョギョおじさんは周囲から指を見せると奪われると怖がられている挙動不審な人物だが、ミー坊は「魚が好き」という一点で自宅(魚色に塗った掘っ建て小屋)に遊びに行こうとする。当然父親に「そんな危ない奴のところに行くな」と止められるが、母親のミチコ(井川遥)はミー坊のやりたいことをやらせようとするのであった。ちなみにギョギョおじさんを演じているのはさかなクン本人。近所に住む挙動不審なオッサンをさかなクンが演じてるって…

 一緒に魚の絵を描くのに夢中になって気が付けば夜の9時。ギョギョおじさんは子供を誘拐したと疑われて事情聴取!ミー坊のお父さんは怒り狂ってギョギョおじさんの帽子を奪おうとすると、強烈な光を発して帽子が取れない。ギョギョおじさん、人間じゃないんだ(!)。おじさんから帽子を継承されたミー坊はすくすく育ち高校生に。千葉の房総にあるすげえ頭の悪いやつが集うハイ&ローみたいなヤンキー高に通うミー坊は高校生になっても何も変わらず、「ハイスクールミー坊新聞」を作って張り出していた。同級生のヤンキー、総長(磯村優斗)のスクーターを「寿司のシャリとネタみたい」と毎回イジっては怒られているのだが、ヤンキーごときに動じるミー坊ではない。「真のジャーナリズムは暴力に屈してはいけないってお母さんが言ってるんだ」とどこ吹く風。ヤンキーの小言を無視して釣りに興じ、「話は釣りしながらでもできるよ」と我が道をゆくミー坊にはヤンキーもかなわない。

 総長からもらったカブトガニを育てて人工ふ化に成功(実話)するなど、ミー坊は将来の夢、おさかな博士に向けて邁進するが、勉強が全くできないので成績はどん尻。担任にお前が魚好きなのはわかるけど、それ以外も頑張れよと説教されるが、三者面談で母親は「勉強できなくてもこの子は魚が好きだったら、それでいいんです。みんな勉強できるようになったらロボットみたいじゃないですか。この子はこの子でいいんです」と。

 実際、さかなクンのお母さんはこういう人で、小学校のころ、さかなクンが魚の絵が上手いので他のも描かせようとしても頑なに魚しか描こうとしないのを先生に咎められると「子供の好きなものを描かせてやってください」といい、絵ばかりで成績が悪いと言われても「勉強できなくたって、死ぬわけじゃないんだから」といったそう。

 映画『さかなのこ』はちょっと変わった子供をどう育てたらすくすく育つか、という子育て指南でもある。大人になったおさかなオタクのミー坊はさかなが好きすぎて挫折を経験するが、さかなが好きだったことで一点突破するのだ。みんなになんか言われても、好きだったらそれでいいじゃないか。

 

 

 

 

 

 

阪神・岡田新監督に期待する脱・カルト路線

 今年のペナントレース優勝の可能性がとっくに消えており、クライマックスシリーズの出場すら危ぶまれる阪神タイガースに激震が走った9月27日。「来季は岡田新監督内定」の一報である。

 

 

 指揮を執る矢野監督はすでに「今季限り」を自身で宣言していたので来季監督が誰になるかは今年一年間、不振にあえぐチーム内外で絶えずささやかれていた。岡田か、平田二軍監督の昇格か、はたまた元中日の落合かと様々な名前が取りざたされたが、2005年に優勝経験のある岡田の名前がでたということで収まるところに収まった感。

 報じたサンケイスポーツは阪神が優勝を逃した時点から始まる「なぜ優勝を逃したか」の分析記事には定評があるので、サンスポが一報をすっぱ抜くのはなるほど、といったところなんだけどこの岡田新監督内定記事に激震が走った理由は、直前に阪神球団から「来季監督に関するニュースを報じたらその媒体は取材拒否」という命令お願いが通達されていたからだ。

 

 

 

〈球団からの協力依頼に応じていただけない場合は、以降無期限で一切の球団からの報道協力を行いません〉

 という「取材拒否」「出禁」のペナルティまで課せられた球団からのお達しは週刊文春によってスクープ。ソースは間違いなく反発したスポーツ新聞のどこかからだろう。サンケイスポーツのすっぱ抜きは球団からの要請に反発の姿勢を見せている。

 

 今年の阪神は開幕9連敗を喫しスタートダッシュに失敗。優勝を逃した要因のひとつになった。地獄の連敗をストップさせた後、地元甲子園に帰ってきて今季初の連勝となった4月15日の試合後、監督インタビューで矢野監督は「知り合いの文字職人」から書いてもらったという謎の色紙を取り出したのだった。

 

 これは矢野監督の私的な友人である文字職人の杉浦誠司氏からもらったメッセージで、チームの関係者でもない私的な知人からのメッセージを堂々と記者会見場で掲げたのだ。ちなみにこの試合はNHKで放送されており、杉浦氏は講演などで収入を得ていることから営利目的に利用されかねないものを公共の電波に流してしまい、局内で問題になったそうだ。

 矢野色紙は内外で弄られ倒されただけでなく、杉浦氏がカルト組織の日本会議系列の倫理法人会の会員なのでは?と疑いがかかっていることから「阪神ベンチはカルトに支配されている」と疑惑が噴出した。

 以前から矢野監督はスピリチュアル系の指導をベンチに取り込んでいた。その中でも予祝が大のお気に入り。予祝とは「あらかじめ期待する結果を模擬的に表現すると、そのとおりの結果が得られる(最初に祝っておくことで現実が後からついてくるようになる)」という俗信に基づいて行われる農業などの行事だが、日本会議などがこれを積極的に取り入れている。一部の選手(西勇輝とか糸井嘉男とか青柳晃洋とか)は矢野の勧めでこの教えにずっぽりハマっている。ルーキーの桐敷拓馬や馬場皐輔、佐藤輝明なんかはまったく理解できなかったそうだが、そりゃそうだろう。佐藤の神様はももクロの高城れにちゃんなんだから、怪しげなカルトに洗脳されるわけないだろ!

 それはともかく、この色紙についてタイガース広報からは「色紙のことは話題にしないでくれ」と要請が来たらしいが当然従うところはどこもなく、翌日のスポニチやサンスポの紙面を飾った。今思えば球団と在阪スポーツ新聞の対立はここから始まっていたのかもしれない…ちなみに疑惑の関係を取りざたされた杉浦氏は

 

「大嶋さん(筆者注・渋谷区の倫理法人会会員。NPO居酒屋甲子園の人)から倫理法人会の講演に単発で呼んでもらったりはしていますが、所属はしていません。矢野監督が会員かどうかはまったくわかりません。倫理法人会は、知らない方にとっては宗教的な印象もあるかもしれませんが、僕はそんな感じはしませんでした。経営者の互助会というか…

 

 という、旧統一教会との関係を疑われた与党議員が口にする定番の言い訳と同じことをのたまうのだった。

 

 そんなこんなで今年阪神が優勝を逃した原因は矢野がカルト思想に染まって意味不明のパフォーマンス(予祝や金メダルかけ)に奔走していた悪影響だとしか思えない。やたらとメンタルトレーニングを重視する矢野監督はミーティングに講習会を行うのだが、それをやるのは知り合いの会社社長とか、お笑いセラピストとか、専門家でもなんでもない人ばかりでいかがわしさが漂っていた。

 

 

 

 岡田政権下ではこれら如何わしいインチキセラピスト、メンタルトレーナーは一層されること間違いない。金メダルかけもなんなら甲子園で試合に一つ勝つたびにダラダラやってるセレモニーも廃止されるだろう。

 

 2022年の阪神タイガースの惨状はスポーツ(政治もそうだが)にカルト思想が入り込むとロクなことがないという証明になった年である。

 現時点ではクライマックスシリーズ進出の可能性はまだ残されているがどうせ勝つわけないので、きれいさっぱり4位以下で終わってくれて構わない。来年、岡田新体制での躍進に期待する。

 

 

 

 

異常と普通の境界線『ダーマー モンスター:ジェフリー・ダーマ―の物語』

 全米を震撼させた連続殺人鬼ジェフリー・ダーマーを題材にしたネットフリックスの連続ドラマ『ダーマー モンスター:ジェフリー・ダーマ―の物語』を観た。監督・製作は『アメリカン・ホラー・ストーリーズ』『アメリカン・クライム・ストーリー』などで知られるライアン・マーフィー。ダーマ―を演じるのは『X-MEN』新シリーズのクイックシルバー役で知られるエヴァン・ピーターズ。ハリウッドきってのイケメン俳優、ピーターズが希代の殺人鬼の役!現実のダーマーもイケメンで知られており、画像で検索すると見事ななりきりぶりに驚かされる。

 

 ジェフリー・ダーマーの物語は何度もされているが、ほとんどがホラーテイストの強い作品でいっちゃあゲテモノではあるわけです。今回は全10話のドラマということでダーマーの殺人の様子(当然)や過去、その後、そして周囲の人々に与えた影響までが描かれる。

 

 1991年夏。ウィスコンシン州ミルウォーキーのゲイバー、クラブ219でダーマ―は黒人のトレイシー・エドワーズを誘い、自宅のオックスフォードアパート213号室に連れ帰る。エドワーズはダーマ―にビールを勧められるがそれには睡眠薬が入れられていた。妙な臭いを感じて一口だけにして、異常な悪臭のする部屋に嫌気が差し、出ていこうとするとダーマ―は彼に手錠をかけ、ナイフを突きつけ脅す。立ち眩みがし、ヤバい奴についてきてしまったことを後悔するエドワーズはなんとか隙を見て逃げ出そうとする。ダーマ―に勧められた『エクソシスト3』のビデオを見ながら、一瞬の隙をついてダーマーを殴り倒し脱出する。路上でパトカーを見つけ、「助けてくれ!アパートにいる変なやつに殺されかけたんだ!」と訴える。

 二人の警官はエドワーズを伴いアパートへ。部屋の引き出しから人体を切断するポラロイド写真を見つけられたダーマーは抵抗しようとして逮捕。連行されるダーマーに隣人のグレンダは

「こいつはおかしいって何度も通報したじゃないか!捕まえるのにどれだけかかってるんだい!」

 と吐き捨てた。警察の捜索によってダーマーの部屋からは殺害された被害者の遺体と人骨が何十人分も出てきたうえ、人肉を料理して食べていたことが発覚。“ミルウォーキーの食人鬼”と呼ばれることになるダーマーの犯行が明らかになるのだった。

 

 ここからはダーマーの少年時代、父親ライオネル(『シェイプ・オブ・ウォーター』『ナイトメア・アリー』のリチャード・ジェンキンス)との関係が描かれる。この手の連続殺人鬼は大抵が幼少のころに親に虐待されていたりして、こういった過去のトラウマが後の異常な殺人趣味に犯人を走らせるきっかけになるものだが、ダーマーの父親との関係は良好といえるものだった(ただし、分析科学者だったことから、道端で拾った動物の轢死体を親子で解剖したりしていた。後の死体損壊趣味が発芽する要因になったといえなくもない)。問題は父親ではなく母親だった。母親のジョイスは息子ジェフリーを妊娠していることから情緒不安定で、医者から処方された睡眠薬、モルヒネなど26錠を服用しており、子供を産んだ後もUFOや宇宙人にハマって徘徊、それら奇行を咎める夫ライオネルとの口論は毎日続いた。17歳のころにライオネルは自宅を飛び出し帰ってこなくなった。これ幸いと母は弟デビットを連れ家を出る。再婚相手をつれたライオネルが戻ってくる頃にはジェフリーは酒浸りになってまともな生活ができないでいた。この頃ジェフリーは酒ともうひとつ、筋トレにハマりだす。男性のたくましい肉体に惹かれるようになったジェフリーはヒッチハイカーの男を招き入れ、口論の末に殺害。これが最初の殺人事件であった。死体を隠すために細かく切断、焼いた後で遺骨は粉にしてばらまいた。後に逮捕されたとき、ヒッチハイカー殺しを追求されたジェフリーはなぜ粉をまいたのか、と聞かれ「彼を身近で感じたかった」と答える。

 

 かつて優等生だった高校の成績も見る見る落ちていき、授業中に酒を飲むなどするジェフリーは誰からも見捨てられていった。大学もバイトも軍隊生活もすべて酒のせいで台無しになり、その度に父親の叱咤を受けるも最後まで見放そうとしないライオネルの愛情がジェフリーにとってより足かせになるのだった。

 祖母の元で暮らすことになったジェフリーはどうしても酒と男性への誘惑から逃れられず、友人が欲しい、誰かに愛されたいという一心からクラブで男をナンパし、祖母の住む自宅で睡眠薬入りの酒を飲ませ、人体を裂いて凌辱するという行為にのめり込む(2階で暮らしている祖母はジェフリーの行為に全く気付かなかった!)しかし死体を解体するために使っている地下室から異臭がするため、父ライオネルに詰問される。結局一人暮らしをすることになり、これがよりジェフリーの凶行を加速させることになる。

 

 本作は加害者であるジェフリー・ダーマーと、彼の凶行によって人生を破壊される父ライオネルと、犯行に巻き込まれた被害者遺族の物語でもある。異色なのがダーマーを危険視して、警察に通報していた隣人、グレンダ・クリーブランドの存在だ。彼女は以前、ダーマーがアパートに連れ込んだラオス移民の少年、コネラクが薬物を盛られながらも逃げ出し、警察に訴えるも「ゲイ同士の痴話げんか」というダーマーの言い訳をうのみにし、少年をそのままダーマーのアパートへ連れ帰らせた際に通報しているが、グレンダの通報はほとんどミルウォーキー警察に無視されてしまう

 ジェフリーは餌食にする相手の多くを有色人種に定め、警察は有色人種のしかも性的マイノリティーということで明らかに色眼鏡で見ていた。ミルウォーキー警察の職務怠慢ぶりはすさまじく、ダーマーが逮捕されたあとに市民から避難の声を浴びたため、コネラク少年を殺人鬼のもとに戻した二人の警官は罷免されるのだが、まったく反省せず、「労働組合がだまっちゃいませんよ」とうそぶいてなんと、復職してしまうのだ!それだけではなく、コネラクの両親に「とっとと国へ帰れ」といたずら電話までかけるのだ。殺人鬼よりもひどい人間性!どちらが悪なんだ!?そもそもダーマーの犯行はとにかく杜撰で、クラブでナンパする→アパートに連れ込んで殺害 を繰り返すだけでしかも隣人には物音を聞かれ、異臭を察知されている。しかも前科があるため、調べればすぐに異常な過去がわかって、普通に何件か目で捕まると思うんだけど。警察がまともならね。

 

 遺体を凌辱し、食ってしまうという異常さで知られるジェフリー・ダーマーだが、逮捕後は周囲の人間たちの度を過ぎた異常さが目に付く。ダーマーは罪を認めて死刑になろうとするが(ミルウォーキーに死刑はないので終身刑1000年以上とかになる)、父ライオネルは精神衰弱を主張して病院送りになったエド・ゲインのケースを持ち出して減刑を図る。「なぜ自分がこうなったのか、わからないんだ」というジェフリーになんでもいいから、お前がこんな風になった原因があるだろ!思い出せ!と無理やりに心の病に結び付けようとするライオネルの暴走する愛情!

 ライオネルとジョイスは互いに「息子がこうなったのは自分の責任じゃない」と責任を擦り付け合い、それでいて「許されたい」という欲求だけは人一倍なので告白本を書いたり、被害者遺族の家に謝罪に行ったりするのだ。

 

 異常なのは犯人なのか、それとも周囲なのか?異常殺人鬼の映像化といえば大体は被害者の気持ちに寄り添ってつくられるだろうから、いかにこの犯人は非道のろくでなしで子供のころから何もかもすべてがイカれてたんですねえ、けれど親に虐待とかされてたからその辺は同情の余地がありますねえ、これはアメリカ現代社会の闇が生んだモンスターなのです!みたいな結末にされがち。

 が本作の制作者ライアン・マーフィーはゲイセクシャルなので性的マイノリティの側面もあるジェフリー・ダーマーになんらかのシンパシーや、ジェンダーや人種に関する無理解、不平等が事件の背景にあるとみているので最後にジェフリーが心の病を抱えた受刑者に「神の生まれ変わりの俺が悪魔に天罰を下すんだぁー!」と無惨に殺されるところなんて、うっかり「可哀そう」って思っちゃうようにつくってあるからね。どっちも吹き溜まりの悪魔の所業なんだけど。

 

 

 

 

 

弾けて消えた『バブル』

 

『進撃の巨人』シリーズの荒木哲郎が監督、『魔法少女まどか☆マギカ』の虚淵玄が脚本、キャラクターデザインは『DEATH NOTE』の小畑健、『プロメア』の澤野弘之、アニメーション制作は『甲鉄城のカバネリ』のWIT STUDIO、プロデューサーは川村元気という布陣が組まれた新感覚のアニメーション映画『バブル』は文字通りバブル時代のように豪華なスタッフによってつくられ、そして文字通り泡のように消え去った

 

 世界中を襲った降泡現象。そして東京タワー爆発事件をきっかけに東京は巨大なドーム状の泡に覆われ首都機能は消失。立ち入り禁止区域となった東京では降泡現象で家族を失った孤児たちが水没した東京に住み着き、危険なパルクールに挑む東京バトルクールというスポーツに興じていた。

 バトルクールのチーム、「ブルーブレイズ」に所属する少年ヒビキ(CV:志尊淳)は聴覚障害を持つがパルクールの腕はトップクラスの実力者。障害のせいで他人と距離を取りがちなヒビキは爆発事故で崩壊したタワーから「音が聞こえる」ことに気づき、タワーへ向かうと、展望台の上に人影を見つけた。展望台まで登ろうとしたヒビキは失敗し、降泡現象で生まれた謎の重力場の渦「アリ地獄」に飲み込まれる。ヒビキを救ったのは泡に包まれた謎の少女(CV:りりあ。)だった。

 言葉を話せない少女にヒビキはウタと名付け、チームの仲間入りをさせる。突拍子もない行動をとるウタに惑わされる面々。ヒビキは自分の記憶の奥底にある歌の旋律を知っているウタと思いを共有するようになり、惹かれ合っていく。

 バックに企業のスポンサーをつけ、高性能のブーツを使用するチーム、アンダーテイカーとの勝負で苦しめられるブルーブレイズだが、ヒビキとウタの息の合ったコンビネーションで逆転勝利を収める。勝利に沸くチームだが、ヒビキが触れたウタの左腕は泡となって消えてしまう。

 東京を再び降泡現象が襲い、過去最大クラスの破局が訪れようとする中、バトルクールの少年たちは脱出を計画するが、タワーにウタがいることを信じるヒビキと少年たちはタワーへ向かう。

 

 

 水没した東京を舞台に重力を無視した前代未聞のパルクールアクションを描く、というコンセプトから誕生した本作は、宙に浮く車やコンクリートの破片を蹴って舞い上がったり、泡を利用して普通では行けないルートを高速で駆け抜ける。時には三人称視点から一人称視点に目まぐるしく変化するカメラワークによって崩壊した街を自由に、縦横無尽に駆け巡るエクストリームアクションが目玉だ。

 

 さらに人物がアップになると突然美麗なデザインに切り替わる「メイクアップ」という技術が使われている。これはWIT STUDIOが『甲鉄城のカバネリ』などでやった技術でいきなり別人のような顔に変わるので驚かされる。このように映像面の演出はアクションは大変素晴らしく、見所がある。

 一方、物語に関してはやや雑である。泡がなぜ落ちるのか、なぜ少年たちはパルクールをしているのか、立ち入り禁止区域に入るのを誰も止めないのか、そもそも世界はどうなってるのか…といった数々の疑問に本作はほとんど答えを出していない。ひょっとしたら何も考えてないのかもしれない。本当に虚淵玄が書いたのか?と疑いたくなる。

 まず「崩壊した近未来の世界を舞台にした人魚姫の物語」という企画が監督の側にあって虚淵が「シャボン玉の地球外生命体」というアイデアを出したそうだが、設定の細かい部分までは気が回らなかったのかもしれない。『響け!ユーフォニアム』の武田綾乃が書いたノベライズ版が出ているが、そちらでは世界観の設定や謎についてはある程度補足されているらしい。ということは虚淵自身はそこまで細かい設定を担当してないのだろう。

 これって『進撃の巨人』のスタッフに虚淵をくっつけてプロデューサーの川村元気が「君の名は。みたいなやつでひとつヨロシク!」みたいな感じで構想された安易極まりない企画だったのでは…

 

 バブル時代のように集められた人々によって打ち上げられた夢の構想が泡のように弾けて消えていく様を見せられちゃってこっちはもうお腹いっぱいですよ。『バブル』はせっかくのオリジナルアニメ映画で、日本でバカ当たりするアニメ映画はジブリとか細田守、新海誠と名前で売れる一部クリエイターの作品か漫画・アニメ原作ものだけなので、オリジナルの企画は貴重なのだから、もう少し大事に扱って欲しいんだけど!

 

 

 

 

 

浅倉唯と移籍問題

『仮面ライダーリバイス』の出演で一躍知名度を上げた女優・タレントの浅倉唯が番組終了後も精力的に活動中で、雑誌の表紙やグラビアにバンバン出ている。

 

 

 

 

 

 そんな彼女だが、8月末で所属していた事務所と契約を解除している。7月中から8月の間に一部週刊誌で「付きまとわれている」とストーカー騒動を訴えており(後に付きまといは確認されなかった、ということでスタッフのTwitterアカウントで「謝罪」している)、この一件から浅倉と事務所の関係が微妙になっている様子が伺えた。騒動の渦中には本人のインスタグラムに「Twitterにログインできない」状態であることや事務所の対応に不信を感じていることなどが明かされていた。

 

 

 そうした中での契約解除に至り、互いの関係を修復するのが不可能になったと思われる。その後も浅倉の素行不良を伝えるメディアの報道が相次ぎ、「面倒くさい我儘タレント」のイメージが植え付けられている。

 

 

 これで思い出すのが細川茂樹の移籍騒動だ。細川は仮面ライダーシリーズの『仮面ライダー響鬼』に主演し、その後も家電芸人として人気を博したが、2016年に突然所属事務所から契約を解除された。理由はマネージャーへの暴力、パワハラというものであった。細川は契約解除の無効を主張し東京地裁に契約続行の仮処分を申し立て、翌2017年に仮処分が認められた。

 裁判所の認定が出るまでの間、週刊誌や一部メディアでは細川のパワハラが実しやかに伝えられたが、それらは「担当マネージャーが何度も変わる」(それぐらいよくある話じゃないの?)「楽屋の前で細川とマネージャーがもめているのを見た」(それぐらい珍しい話じゃないでしょ!)程度のことで結局裁判所にパワハラであると認定されなかったにも関らず事務所側は「ハラスメント等がなかったことを理由とした決定とは考えておりません」負け惜しみ感溢れるコメントを発表していた。

 

 この一件は事務所のマネジメントに不信を抱いた細川との関係がこじれたために起きた騒動ともいわれ、こういう時に芸能事務所というやつはタレントのイメージを貶めて移籍話を潰してやろうとか、仮に移籍できてもまともに仕事できないようにしてやろうとするもので、何度もそういう話を聞いたことがある。細川は今も一部メディアの報道の背後に前事務所が関係しているのではと疑っている。

 

 

 

>エンターテイメント業界なのに、未だ、ヘイト情報の拡散をするのは、よほど悔しいか、負け惜しみか、『悪あがき』、かな。
 

>BPO、裁判共に公正に認められた私への、バッシング、ヘイト、妨害行為を、メディア関係者に協力させていることは、一目瞭然、世間の方々も見抜いています。

 

>裁判所に客観的証拠、音声データ、筆跡などを提出し、全面的に私が認められた芸能事務所社員の『でっちあげ』を立証した5年前の地位を保全する裁判決定。確実な証拠を見せても、音声データを聞かせても、意味不明な反論、ヤケクソな創作と侮辱でしか返せなかった『虚言者』を相手にするのが、いかに馬鹿馬鹿しかったか。人を見る目に狂いはなく、あの日の思いが蘇ります。

 

>三文芝居が失敗した劇団社員の腹いせか、裁判中からメディアをそそのかし、世間を騙そうと今も続ける挑発行為。
●サブリミナル放送
●デマタイトルTwitter
●デマ配信記事
●デマYouTubeアニメ動画
●殺害脅迫メール
●モザイク放送等、
『ネットのせい』だけじゃないですよね。TBSテレビCP、ワイドショー、バラエティー番組に、裁判の覆しを協力させても、あなた方の敗北はとっくに確定しています。そして、消えることない『社会的責任』をお忘れなく。

 

>あなた方は、契約更新をさせておいて、小銭欲しさに一方的な新契約を強要して、『シャーラップ』と弁護士を罵り、恫喝したじゃないですか。契約違反してるのに勝手に作成した金銭搾取だけの書面にサインしろと、強要した音声、書面、メールがありますよ。捺印署名をさせるために番組を潰したり、競馬中継番組MCに女タレントをねじ込み、JRAまで騙し、暴力的に巻き込んだじゃないですか。私の担当スタッフを何人も丸坊主にしたり、何人もいじめ抜いた問題の女タレント『真犯人』がいるじゃないですか。未払い金、私物だってバレたから、一部を慌てて勝手に送りつけただけで、横領したままじゃないですか。
 

>宇津井健さんが亡くなって『頑張ろう』と言いながら、騙したじゃないですか。音声データの存在に驚き、急いで週刊誌にデマ記事を書かせ、制作会社、ワイドショーにホラを吹いて回ったじゃないですか。見出しを付けるなら
放送史上もっとも『ヤバい』のはあなた方で、『トラブルを起こした』のもあなた方です。

※一部抜粋

 

 ちなみに細川はワイドショーの一方的な事実無根報道についてTBSの番組元チーフプロデューサーを訴えて、控訴審で名誉棄損を勝ち取っている。

 番組が終わった後でも鬼と戦っている響鬼さん細川さんお疲れ様です。

 

 

 こういったことを考えると、浅倉唯の一件も似たようなことなんじゃないかな…と思ってしまう。ホント芸能事務所って面倒くさいんですねえ。浅倉唯さんもこんな事態にくじけず頑張ってね!