カッパのカータン逝く | しばりやトーマスの斜陽産業・続

カッパのカータン逝く

 先日、ベテラン声優の小林清志さんが亡くなられていたことが発表され、世間が悲しみに包まれましたが、間を置かずに今度は大竹宏さんの逝去が報じられ同世代を駆け抜けたレジェンド級声優二人の訃報が続き哀しいことばかり。

 

 

 大竹宏さんは『オバケのQ太郎』『パーマン』『怪物くん』『ドラえもん』『おそ松くん』『もーれつア太郎』『ひみつのアッコちゃん』『ゲゲゲの鬼太郎』『サイボーグ009』と創世記の名作アニメのほとんどに出演。全部第一作目というのがもうすごいね。

 なんといっても大竹宏といえばピンポンパンのカッパのカータン。カータンの声だけでなく着ぐるみの中に大竹さんが直接入って演じていた。

 番組にはカータンのお絵描きコーナーというのがあって、子供があふれでるインスピレーションによって思うが儘に筆を振るった絵(まあ要するに適当な落書き)をカータンが奇麗に清書する。着ぐるみの指越しに描いたとは思えないタッチでそれを見た子供は「カータン、絵が上手いね!」とはやし立てていたが大竹宏は

 

「カータンじゃねえよ!俺だよ!絵を描いているのは!!」

 

 といったとか言わないとか…しかし大竹宏は子供の夢を壊さないため、着ぐるみの中に入っていることを隠しており、実の子供にすら明かさなかった。しかしなんとなく気づいた息子が番組に出演した時、「お前大竹宏だろ!」と藤波みたいなことをかまされた大竹宏はカータンの被り物を取った…ことはなく「そんな奴は知らないや」とごまかしたそうな。悲しい。あまりに悲しすぎる。そんな悲しみを背負いつつ大竹宏はカータンを13年間演じ続けて番組を卒業したのでした。

 休養時期を挟んで生涯現役だった大竹宏さん(とカータン)のご冥福をお祈りいたします。