しばりやトーマスの斜陽産業・続 -27ページ目

大阪桐蔭こしたんたん

 中毒性の高いメロディと覚えやすい歌詞で今季アニメの話題をさらっている『しかのこのこのここしたんたん』のOPテーマ『シカ色デイズ』。外をうろつけば小学生児童ですら♪しかのこのこのここしたんたーん♪とやっているのである(マジで)。

 TikTokを漁れば歌に合わせて踊っている女子の動画は山ほど見つかる。

 そんな流行りのメロディはさっそく高校野球の応援をするブラバンにも導入された。今大会の優勝候補、大阪桐蔭の吹奏楽部が一回戦の対興南戦で披露したのだヌンッ!

 

 

 よく聞くと♪大阪桐蔭こしたんたん♪とイントロの部分をがっつり歌っているように聞こえる!これは間違いなくシカ。シ~カ~強豪校は世間のトレンドに強いね~

 っていいのか?強豪校!?アニメの主題歌なら定番の『残酷な天使のテーゼ』とかでいいだろ!なぜにシカ!?

 

 が、シカ効果もあってか初戦を5-0の快勝で突破した大阪桐蔭。準決勝ぐらいまでは行きそうなのであと何回も聴けるな。このまま順当に進めば3回戦の相手は奈良・智弁学園。シカの本拠、奈良からの刺客(シカだけに)!対抗して智弁吹奏楽部部も『シカ色デイズ』で対抗してくれ!EDの『シカせんべいのうた』でもイイ!なんなら大阪桐蔭に勝った後で『シカ色デイズ』を受け継ぐのもそれはまた良し。甲子園は熱く燃えている!

 

 

 

 

 

これが逆境だ!爆上戦隊ブンブンジャーバクアゲ23 炎の逆境野球

 今朝放送のニチアサ『爆上戦隊ブンブンジャー』の23話「バクアゲ23 炎の逆境野球」は大方の予想通り・・・『逆境ナイン』パロディ回でした。

 ブンブンジャーで悪役のデザインをやってる島本和彦の代表作のひとつ『逆境ナイン』は「夏の甲子園で優勝できなかったら廃部」と校長先生に言い渡された野球部のキャプテン、不屈闘志が弱小ナインを率いて大優勝旗を持ち帰るまでの魂の物語である。

 常識を遥かに超えた破天荒すぎる展開と随所に出てくる名言の数々に心を打たれたオタクは多く、今も語り継がれる名作。玉山鉄二主演で映画にもなった(脚本が福田雄一っていうのがねぇ・・・)。それはともかく、ブンブンジャーも本家に負けず劣らず無茶苦茶であった。

 

 少年野球のコーチをしている(いかにもやってそう)ブンブラック・阿久瀬錠は突然ハシリヤンの怪人、グローブグルマ―の襲撃を受ける(頭部の目玉が炎に燃えていて、いかにも島本デザイン!)。子供たちはプロの洗礼ビームを食らいやる気をなくす。救出にかけつけるブンブンジャーを差し置いて錠は

「俺と・・・野球の勝負をしろ!」

 と挑戦状を叩きつける(なんで?)そして爆上ブンブンジャーズ対絶叫ハシリヤンズの野球対決がはじまった!(ちなみに球場アナウンスは千葉マリンスタジアムのレジェンドスタジアムアナウンサー・谷保恵美さん

 ハシリヤンズ監督のキャノンボーグは「負けたら…改造!」と逆境ナインの校長ばりの強権発動!これが逆境だ!

 試合は初回から荒れ放題。エラーで出塁したデコトラーデ(CVの諏訪部順一は『逆境ナイン』ドラマCD版のハギワラ・リョウ役!)の代走、ヤイヤイヤルカーが「アウトにならなければダイヤモンドを何週してもその度に得点」というハシリヤンルールを採用。

「カーが通ればルールは引っ込む!」

と『逆境ナイン』の名言の引用が炸裂!

 何とかアウト一つを取った錠だが続くバッター、グローブグルマ―のピッチャーライナーを受け外野フェンスまで吹っ飛ぶ!気を失って外野グラウンドに放置された錠が目覚めて見たものは最終回118-0という圧倒的大差、ゼロが並ぶスコアボードを「たこ焼きのよう」と称する状況下、どうするブンブンジャーズ!これが逆境だ!

 突然サングラスをかけて『逆境ナイン』の監督、サカキバラ・ゴウと化した細武調がどちらかを決めろ!と「つづける」「あきらめる」の二枚の木札を出す!二者択一!

 

「最後まであきらめない不屈の闘志があれば、何かが起こる!」

 とモロに不屈闘志を言い出す錠は「つづける」札を選んで試合続行!グローブグルマーの魔球をブンブンジャーに変身することで打ちまくる炎の逆境ナインたち!ブンバイオレットが途中でボックスを右から左に変える『アストロ球団』の川上哲治打法を披露したかと思えば「急がば回れ!」と調に喝を入れられた錠が大回転打法(侍ジャイアンツ)でチャンスをつくり、満塁でブンレッド・大也の打席を迎える。このクライマックスにグローブグルマーもハシリヤンの魂を込めたハシリ球を投じる!ハシリヤンの魂充填完了!

 ブンレッド119に変身した大也は魂を消火して大フライを打ち上げる。その間にハシリヤンルールを適用して全員で何週もホームインして119点取って大逆転サヨナラ勝利!そんなこと起きるはずがない!視聴者の皆さんは信じないでほしい!しかし勝っちゃったんだからしょうがない!

 敗戦した悔しさから「ベンチがアホやから野球ができへん!」エモやんばりに吼えたグローブグルマーを119があっさりぶちのめし、巨大化したところをブンブンジャーロボ119(谷保さんが登場アナウンスまでしていた。谷保さんもまさか引退後にロボットの登場アナウンスをするとは思わなかったろう・・・)が叩きのめしてゲームセット。まさにさよならゲーム。

 

 元宇宙船の古怒田健志脚本と加藤弘之監督があらゆる野球ネタをぶち込んだ、イカれた野球狂ぶりが炸裂した珍回でしたね。

 普段のブンブンジャーと比べてもかなり落差のある回だったけど、いいのコレで?

 

それはそれ、これはこれ!

 

100点差を逆転するエピソードはこの巻です

実写版。面白いぞ

 

もう振り返らない『ルックバック』

 週刊少年ジャンプで『チェンソーマン』を連載中の藤本タツキが同作を「一部完」の形でいったん中断し、その間に発表した143ページの読み切りの劇場アニメ化『ルックバック』は創作の世界に身を投じる二人の分かれ道についての映画だ。

 

 小学4年生の女子、藤野は毎月学生新聞に4コマ漫画を投稿し、友人たちに賞賛されることが誇りだった。またそのことを若干鼻にかけてもいる。担任教師から隣のクラスの不登校女子、京本に連載の一枠(藤野は4コマ二本を描いていた)を譲ってくれと言われる。

 翌月、京本が投稿した4コマは誰もいない校舎の風景を描いただけのものだったが、圧倒的な画力に藤野は打ちのめされ今まで藤野の漫画を褒めていたクラスメイトからも比較すると藤野のはフツーだと言われてしまう。ショックを受けた藤野は画力を挙げることに没頭するように。資料を揃え、勉強や友達と交流する時間を惜しんでひたすら絵を描き続ける。しかし京本の画力に及ばないことを悟った6年生の時に藤野は筆を折る

 

 卒業式の日、結局一度も登校しなかった京本の家に卒業証書を届けることになった藤野は部屋の前の廊下に積み上げられた大量のスケッチブック(自分が6年生になるまで描き続けた数より多い!)に圧倒される。その場でメッセージ代わりに描いた4コマ(引きこもりの京本が密かに自宅で白骨化していた、という酷い内容)が部屋の中に入り込んでしまい、そのまま家を出る藤野を京本が追いかけてくる。京本はずっと藤野の漫画のファンであったと明かし、それをきっかけに二人は共作で漫画を描き始める。

 

 「藤野キョウ」というペンネームで執筆を始めた二人は13歳の時に新人賞の準入選を果たし、「驚異の13歳」としてデビューを果たすと中高年の間に7本の読み切りが掲載される。高校卒業を機に連載の企画を持ちかけられるが京本は大学進学を目指すため、連載は手伝えないと告げる。「もっと絵が上手くなりたいから」と打ち明けた京本に、人が怖くて不登校児だったあんたが行けるわけないと言ってしまったことで二人は袂を分かつ。

 

 京本の絵は画力は圧倒的だが、人と付き合うことが怖くて不登校児になったせいか、人物が登場しない。藤野は京本と違って人付き合いができるために物語は書けるが画力が追い付かない。二人は同じ道を歩いていると思っていたが自分より絵が上手い京本が「もっと上手くなりたい」という京本の手を藤野はずっと引っ張ってきたつもりだったのに、二人は同じ道を歩いていなかった。

 

 やがて藤野はペンネームだけはそのままにプロ漫画家として連載を始め、最初はアンケートに苦戦するも徐々に連載は人気を取り、アニメ化に至るほどの成功を手にする。一方京本は地元の美大に合格し、ひたすら絵の腕を磨いていた。

 そんなある日、美大に不審者が侵入し犠牲者の一人が京本であったことを知った藤野は自分が彼女の手を引いて家から連れ出したから、犠牲になったのだと後悔する。そのままになっている京本の部屋の前で描いた4コマを見つけた藤野はこんな漫画描かなきゃよかった、出会わなければよかったとそれを破り捨てる。そして二つの世界が分かれていく・・・

 

 映画ファンの藤本タツキは映画の影響を作品の中に生かしたり、引用していることを隠そうとしない作家だが、本作も部屋に堂々と『バタフライエフェクト』のポスターが出てくる。

 これを模したポスターが部屋に張ってある

 

 藤野はもう一つの「出会わなかったことで彼女を救う世界」を認知する。それは自分がたどり着かない世界線の物語だが、「振り返って」というメッセージが届くことで二つの世界はつながっていると知る。いつも振り返ればそこには自分に手を引かれた京本がいた。今はもういない。けれど自分の中で京本は生きている。仕事部屋に戻った藤野は再び漫画を描き続ける。もう振り返らない。京本がいることはわかっている。ラストカットは描き続けることを選択した藤野の背中を映し続ける。京本がずっと見ているかのように。過去は振り返らない。前だけ見て生きる

 

 

 

2024年8月告知

2024年8月予定

 

8月10日(土)

『アイドル十戒 キングダム4』

場所:アワーズルーム

開演:19:00  料金:¥1500(1d別)

出演:竹内義和 しばりやトーマス

 

アイドルのスキャンダル情報とおもろい動画特集

 

8月21日(水)

『旧シネマパラダイス』
会場:アワーズルーム 
開演:20:00  料金:¥500+1d別
解説:しばりやトーマス

カルトを研究する若人の会。

宇宙ではあなたの叫び声は聞こえない映画の会

 

8月27日(火)

『スーパーヒーロートーク』

場所:なんば紅鶴 

開演:21:00

料金:¥1500(1d別)

出演:にしね・ザ・タイガー ソエジマ隊員 しばりやトーマス

 

夏のニチアサトーク

 

8月29日(木)

『キネマサロン肥後橋』

会場:アワーズルーム

開演:19:30 ¥500+1d別

解説:しばりやトーマス

※終了後にYouTube収録アリ

 

深夜の映画番組風の映画研究会。

今月は夏のタイムマシン映画を大研究

 

 

君も歴史の目撃者『お茶の間トランスフォーメーション ザ・ムービー』

 トランスフォーマーシリーズのアニメ最新作『トランスフォーマー/ONE』が9月に公開ということでトランスフォーマー特集でもやるか!と思い立ち、日本で制作された実写短編『お茶の間トランスフォーメーション ザ・ムービー』をご紹介。ちなみに本家トランスフォーマーとは何の関係もありません。まったくの別物。トランスフォーマーとマシンロボ、トミカとモルカーぐらい違います(しかしサブタイトルは『トランスフォーマー ザ・ムービー』に準拠)

 ズバリ、アメリカのトランスフォーマー実写映画のブームに乗っかった便乗作品で、便乗といえばこの人、河崎実監督も「特別編監督」として参加している(後述)。

 

 

遙か太古の昔ー

 

銀河系宇宙空間に巨大なエネルギーが発生しー

テクノロジーの進歩により惑星をおおっていた。

 

そして、地球のお茶の間にもー

それは存在していた。

 

 と仰々しいナレーションで開幕する本編。さらに森本レオのうさんくさい深刻な解説により「地動説よりも天動説の方が正しかったとしたら?」世間一般の常識を覆す現象が我々人類の知らない間に起きていたらー

 という仮説にのっとって物語は展開する。携帯電話、デジタルカメラ、掃除機、ノートパソコン、ポット…といった電子機器が我々の知らない、観ていないところで密かに活動している様子を捉えていく。

 

 例えばデジタルカメラが人型に変形(トランスフォーメーション)して隣の女性の着替えを盗撮していたら?

 例えば電気ポットが放置されたカップ焼きそばのお湯を密かに湯切りして中身をシンクにぶちまけていたら?(役に立ってねえ)

 例えば放置された掃除機が勝手に電源コードを片付けていたら?

 例えば電源が切れかかったコードレスの子機が一人でに動いて充電器につながっていたら?

 

 これらはすべて仮説にすぎないが、真実でないとは言い切れないのですー

 

 ってこれ、トランスフォーマーっていうより『トイ・ストーリー』だよね。こういった思い付きでつくったようなショート映像が50分続く。飽きてくる頃にはちょっとしたお色気や、なんで出てるのかわからない川村ゆきえが登場したりしてなんとか観客を退屈させないような配慮がなされているところがたまらない。

 

 本作で一番面白いのはDVDに収録されている制作発表記者会見である。2007年8月3日(どうでもいいけど、僕の誕生日だ)に行われた会見では特別編の監督を担当した河崎実監督と。彼に仕事をオファーした製作総指揮スティーブン・スピルバーグのそっくりさんが登壇。これが全く似ていないのもすごいが「ポケットマネーから100万ドルを出してハリウッドにお茶の間のセットをつくった」「ノースタント撮影による命がけのアクションに携帯電話が挑んだ」河崎監督には「非通知・着払い」の電話でオファーがなされ、製作費については「(河崎監督の)弁当代は出た」とのこと。そのうち監督名をピーター・ジャクソンやマイケル・ムーアと間違ったりとテキトーにもほどがある発言を繰り広げる両者!

 

 で、その河崎実監督が手掛けた特別編「大人のトランスフォーメーション」で、DVDに収録されている。それは男女のカップルが主役で、彼氏が電動マッサージ器を彼女にプレゼントすると、そいつがトランスフォーメーションして大人のおもちゃに早変わり!というおちゃらけギャグの短編が6話。オチは全部同じ。ピーター・ジャクソンも即、指輪を投げ捨てるほどの腰砕け下ネタギャグは河崎監督曰く「かつての大島渚のように映像表現の限界に迫った」とフカしまくるのであった。大島渚が墓から蘇って「ばかやろう!」と怒鳴ってこないか心配だ。

 

 スピルバーグもムーアも、ジャクソンも多分観てはいない映画。あなたが歴史の目撃者になるしかない!