2年間の終わりは、やっぱり長かった。

昨年のプレーオフの記憶が甦る。

 

同じアディショナルタイムの8分、同じ権田選手の負傷による沖選手の交代出場。

 

更に、相手より1人少ない人数で戦う状況。

 

ネガティヴに考える要素はたくさんあった。

しかし、それを選手たち全員で振り払ってくれた。

仲間が得点へとボールを繋ぎ、仲間のミスは仲間がカバーする。

サッカーがチームプレーであることを再認識させられた試合だった。

 

そして、エスパルスを昇格させてくれたメンバーを、エスパルスファミリーはきっと忘れないだろう。

 

プロの世界は厳しい。

これからフロントも、選手や他チームと交渉して行くだろう。

おそらく来年のメンバーは今年と同じではない。

だからこそ、この険しい道のりを一緒に登ってきた今のメンバーで、昇格だけでなく優勝を分かち合いたい。

エスパルスの長い歴史の中で、リーグ優勝は一度もない。

「あのJ2でのリーグ優勝があったから」

と言われ、エスパルスの歴史に名を刻む選手になって欲しい。

ホーム2連戦。

ここへきて自力優勝ができる位置に戻ってきた。

 

そこが本当の意味での「戻るべき場所」だ。

選手たちは自分の価値を見せつけるために、今シーズン一緒に戦ってきた仲間と一緒に、シャーレを掲げて欲しい。

 

エスパルスファミリーの一人として、ボクも精一杯、アイスタで後押しをしたい。
 

山形戦、昇格を目の前で見るためにアイスタに行った。

 

乾選手の200試合への暖かいコールを一緒に行い、北川選手のゴールが決まったときはJ1の背中が微かに見えてきた気がした。

 

逆転負けは悔しくてたまらない。

 

しかし、1失点目は、山形の選手のロングボールへのファーストタッチが見事だったし、2失点目のセットプレーもエスパルスの高いディフェンスラインを乱れさせるデザインされたものだった。

 

シュート数ではエスパルスが上回っていたが、決定機やその一つ前のシーンの数や質ではイーブンのゲームだったと思う。

 

山形も質の高いプレーをしていたし、逆にエスパルスもそれに負けないだけの気迫を見せていた。

 

特に北川選手の運動量と質の高さはスタンドから見ていて、驚くほどだった。

 

だから、ボクはアイスタで初の負けとはいえ、それほどネガティブにとらえてはいない。

 

相手を認め、それを上回るプレーをする。

 

今シーズン、7連勝していた頃、アウェイ甲府戦、岡山戦など、相手チームも素晴らしいプレーをしていたのだが、エスパルスは更にそれを上回るプレーで勝ちきっていた記憶がある。

 

つまり、自分たちにフォーカスして、最大の力を出せば相手云々の問題はない。

 

特に、残り3試合ともなると栃木だって残留がかかっているのだから、いつも以上の力を発揮してくるのは間違いない。

 

シーズン当初から秋葉監督が掲げていた「超攻撃的、超アグレッシブ」

 

その積み重ねで、今、J1への王手をつかみ取った。

 

監督、スタッフ、選手たち全てに、その姿勢を忘れず貫いて欲しい。

 

今こそ、チーム、ファミリーが一体になってJ1へ向かうときだ。

 

その力はJ2ではNo.1だと信じている。

決戦は思っていたよりも一週間早くやってきた。

サッカーダイジェスト11月号、争奪戦だ。

都内でも少し遅れるだけで、入手に苦労してしまった。

内容も興味深い。

秋葉監督が「ピッチ外も大事。日頃から徳を積む」という指導を選手たちにしていることは色々なコメントから知っていた。

直接的には、サッカーが勝負事であるから運を引き寄せるため、と解釈できる。

でも、ボクは自分でも嫌になるほど疑り深いリアリストだ。

だから「運なんて、結果を振り返って人間が理由付けられないものの呼び名」としか考えていない。

この雑誌を読んで、これまでスルーしていた秋葉監督の言葉を再度考えた。

人間が厳しい場面に出会った時、つい自信を失いそうになるとき支えてくれるのは『日常』だったりする。

その『日常』の中には家族がいたり、友人がいたり、大好きな趣味があったりする。

その『日常』の中で、自分で自分を納得させられる行動をできる限りしていたらどうだろう。

それは、その人の人間としての自信になり、いざという場面で揺るがない行動をする大きな助けとなる。

サッカー選手であれば、試合に出られないときの振る舞い、ファンに対する対応、サッカーを離れたときの一個人としての行動がこれにあたるのだろう。

人間は不完全な存在だから、完璧に徳を積むことなどできない。

でも、自分を認められるだけの行動を積み上げるのは、間違いなく自然と自分の自信となっていく。

乾選手も、エスパルスに来てからの数年間で、ピッチの中だけでも、人としての成長が窺える。

それがサッカーに与える良い影響は、きっと分かる方も多いと思う。

山形戦のチケットはsold out

約19,000人の観客、そのうちおそらく18,000人以上はエスパルスファミリーで埋め尽くすアイスタで昇格を見たい。

昨年のプレーオフ決勝のアディショナルタイムから待ち続けている勝ちロコ、いや昇格ロコを満員のスタジアムで感じたい。





「他の人にされて嫌なことは、自分もやらないようにしましょう」

 

小学生、いや幼稚園の先生や親から教わるような内容だ。

 

翻って、サッカーで考えてみよう。

 

秋葉監督は、選手たちに何と言っているだろう?

 

「自分たちが気持ちいいプレーをするんじゃねぇぞ!」

に続く言葉。

 

REALを見ている人なら記憶に残っているはずだ。

 

「相手の嫌がることをやれ!」

 

サッカーはイングランドでは紳士のスポーツと言われてもいる。

 

だが、マリーシアという言葉があるように、駆け引き、だまし合いの方が割合が高いように思う。

 

フェイントだってだまし合いだし、正直にシュートを撃ったらプロのGKには全て止められてしまう。

 

また、自分の強みを出すのは闘志さえあればできるが、相手の弱みを突くには冷静な判断と感情に揺らされない強い意思が必要だ。

 

もちろん後者の方が難易度は高いから、監督はそこを強調するのだろう。

 

では、サポーター、ファミリーに置き換えたらどうだろう。

 

相手サポーターにやられて嫌なことは?

 

決してブーイングではない。

 

相手サポーターがブーイングをしていても、それが相手チームの選手に力を与えるとは感じられないからだ。

 

私が一番「嫌だな」と感じる場面。

 

それは、こちらが得点を取った後、一瞬静かになった後、前よりも大きな声で応援が鳴り響き始めることだ。

 

間違い無く、それは相手チームの選手に力を与えるし、エスパルスにとっては脅威となる。

 

日曜日の藤枝戦。

 

先取点を藤枝に取られてしまったが、その後、すぐに大声援が始まった。

 

そして、西澤選手がコーナーキックの前にゴール裏だけでなく、バックスタンドも巻き込んで煽るジェスチャーをした。

 

コーナーフラッグの近くに座っていた観客は、私を含めて多くの人が思わず立ち上がって、ゴール裏と声を合わせていた。

 

おそらくバックスタンドの多くの人たちも。

 

あの時の西澤選手のキックと住吉選手のヘッドには、数%かもしれないが、エスパルスファミリーのアシストが入っていると感じた。

 

次節、国立の天王山。

 

リードしている時には横浜FCの応援が聞こえないくらいの大声援を。

 

そして、先取点を取られたら、それ以上の大声援を送りたい。

 

仕事用の手帳には、まだ昨年のリフィルとメモを残してある。

 

-2023年12月2日SAT 14時 プレーオフ 国立-

 

あのときの気持ちを忘れず、そして乗り越えて全員の力でJ1に王手をかけよう。

 少し前、Youtubeで、野々村チェアマンらが出ていた動画を見たときに、ゲストの一人だった曺貴裁監督が、チームの強さについてこう話していました。

 「得点を取ったときよりも、守備のときの選手の様子に注目している」
 

 「例えば、相手からシュートを撃たれて味方の選手がそれを体でブロックした時。本人だけじゃなく、その周囲の選手が手を叩いたりガッツポーズをしたりする姿を見ると、『このチームは強い』と思う」

 なるほど、と膝を打ちました。
 

 先週の長崎戦の72分。

 
 相手にシュートを撃たれた時に住吉選手がブロックした後、権田選手と手を叩き合う姿がありました。
 

 今のエスパルスはやはり強くなってきているのだと確信しました。

 

 長崎戦の引き分けも私はポジティブに捉えています。
 

 2016年は、エスパルスが残り9試合を9連勝で終えて、2位だった松本山雅を追い抜きました。
 

 その記録を辿ると、残り9試合の時点でのエスパルスと松本山雅の勝ち点差は7。

 

 つまり、残り9試合で勝ち点7差でも、9試合全て勝った上で、得失点差で何とか2位になれたわけです。
 

 長崎戦の話にもどりましょう。
 

 あの試合が終わった時点で、エスパルスの残り試合は9、長崎は8というのは確定事実です。
 

 そして、もし負けたら、残り試合8で勝ち点差は5。
 

 長崎からすれば、2016年のエスパルスよりも楽なミッションとなります。
 

 ところが引き分けになると、勝ち点差は8。

 

 つまり、残り8試合で勝ち点差8です。
 

 これは2016年のエスパルス(残り9試合で勝ち点差7)よりもはるかに困難なミッションです。
 

 あの年を経験した方なら実感していると思いますが、残り9試合の時点で「引き分けは、即、プレーオフ」という余裕のない心理状態で応援していました。
 

 今の長崎はそれよりも苦しい状態に置かれているわけです。
 

 この差は客観的にみて、非常に大きいです。
 

 ですから、後半3バックにした時には「なるほど」と思わず納得しつつも、攻撃の手を緩めない乾選手に感心しながら応援していました。
 
 

 ただ、もうひとつ。

 

 過去の経験上、「引き分け注意!」とも言いたいです。
 

 というのは、2016年にエスパルスが松本山雅に追いつけた最大の原因は、松本山雅が負けなしを続けながらも、2引き分けしたからでした。
 

 対するエスパルスは勝ち点3をゲットし続けたので、勝ち点4を詰められたのです。
 

 その時「これで勝負は五分五分に持ち込んだ」という実感を得たのを覚えています。
 

 実際、1試合でひっくり返せる「勝点3差」という位置は、追いかけるチームの方が心理的に強いです。
 

 確か、ラスト2試合残すあたりで得失点差で順位をひっくり返して、最終節の徳島戦に臨んだと思います。
 

 そしてその試合、スマホで松本山雅が先制されたのを見た私は、ポカリスエットスタジアムのスタンドで「引き分けでも行けるかも」と甘い考えを持ってしまいました。
 

 しかし、当時の選手たちは勝利しか考えておらず、ご存知のとおり、テセ選手からのアシストで金子選手が勝利のゴールを決めました。
 

 試合終了後に、松本山雅の勝利を知って、背筋が寒くなったのも覚えています。
 
 奇しくも、その松本山雅を率いていた監督が反町GM。
 

 長崎戦の引き分けの大切さも、これからの引き分けの怖さも体で知り尽くしているはずです。

 

 そして残り9試合を2016年のような「勝利しかあり得ない」という気持ちで戦って結果を出せば、自動昇格だけでなく、J2優勝が確定します。

 

 エスパルスは横浜FCよりも1試合少なく、かつ国立での直接対決があるからです。

 

 長崎戦の引き分けは、このポジションを確保するためだったと後から言えるよう、今週の山口戦から勝ち点3を奪い続けていくと確信しています。

 

 そして、エスパルスをより「強いチーム」にするため、ファン、サポーターも、得点シーンと同じくらい守備で戦った瞬間に大きな歓声や拍手を送って後押しをしたいですね。