桔梗が丘駅【三重県】(近鉄大阪線。2020年訪問) | 『乗り鉄』中心ブログ(踏破編)

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今回の【駅】シリーズは、
三重県名張市北寄りに位置する近鉄大阪線の駅で、駅周辺には近鉄が開発したニュータウン「桔梗が丘住宅地」が広がっていて、かつては乗降客数が多かったものの、現在は急速な高齢化により乗降客数の激減に直面している、
桔梗が丘駅 (ききょうがおかえき。Kikyogaoka Station) です。
 
余談ですが、桔梗が丘住宅地はシンガーソングライターの平井堅さんが少年時代に在住していたことから、自らの曲のタイトルにも使用しています。
 
  
駅名  
桔梗が丘駅 (D 50)  
  
所在地  
三重県名張市     
  
乗車可能路線  
近畿日本鉄道:大阪線  
  
隣の駅  
大阪上本町方……名張駅  
伊勢中川方………美旗駅   
 
訪問・撮影時  
2020年12月  
 
 
駅概要  
駅形態……………地平駅(1964年新設開業)。
駅舎………………1989年完成の橋上駅舎があります。南北自由通路を兼ねています。
出入口……………南口、北口。実際は南口が東側にあり、北口が西側にあります。
バリアフリー……対応(各出入口にエレベーター・上りエスカレーター併設)。
点字ブロック……各出入口~各改札~各ホームに設置。
駅前広場…………南北にあり(それぞれバス停留所とタクシー乗り場を併設)。
 
 

 

 

正面口に相当する南口です。上2枚は概ね西方向を、下1枚は南西方向を望む。
南側が先行して開発されたため開業当初はこちらにしか駅舎がありませんでしたが、後に北側の開発が行われたことから、1989年に橋上駅舎化されました。
駅ビルはなく、駅前広場の線路際に出入口があります。
出入口前に電話ボックスと郵便ポストがあり、階段下1階部分の売店跡らしき場所は自動販売機コーナーになっています。
 
 

南口駅前広場には大きなロータリーがあり、三重交通のバスターミナルとタクシー乗り場が設けられています。
駅前広場の左側には交番と近鉄不動産の営業所があります。
右側には結婚式場があり、左側には後述の「近鉄プラザ桔梗が丘」の建物があります。
また、正面には「西松屋」がありましたが、当地の高齢化が災いしたのか、2020年時点で閉店となっていました(名張市役所付近のロードサイド店林立地区へ移転しています)。
尚、現在は「近鉄プラザ桔梗が丘」が閉店したことから、駅前に商店がない状態になって閉っています。南口にはコンビニすらありません。
そして、南側の結婚式場裏手には大規模なコインパーキングがあり、パークアンドライドが可能です。
写真は東南東を望む。
 
 

南口駅前には近鉄系の商業施設「近鉄プラザ桔梗が丘」がありました。
総合スーパーでしたが、一時期は百貨店業態で営業していました。末期は近鉄が店舗営業から撤退し、テナント店舗が営業していたものの、2020年10月に全て閉店し、私が訪問した2020年12月時点で空きビルとなっていました。
再び営業する可能性は低そうで、解体待ちの状態と思われますが、現時点でも建屋が残っていて、事実上の廃墟と化してしまっている状況です。新たな商業施設を造る話も無さそうです。
現在、名張市の商業の中心地は各国道沿いや名張市役所付近になっており、いずれもロードサイド店舗が立ち並んでいます。車社会が浸透している名張市において駅前で商業施設を営業するのは厳しいでしょうね…。
 
 

南口駅前です。東南東を望む。右後方に南口があります。
駅の南側(実際の方角は東側)の一帯は初期に開発された地区で、昭和40年代から住宅街が広がっていました。そのため、家屋の改築が行われたり、解体後空地になっていたりして変化しています。
また、ニュータウン共通の問題として、急速な高齢化が進行していて、桔梗が丘も例外ではないようです。都心回帰現象も続いていることから、このままですと桔梗が丘住宅地の過疎化は避けられない状況と思われます。
また、桔梗が丘住宅地は丘陵地に開発されたため、坂道が多いです。
 
奥へ延びる駅前通りを登って下って750mほど東南東へ進むと、国道165号線との桔梗が丘1交差点に到達します。ニュータウン内には商店がほとんど見られませんが、国道165号沿いにはロードサイド店舗が点在しています。
そして、名張市役所は約2km南にありますが、名張駅からの方が近いです。市役所周辺にもロードサイド店舗が多く見られます。
 
 

 

こちらは北口です。上写真は南東を、下写真は南を望む。
駅北側は丘陵地の山林が広がっていて駅出入口がありませんでしたが、昭和50年代以降に開発が進行したため1989年の橋上駅舎・南北自由通路完成とともに北口が新設されました。
こちらも出入口前に電話ボックスと郵便ポストがあります。
 
 

北口にも駅前広場・ロータリーがありますが、規模は南口より小さいです。まぁそれでも十分広いですが。
バス停留所とタクシー乗り場が設けられています。
後方の南側にはコインパーキングがあります。
 
 

北口駅前です。西北西を望む。左手に北口があります。
こちらも駅前に商店は少ないです。
北口側は南口側より後に開発された新興住宅地で、そのため街や家屋が全体的に南口側より新しいです。住民の平均年齢も南口側より低いと思われますが、ゆくゆくは高齢化の問題に直面することになると予想されますので、対策が望まれるところです。
また、約1.5km北西の丘陵地一帯には八幡工業団地があります。
 
 

 

橋上駅舎2階にある改札口です。上写真は南を、下写真は西を望む。
上写真左・下写真後方が南口、上写真右・下写真前方が北口です。
 
駅員配置………なし(一部の特急が停車する駅ですが、無人駅です。

                            改札内外にインターホン有)。
自動改札機……あり(4通路)。
ICカード………利用可能(『PiTaPa』エリア内。

                                   交通系ICカード全国相互利用サービスの各種カードもOK)。
幅広通路………あり(窓口に面した右端通路。点字ブロック設置)。
有人通路………なし(窓口に面した右端幅広通路がインターホン対応通路を兼ねています)。
窓口……………なし(無人駅のため改札窓口は閉鎖されています)。
自動券売機……あり(改札口の右手前。ICチャージ可。

                           サポート付き特急券売機・通勤定期券売機併設)。
自動精算機……あり(ICチャージ可)。
トイレ…………あり(改札内のみ。多機能トイレ併設)。 
付帯設備………飲料自販機(改札内外)、公衆電話・コインロッカー・新聞自販機(改札外)。  
売店……………なし。 
コンビニ………なし(最寄店舗は北口の約500m西「セブン-イレブン」)。
 
そして1階にある各ホームとの間は階段・上りエスカレーター・エレベーターで結ばれていて、桔梗が丘駅はバリアフリーに対応しています。
 
 

 

下り1番線ホームに設置の各種駅名標です。上写真の壁掛式は電照式かもしれません。
駅ナンバリング導入時に一斉に置き換えられた新デザインです。
また、駅ナンバリング「D 50」が大きく書かれています。
上写真右には「ごあんない(名所案内)」があります。
 
 

 

駅構造……地平駅。ホームは南南西~北北東方向。
配線………相対式ホーム2面2線(2面4線への拡張が可能な構造)。
 
右ホーム(北寄り)は1番線で下り伊勢中川方面、左ホーム(南寄り)は2番線で上り大阪上本町方面です。
 
ホーム有効長……10両分。
ホームドア………なし(2020年12月時点)。
ホーム幅…………中ほどは標準レベルですが、両端は狭いです。

                        通過列車に注意が必要です。
上屋(屋根)………中ほど6両弱分。両端は雨ざらしになっています。
ホーム上設備……ベンチ、飲料自動販売機、冷暖房完備と思われる待合室。
 
手前の伊勢中川方には古いベンチが残っています。
 
当駅では一部の特急が停車します(朝の上り列車の一部と夕方以降の下り列車の一部)。名阪甲特急、観光特急『しまかぜ』などは通過します。
  
写真は2枚とも1番線より大阪上本町方を望む。
 
 

 

2枚とも2番線より伊勢中川方を望む。
ホーム中ほどの階段部分は特に幅が狭くなっていますので、要注意です。
私の訪問時は真冬で、線路際には融雪剤が撒かれていました。桔梗が丘周辺は盆地なので、冬は底冷えして最低気温が氷点下になることも珍しくありません。
そして、用地的に2面4線への拡張が可能ですが、輸送量が大幅に増加することはないでしょうから今後も現状のまま2面2線でしょうね。
 
 

 

また、1番線の北口側には保線基地があり、複数の線路が敷設されています。
もし2面4線化する場合は保線基地を縮小することで対応すると思われます(まぁ2面4線化の可能性は低いですが)。
尚、保線基地の場所にはかつて、大阪線と並走する形で近鉄伊賀線(現・伊賀鉄道伊賀線)の単線が延びていましたが、この場所に駅はありませんでした。約700m南南西に伊賀線の蔵持駅がありましたが、1964年9月いっぱいで伊賀線の伊賀神戸~西名張間が廃止となり、蔵持駅も廃止されました。そして廃止翌日の10月1日、東海道新幹線開業の裏でひっそりと桔梗が丘駅が開業しました。桔梗が丘駅は当時造成工事が行われていた桔梗が丘住宅地への玄関口として開業しましたが、蔵持駅の代替駅という面も有しています。
 
いずれも1番線より、上写真は大阪上本町方を、下写真は伊勢中川方を望む。
 
 

1番線より大阪上本町方を望む。
右側が保線基地です。伊賀線は緩やかに右へカーブして大阪線と離れていました。駅付近に伊賀線の遺構は確認できませんが、少し進むと廃線跡が道路転用されていて、シャックリ川を渡る橋梁は鉄道時代のものが使用されています。
 
この先、住宅地を出て郊外農村風景の中を南南西へ走り、やがて右へカーブすると左手に複数のロードサイド店舗が見られます。その後は左へカーブし、右手に車庫を見て市街地に入ると主要駅である名張駅へと至ります。
 
 

1番線より伊勢中川方を望む。
左側の保線基地の側線は、こちらの伊勢中川方からのみ出入り可能な配線となっています(大阪上本町方は本線と繋がっていません)。
また、伊賀線はこの先で緩やかに左へカーブして大阪線と離れていましたが、この付近は廃線跡に草木が生い茂って自然に還った状態になっており、遺構の確認は困難です。
 
この先、右へカーブしながら走りますが、右側車窓は桔梗が丘住宅地が続きます。やがて桔梗が丘住宅地が途切れると住宅と田園が混在した中を築堤高架で北東へ走り、伊賀線の廃線跡を乗り越しますが、伊賀線の遺構は立体交差部の一部くらいしか見られません。その後は一旦田園風景の中を走りますが、やがて左に住宅団地が現れると地平区間になり、美旗駅へと至ります。
 
 
あとがき  
下車(乗車)時・・・2020年          
 
近鉄大阪線を乗り鉄時に下車(乗車)しました。2面2線の駅で、橋上駅舎を有しています。まず一部の特急が停車する駅でありながら無人駅である事に驚きました。南北(実際は東西)に出入口がありますが、ニュータウンの玄関口でありながら駅前に商店がない事にびっくりしました。東口側にあった近鉄の商業施設は既に閉店していました。駅周辺には住宅街が広がっていて、もう初期の街区は開発から半世紀以上が経過したことから、建て替えが行われた住宅が見られる一方、家屋が解体されたままの空地も少なからず見られ、ニュータウンのゴーストタウン化が心配になってきました…。
  
鉄路のみで  
東京から・・・当日中到達可能、日帰り往復可能。新幹線~名古屋から近鉄名阪乙特急。名張から1駅戻り。 
大阪から・・・当日中到達可能、日帰り往復可能。近鉄大阪線の快速急行・急行にで。特急は名張下車で乗換。
 
食料・飲料 (500m以内)
コンビニ・・・・・・あり (最寄店舗は北口の約500m西「セブン-イレブン」)     
飲食チェーン店・・・なし (最寄店舗は南口の約800m東「マクドナルド」と「天下一品」) 
 
東京からの到達難易度もさほど高くありません。近鉄大阪線を乗り鉄の際は、ぜひ一度は桔梗が丘駅でも途中下車してみて下さい!
 
(参考:近畿日本鉄道のHP、Google地図、Wikipedia)