石屋川駅【兵庫県】(阪神本線。2019年訪問) | 『乗り鉄』中心ブログ(踏破編)

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今回の【駅】コーナーは、
兵庫県神戸市東灘区南西部、石屋川沿いに広がる住宅街に位置する阪神本線の駅で、その石屋川を跨ぐ形でホームが設置されている駅、そして駅の西側には阪神・淡路大震災で被災した高架構造の石屋川車庫がある東灘区最西端の駅、
石屋川駅 (いしやがわえき。Ishiyagawa Station) です。
  
 
駅名  
石屋川駅 (HS 26)  
 
所在地  
兵庫県神戸市東灘区   
 
乗車可能路線  
阪神電気鉄道:本線  
  
隣の駅  
大阪梅田方……御影駅    
元町方…………新在家駅  
 
訪問・撮影時  
2019年4月  
 
 

石屋川駅は天井川である石屋川を跨ぐため盛土高架駅になっていて、現在は東岸を通る道路の東側高架下に駅舎が設置されています。
出入口は側道沿いの南側とガード下に面した西側にあり、南側の出入口のみ段差がないバリアフリー仕様です。
 
写真は南側出入口です。北東を望む。ガード下には西側出入口があります。
石屋川に駅前広場は整備されていません。近くを走るバス路線もありません。
駅前の東岸道路沿いには無料の駐輪場がありますが、都市部の駅で無料なのは珍しいです。神戸が坂の多い町なのも要因ですが、逆に言えば石屋川駅の利用客が少ない事の裏返しでもあります…。
 
 

石屋川駅は元々東岸道路の西側、道路と石屋川の間に駅舎がありましたが、1995年1月17日に発生した阪神淡路大震災により駅舎が倒壊するなど被災し、復旧に際して駅舎が道路の反対側(東側。写真左)高架下に移転しました。
震災前から旧駅舎に隣接して売店が営業していましたが、駅舎移転後も売店は移転せず震災前と同じ位置、すなわち旧駅舎跡地の前で営業を続けています。この売店はいわゆる個人商店ですが、阪神公認の構内売店扱いです。復旧時に新駅舎内(改札内か?)への移転を提案されたようですが、当時の店主が電車を利用しない地元の常連客も大切にしたいとの思いから移転しませんでした。
今は駅舎から離れた駐輪場の一角にポツンとある形になってしまいましたが、震災前は売店と阪神本線の間のフェンスに囲まれた場所に駅舎・改札口があり、そこから築堤下を通ってホームまで通路・階段が延びていました。
駅舎は撤去されましたが、売店部分や駅舎跡部分に土台が往時の面影をとどめています。
写真は北を望む。
 
 

駅前(南側)です。南を望む。
左後方に駅舎が、右手に売店があります。そして右側を石屋川が北から南へ流れています。
駅周辺は閑静な住宅街が広がっていますが、駅前にもかかわらず商店がほとんど見られません。
南(海側)へ300mほど進むと国道43号線および阪神高速3号神戸線に到達し、それ以南の地区は国内屈指の酒処である灘五郷のうち、御影郷の西側地区になります。
現在も西部地区では「神戸酒心館」「泉酒造」「高嶋酒類食品(清酒ではなく甲南漬などを製造)」といった酒蔵が操業中ですが、このエリアは臨港部という事もあり物流倉庫が多いです。
また、駅の約450m南西には「処女塚古墳」があります。読みは「しょじょづかこふん」ではなく「おとめづかこふん」です。男性の皆さん、この付近をデートされる際は読み間違えないで下さいw
この「処女塚古墳」は古代の悲恋伝説の舞台にもなったそうです(Wikipediaの「菟原処女の伝説」のページを参照)。
 
 

こちらは駅北側より南を望む。
右側を前後方向に石屋川が流れており、それに並行する形で東岸道路も延びていて、阪神本線をくぐっています。
ガード部分の側壁に駅名看板がありますが、北側から直接駅舎に入れる出入口はなく、ガード下左側にある西側出入口を利用することになります(車いすはガードを通り抜けて南側出入口を利用)。あるいは駅舎東側にもあるガードをくぐって南側出入口を利用することも可能です。
北側にも駅前広場がありません。
 
 

こちらはガード下にある西側出入口です。東を望む。
道路と駅舎床面の間に高低差があるため階段が設置されています。車いすやベビーカーは右側へ迂回して段差がない南側出入口をご利用下さい。
 
 

駅前(北側)です。北を望む。後方に阪神本線をくぐるガードがあります。
左側を石屋川が北から南へ流れています。川沿いの一部は石屋川公園として整備されています。
駅北側も阪神沿線にしては(?)落ち着いた感じの閑静な住宅街が広がっています。
商店は少ないです。右側には武庫山理性院(寺院)があります。
写真奥には六甲山を望めます。
北(山側)へ240mほど歩くと国道2号線に到達します。国道2号上には以前、阪神電鉄の軌道線である阪神国道線が通っていて、石屋川東側には東石屋電停がありました。
また、国道2号を越えて350mほど国道2号を東へ進むと兵庫県立御影高等学校があります。
 
 

高架下にある石屋川駅唯一の改札口です。南側出入口より東方向を望む。左後方には西側出入口があります。
石屋川駅は有人駅ですが、駅員不在の時間帯があります。そのため、改札内外に乗車券確認用カメラ付きインターホンが設置されています。
交通系ICカード『PiTaPa』などに対応の自動改札機が3通路あり、右端が幅広通路です。窓口に面した左端には点字ブロック設置の有人通路がありますが、この通路のみ方向が違います。
改札口の左手前には自動券売機があります。改札内には自動精算機があります。いずれもICカードのチャージが可能です。
また、改札機右側にあるインフォメーションモニターの上画面は発車標を兼ねています。
トイレと多機能トイレは改札内にあり、AED(自動体外式除細動器)搭載の飲料自動販売機も改札内にあります。
そして、上層にあるホームとの間は階段およびエレベーターで結ばれています。エスカレーターはありません。
尚、駅舎内やホーム上に売店・コンビニはありませんが、駅南西側の旧駅舎跡前に前述の売店があります。
ちなみに駅前にはコンビニが存在せず、最寄りの店舗は約220m南東の「セブン-イレブン」になります。
 
 

下り2番線に設置されている吊下式駅名標です。電照式です。
阪神の新デザインで、独特の書体です。
また、駅ナンバリングも併記されています (HS 26)。
この駅名標に広告スペースは設けられていません。
 
 

 

石屋川駅は島式ホーム1面2線の盛土高架構造(2階)ですが、下に駅舎があるホーム東端部通路部分は高架橋構造です。東北東~西南西方向にホームが延びています。
左(北)は1番線で上り大阪梅田方面および大阪難波方面、右(南)は2番線で下り神戸三宮・元町方面および神戸高速線方面です。
普通のみの停車駅ですが、急行用車両(赤胴車)の運用が存在したため、ホーム有効長は19m級の阪神車6両分です。21m級の近鉄車6両編成はホーム長が足りず、停車できません。また、上写真手前の大阪梅田方ホーム端は階段やエレベーターといった通路として使用されており(階段の位置が2番線の線路際まで寄っています)、この部分には電車が停車しません。
ホームドアは未設置で、ホーム幅は全体的にやや狭く、元町方のホーム端(奥)は2番線側が絞られて狭くなっています。ホーム床面は緑色になっています。
上屋は大阪梅田方の4両分および階段・エレベーター部分に設置されています。現在、当駅に停車する列車は全て4両編成なので、上屋内に収まります。
ホームにはベンチ、飲料自動販売機、空調完備の待合室が設置されています。
そして各ホームの大阪梅田方の端(後方)には1階改札口とを結ぶ階段・エレベーターがあります。
写真は2枚とも元町方を望む。
 
 

 

こちらは2枚とも大阪梅田方を望む。左が1番線、右が2番線です。
2番線の右側には本線に並行して後方の石屋川車庫からの留置線1本が延びてきていて、当駅の先で行き止まりになっています。
また、ホームの大阪梅田寄りで石屋川を渡っています(下写真)。
 
 

ホームの石屋川を跨ぐ地点より南(海側)を望む。
阪神電車にはホームが川を跨いでいる駅が多いです。
石屋川駅のほか、武庫川駅、香櫨園駅、大石駅が該当します。
また、石屋川は親水公園にもなっていて、岸辺を歩くことができます。但し、雲行きが怪しくなると鉄砲水が発生する恐れがあるので、すぐに川の外へ避難して下さい。
遠方には運河を渡るハーバーハイウェイ(道路)の橋の上部が見えます。
 
 

こちらはホームの石屋川を跨ぐ地点より北(山側)を望む。
山側は川沿いに石屋川公園(せせらぎ公園)が設置されている箇所が多いのですが、写真右側のエリアには現在、保育園が建っています。
石屋川公園には桜並木があり、春には多くの花見客が訪れます。
 
 

 

2枚とも大阪梅田方を望む。左が1番線(上り線)、右が2番線(下り線)です。
ホーム端の電車が停車しない部分には階段(後方)とエレベーター(上写真前方)が設置されています。
 
この先、高架橋区間で住宅街の中を東北東へ走りますが、この高架橋は4線分(複々線分)の幅を有しています。これは戦前に阪神が高速別線である第二阪神線を計画していて、その一環で御影~石屋川を高架化する際に複々線分のサイズで建設していたためです。第二阪神線は実現しませんでしたが、この設備を利用して右側には石屋川車庫の留置線が1本あり、その留置線が途切れて阪神本線の複線が高架橋右側へシフトすると左側には御影駅構内扱いの留置線2線が現われます。左にその留置線と六甲山などを見て引き続き高架区間を走り、左前方にタワーマンションを見て市街地に入ると急な右カーブ地点にホームがある御影駅へと至ります。2面4線で緩急接続が行われますが、カーブがきつくて近鉄車ですと停車時にホームと電車の間隔が広すぎる箇所が発生するため、危険防止の意味で近鉄車も運用される快速急行は御影駅を通過します(特急や直通特急は停車しますので、逆転現象が発生しています)。
 
 

2番線より元町方を望む。
こちらは第二阪神線が別線線増の予定だったため、高架橋は留置線との3線分しかありません。ちなみに石屋川~西灘では昔、阪神本線は海側へ迂回していたのですが、その海側区間に国道43号が建設されることになり、阪神本線は第二阪神線の用地を利用して直線的な現在線へと移設されました。石屋川駅ホーム端辺りから左前方へ分岐する道路およびその右側に建ち並ぶ住宅が旧線跡です。
 
この先、左側の留置線と並走して高架区間で住宅街の中を西南西へ走りますが、やがて高羽線(県道95号線)を乗り越すと留置線が左へ離れ、阪神本線沿いに設置されている高架式の石屋川車庫へと取り込まれます。この石屋川車庫は阪神淡路大震災で高架橋が崩れるなど甚大な被害が出て、留置されていた一部の車両が廃車になってしまいました。翌1996年に同じ高架式で石屋川車庫が再建されました。その後は左手に石屋川車庫を、右手に六甲山を眺めて引き続き住宅街の中を西南西へ走り、車庫が途切れて灘区に入ると程なくして新在家駅へと至ります。
 
 
あとがき  
私が石屋川駅で下車(乗車)したのは2019年4月の1度きりです。兵庫県の全駅を訪問する目的の一環で下車しました(2019年7月全駅制覇)。石屋川を跨ぐ形で設置された盛土高架駅で、島式ホーム1面2線です。駅舎・改札口は石屋川の東側にあります。駅前は住宅街ですが、南側(海側)は灘五郷の御影郷に位置し、複数の酒造会社が操業しています。
 
東京からですと東海道新幹線で新大阪駅まで行き、JR京都線の下り電車(新快速以下の種別)に乗り換えて大阪駅で下車します。そして阪神本線の大阪梅田駅から特急or直通特急に乗車して御影駅まで行き、待避しているの普通車に乗り換えて当駅下車です。あるいは新幹線で新神戸駅まで行き、神戸市営地下鉄西神・山手線に乗り換えて三宮駅へ。さらに阪神本線の上り普通車に乗り換えても到達可能です。じゅうぶん日帰り訪問可能です。
一方、難波からですと阪神なんば線電車(種別不問)に乗って尼崎駅まで行き、神戸方面の特急・直通特急優等列車に乗り換えて以降は上記のルートで到達できます。快速急行・神戸三宮行きにご乗車の場合は、西宮駅または魚崎駅で後続の普通車に乗り継いで当駅下車です(快速急行は御影駅を通過しますのでご注意下さい)。余裕で日帰り訪問可能です。
 
食料・飲料について、駅前に売店はあるものの、コンビニ、気軽に入れる飲食店はありません。最寄りのコンビニは約220m南東の「セブン-イレブン」、最寄りの飲食チェーン店は約550m東の阪神電車・御影駅北口界隈で、多数の店舗がありますが、1駅隣です。まぁ事前に用意しておいた方が無難でしょう。
 
東京からの到達難易度もさほど高くありません。阪神本線を乗り鉄される際は、ぜひ一度は石屋川駅でも途中下車してみて下さい!
 
(参考:阪神電気鉄道のHP、神戸新聞のHP、Google地図、Wikipedia)