厚狭駅【山口県】(山陽本線、美祢線。2013年訪問) | 『乗り鉄』中心ブログ(踏破編)

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今回の【駅】コーナーは、
山口県南西部、山陽小野田市北寄りに広がる盆地の住宅地に位置する山陽本線の主要駅かつ美祢線の起点駅で、1999年には並行する山陽新幹線に駅が開業したため、新幹線と在来線の乗換駅になっている難読駅、
厚狭駅 (あさえき。Asa Station) です。
 
尚、当記事では在来線駅についてのみ紹介いたします。
新幹線駅につきましては利用はしたものの写真がなく、現在はUP予定がありません。ご了承下さい。
 
  
駅名  
厚狭駅 (駅番号なし)  
 
所在地  
山口県山陽小野田市 (旧・厚狭郡山陽町)    
 
乗車可能路線  
JR西日本:山陽本線美祢線    
 
隣の駅  
山陽本線  
岩国方・神戸方……小野田駅  
下関方・門司方……埴生駅  
  
美祢線  
長門市方……………湯ノ峠駅     
 
乗換可能駅  
JR西日本:山陽新幹線……厚狭駅まで徒歩5分  
  
訪問・撮影時  
2013年10月  
 
 

 

厚狭駅は北を通る在来線が地平駅で、南を通る新幹線が高架駅です。
北口に相当するのが在来線口で、南口に相当するのが新幹線口になります。
南北から駅へアクセス可能ですが、南北自由通路が存在しないため南北の通り抜けは約800m東のガードまたは約200m西のガードへ迂回しなければなりません。駅構内を通り抜ければショートカット可能ですが、入場券が必要になります。
また、1階と在来線改札内跨線橋や新幹線口改札(2階)との間にはエレベーターがなく、バリアフリー非対応です。新幹線駅でバリアフリー化されていないのは厚狭駅くらいでしょうか? 車いすで厚狭駅をご利用の場合は事前にJR西日本へお問い合わせ下さい。
 
写真は正面口に相当する在来線口です。上写真は南を、下写真は南西を望む。
国鉄時代に改築されたと思われる、鉄筋コンクリート造2階建ての古びた駅舎です。
2階は駅事務所で、1階に改札口があります。2013年時点では出入口右側にうどん屋がありましたが、今も営業を続けていますでしょうか?
在来線口にはロータリーを有する駅前広場があり、バス停留所とタクシー乗り場が併設されています。広場西側(右手)には駅レンタカーの営業所もあります。
 
一方、新幹線口は高架下に階段のみの簡素な出入口があり、駅舎機能は高架下2階にあります。
駅前広場には在来線口より立派なロータリーがあり、バス停留所とタクシー乗り場が設けられています。
 
 

在来線口駅前です。北を望む。
駅前は旧・山陽町の中心市街地が広がっています。駅前旅館・ホテルも見られます。
しかし平成の大合併まで郡部だったため市街地は小規模で、新幹線駅の駅前にしては寂しい印象です。
 
一方、新幹線口の駅前は田園が広がっているのみでしたが、新幹線駅開業後は区画整理事業が実施されました。整然としているものの建物は少なく、空き地は大半が田畑です。開発のスピードは遅いようです。
 
 

 

在来線口の駅舎内・改札口です。上写真は南を、下写真は南東を望む。
こちらの在来線口からも新幹線を利用可能です。
新幹線駅が併設されているため、有人駅になっています。
改札口は自動化されていませんが、ラッチの両端にはICカード専用簡易改札機が設置されています。これは新幹線の『EX-IC』『スマートEX』用であり、2022年現在、山陽本線および美祢線の厚狭駅を含む区間では『ICOCA』が利用できません。
また、改札口は2通路とも車いす対応幅で、窓口に面した右側は点字ブロックが設置されています。
改札口の右手前には『みどりの窓口』があり、その手前には自動券売機と指定席券売機『みどりの券売機』があります。
ちなみに自動精算機はありませんので、精算時は改札の窓口へ申し出て下さい。
そして改札の先は美祢線用1番のりばで、在来線口駅外から1番のりばまでは段差なく移動できます。
但し、1番のりばに出て右側にある跨線橋にはエレベーターがないため、厚狭駅は新幹線を含めてバリアフリー非対応です。
跨線橋を渡ると在来線2・3・6・7番のりば、新幹線乗換改札、新幹線口改札(駅南方面)へ行くことができます。
トイレは改札内外にありますが(改札内は1番のりばに出て左側、改札外は駅舎を出て右側)、いずれも多機能トイレがありません(新幹線口は改札内外とも多機能トイレが併設されています)。
 
一方、新幹線口改札も設備は在来線口とほぼ同等です。
 
また、改札口の左側(改札外)は待合室になっていて、以前は「キヨスク」がありましたが、今は店舗を待合室側に拡張した上で「セブンイレブン キヨスク」として営業しています。キヨスク時代は改札内外から買い物ができたので今も可能なはずですが、改札外の方が取扱商品が圧倒的に多いです。
尚、新幹線口コンコースに売店・コンビニはありません。
 
 

山陽本線7番のりばに設置されている吊下式駅名標です。電照式で、バックライトは蛍光灯です。
JR西日本の標準デザインで、下部はJR西日本のコーポレートカラーである青色が塗られています。
尚、山口地区の駅名標にはラインカラーが反映されていません(ちなみに山陽本線のラインカラーは青色ですw)。
 
 

こちらは画質が悪くて申し訳ありませんが、2番のりばに設置されている美祢線の建植式駅名標です。非電照式です。
美祢線列車は山陽本線と直通しないため、隣駅は美祢線の湯ノ峠駅しか書かれていません。
 
 

 

在来線の厚狭駅は現在、単式ホーム3面、島式ホーム1面、計4面5線の地平構造で、東南東~西北西方向にホームが延びています。
 
駅舎に面した右端(北)の単式ホームが1番のりばで美祢線下り長門市方面ですが、早朝に運転される山陽本線下り門司方面の当駅始発下関行きも使用します。1番のりばの神戸方・長門市方(上写真右手前)には以前、切り欠き構造の美祢線専用0番のりばがありましたが、線路が撤去されました。
その左の島式ホームは右から2番のりば(美祢線下りの一部列車、山陽本線下りの当駅始発一部列車、山陽本線上り神戸方面の当駅始発一部列車および待避列車が使用)、3番のりば(山陽本線下りの一部列車が使用)の順です。
もう一つ左の単式ホームとの間には中線の4番線があり、単式ホームの左側が6番のりば(山陽本線上り岩国・神戸方面)ですが、このホームは元々島式ホームであり、右側の旧5番のりば(山陽本線上り待避線)は使用停止中です。
そして一番左端(南)の単式ホームも元々島式ホームで、右が7番のりば(山陽本線下り下関・門司方面)です。左の旧8番のりば(山陽本線下り待避線)は現在使用停止中です。
 
ホーム有効長は1番のりばが6両分、2番のりばが8両分、3番のりばが5両分、6・7番のりばが14両分です。
ホーム幅は2・3番のりばを除き広いです。
上屋は1番のりばが2両分、2・3番のりばが1両分、5番のりばが20m車7両分、6番のりばが20m車6両分です。2・3番のりばに発着する列車を中心に雨ざらしになる箇所が発生するため、雨天時の乗降は要注意です。
各ホームにはベンチがあり、7番のりばには飲料自動販売機もあります。
そして各ホーム中ほどには跨線橋があり、右側の1番のりば・在来線口と左側の新幹線口改札・出入口とを結んでいます。
 
上写真は美祢線列車より、下写真は7番のりばより、いずれも山陽本線・門司方、美祢線・終端方を望む。
 
 

1番のりばより山陽本線・神戸方、美祢線・長門市方を望む。
左側は前述の切欠式旧0番ホームです。
この先、すぐに山陽本線が右へ、美祢線が左へ、それぞれカーブして分かれます。昔は両線の間(正面)に車両基地がありました。宇部方面と美祢線を結ぶ石灰石輸送列車が多数運転されていたからと思われますが、宇部興産専用道路が完成してからは貨物輸送量が激減し、ついには車両基地が廃止されました。
山陽本線は厚狭駅~宇部駅の間で前述の貨物列車専用の単線が完全並行した三線区間でしたが、やはり貨物輸送の衰退により廃止されました。今でも廃線跡を確認できます。
 
山陽本線はこの先、右へカーブして山陽新幹線をくぐると厚狭川を渡り、丘陵地の山林の中をひたすら南下します。そして平野部の田園地帯に出ると左へカーブして住宅地に入り、小野田駅へと至ります。小野田線との乗換駅です。
 
一方、美祢線はこの先、左へカーブして右手を流れる厚狭川に寄り添って農村風景の中を北上し、次第に両側から山並みが迫ってくると湯ノ峠駅(ゆのとうえき)へと至ります。
 
 

6番のりばより山陽本線・門司方および美祢線・終端方を望む。
美祢線列車が発着する1番のりば・2番のりばは山陽本線列車も発着するため車止めがなく、山陽本線下関方面へ直通可能な配線です。
また、前方の構内は左右に側線があります。山陽新幹線との間にある左側は保線用側線ですが、右側の側線群は使用が停止されており、本線とつながっていません。
山陽本線はこの先、山陽新幹線と並行して住宅地の中を西北西へ進みますが、やがて丘陵地に入ると左へカーブして、直進する山陽新幹線をくぐって分かれます。その後は主に山間部を西へ南へ走り、山陽自動車道宇部下関線をアンダーパスすると西へ進路を変えて盆地に入り、埴生駅(はぶえき)へと至ります。オートレース場である山陽オートへの最寄駅です。
 
 
あとがき  
私が厚狭駅で下車(乗車)したのは2000年、2004年、2013年の計3度です。そのうち改札を出たのは2013年の1回のみです。いずれも山陽本線または山陽新幹線と、美祢線を乗り換えるために利用しています。在来線駅は4面7線から4面5線に縮小されていますが、それでも規模は大きく、新山口駅に匹敵するほどの広さです。東側で支線が分岐しており、本線と支線の間に車両基地があるのも新山口駅と類似していましたが、車両基地は廃止され、跡地は太陽光発電施設として使用されています。また駅舎は立派ですが、駅前は新幹線駅にしては寂しい印象でした。
 
東京からですと東海道・山陽新幹線に乗り、厚狭駅で下車すぐです。『こだま』しか停車しませんので、新山口駅までで『こだま』にお乗り換え下さい。若干タイトな日程になりますが、日帰り訪問可能です。
一方、大阪からですと新大阪駅から山陽新幹線に乗り、厚狭駅で下車すぐです。『こだま』しか停車しませんので、新山口駅までで『こだま』にお乗り換え下さい。余裕で日帰り訪問可能です。
(飛行機の利用は考慮していません) 
 
食料・飲料について、在来線口改札外に規模の大きいキヨスクがありますが、最寄りのコンビニは在来線口の北約250mにある「ローソン」になります。また、駅周辺には気軽に入れる飲食店はありません。心配な場合は事前に用意しておきましょう。
  
東京からの到達難易度がやや高いですが、山陽本線および美祢線を乗り鉄の際は、ぜひ一度は厚狭駅でも途中下車してみて下さい!
 
(参考:JR西日本のHP、Google地図、Wikipedia)