有年駅【兵庫県】(山陽本線。2018年訪問) | 『乗り鉄』中心ブログ(踏破編)

『乗り鉄』中心ブログ(踏破編)

当ブログでは、私の鉄道乗りつぶしの過程や、最近の乗り鉄のレポート等を中心に紹介いたします。


今回の【駅】コーナーは、
兵庫県赤穂市北東部の盆地に位置する山陽本線の駅で、山陽本線における赤穂市内唯一の駅、そして赤穂線開業前の1921年~1951年の間は赤穂市街とを結ぶ赤穂鉄道が分岐していた難読駅、
有年駅 (うねえき。Une Station) です。
 
尚、訪問時は駅前の整備工事中で、現在は状況が変化していると思われます。ご了承下さい。
 
 
駅名  
有年駅 (駅番号なし)
 
所在地  
兵庫県赤穂市
 
乗車可能路線  
JR西日本:山陽本線  
 
隣の駅  
神戸方……相生駅  
門司方……上郡駅  
 
訪問・撮影時  
2018年3月、9月  
 
 

 

有年駅は地平駅で、橋上駅舎を有しています。2017年に橋上化されたばかりです。
南北に出入口があり、駅舎は南北自由通路を兼ねています。南北とも出入口に階段とエレベーターの設備がありますが、エスカレーターはありません。
尚、南北出入口ともエレベーターは改札内の各ホーム用エレベーターと共用です(出入口から直接ホームへは行けず、一旦改札階へ上がる形になります)。
  
写真は南口です。上写真は北西を、下写真は北を望む。
以前は南側のみに明治期(1890年)からの木造駅舎がありましたが、橋上駅舎化により、あえなく解体されました。
東西に階段があり、中央にエレベーターがあります。
出入口前には白線による簡素なロータリーを有する駅前広場があります。タクシーは常駐しておらず、またバス停留所は約150m南西の国道2号線沿いと旧山陽道沿いにそれぞれ設けられています。
また、撮影当時(2018年9月)は駅前の整備工事中で、左側階段付近には仮設トイレがありましたが、今は本設のトイレが整備されているのでしょうか?
 
 

南口駅前です。南を望む。
奥に延びる駅前道路はすぐ先で東西方向に延びる国道2号線と交差しており、さらに先で旧山陽道(西国街道)とも交差しています。
駅周辺は旧山陽道沿いに発達した古くからの住宅地が広がっていますが、商店は少ないです。
前方には山並みが広がっていて、その向こう側に赤穂市の中心市街地がありますが、中心市街地との距離は10kmほどあり、徒歩で行ける距離ではありません。また、赤穂市循環バス「ゆらのすけ」で赤穂市街へアクセス可能ですが、本数が少なく時間もかかります。赤穂市街へのアクセスは赤穂線を利用するのが賢明です。
 
 

北口です。南西を望む。2018年3月撮影。当時は駅前広場の整備工事中で、ロータリーは未舗装でした。
橋上駅舎化により新たに設置されました。出入口には階段とEVがあります。右側の小屋はトイレかもしれませんが、不明です。
こちらは立派なロータリーを有する駅前広場が整備されていますが、タクシーは常駐しておらず、バス停留所もありません。
 
 

北口駅前です。北東を望む。2018年9月撮影。私の訪問時は街開きが行われていました。
昔は田園風景が広がっていて住宅が少なかったのですが、近年になって区画整理事業が行われ、徐々に宅地開発が進行していますが、そのペースは鈍いです。商店は少ないです。
約350m北を矢野川が東から西へ流れており、その北側(写真奥)には山並みが広がっています。
 
 

 

橋上階にある改札口です。上写真は南を、下写真は東を望む。
上写真奥・下写真右が南口で、上写真手前・下写真左が北口です。
木造駅舎時代は有人駅でしたが、橋上駅舎化と同時に無人化されました。窓口があるものの、閉鎖されています。改札内外にインターホンが設置されています。
交通系ICカード『ICOCA』などに対応の簡易型自動改札機が窓口横に1台ありますが、磁気券は入場時のみの対応です(出場時は改札機裏側にあるきっぷ回収箱に乗車券を投入)。通路は車いす対応幅で、点字ブロックが敷かれています。
改札口の右手前には自動券売機があります。ちなみに改札内には自動精算機がありませんので、出場時にICカードのチャージが必要な場合は一旦改札外に出て自動券売機でチャージの上で自動改札機の出場側にICカードを必ずタッチして下さい。また、『みどりの券売機』はありません。
改札を通って左側は待合スペースで、ベンチと飲料自動販売機がありますが、駅舎内にトイレ・多機能トイレはありませんので注意が必要です(2018年9月時点において南口地平部に仮設トイレがありましたが、現在は不明)。
そして1階にある各ホームとの間には階段・エレベーターが設置されています。EVは改札内外共用ですが、EVでホームへ行かれる場合は、必ず改札内の設備をご利用下さい(改札外の設備はホームにとまりません)。
尚、駅構内に売店・コンビニはありません。駅近くにもありませんのでご注意下さい。
 
 

下り1番のりばに設置されている建植式駅名標です。電照式ではありませんが、反射板が使用されています。
JR西日本の標準デザインで、下部は山陽本線(姫路~上郡)のラインカラーかつJR西日本のコーポレートカラーである青色に塗られています。
尚、山陽本線の姫路駅より西は愛称:JR神戸線区間に指定されておらず、正式路線名の山陽本線として案内されています。但し、上郡以東の区間と赤穂線の相生~播州赤穂間は路線記号「A」が付与されています。
また、有年駅に駅ナンバリングは付与されていません。
 
 

 

有年駅は相対式ホーム2面2線の地平構造で、概ね東西方向にホームが延びています。カーブ地点にホームがあります。橋上化により配線変更とホーム新設が行われました。
右(南)が1番のりばで下り上郡・岡山・門司方面、左(北)が2番のりばで上り相生・姫路・神戸方面です。1番のりばから見て2番のりばは若干、門司方(後方)にずれています。
ホーム有効長は12両分ありますが、現状の停車列車は10両編成が最長です。ホームドアはありません。ホーム幅は全体的に狭く、駅舎から遠い神戸方(奥)および2番のりばの門司方の端(左手前)は特に狭いです。通過列車(特急『スーパーはくと』や貨物列車など)に注意が必要です。
上屋は1番のりばが門司方の1両分、2番のりばが門司方の2両分にしか設置されていません。雨天時の乗降は要注意で、門司方(岡山寄り)の車両(奥側)にご乗車下さい。
少なくとも2番のりばにはベンチがあります(1番のりばは不明)。各ホームの門司方の端付近には橋上駅舎と改札口があります。
上写真は橋上駅舎より、下写真は1番のりばより、いずれも姫路方・神戸方を望む。
 
 

1番のりばより岡山方・門司方を望む。左が1番のりば、右が2番のりばです。
こちら側のホーム幅は非常に狭くなっています。1番のりば左寄りには安全確認用のモニターが林立しています。
また、1番のりばの左側には旧・下り線と旧・1番のりばがありました。
橋上駅舎化によりホームが新設され、位置が神戸方(手前側)へと移りました。旧ホームは解体されました。
 
 

1番のりばより姫路方・神戸方を望む。2018年3月撮影。
当時は配線変更前の架線柱が残っていましたが、もう撤去されていると思われます。かつては右側にも線路がありました。
この先、右側の国道2号線と並行しつつ山あいの田園風景の中を東へ走り、国道2号をアンダーパスすると相生市に入ります。その後も同じような山あいのローカル風景の中を東へ進み、やがて右へカーブして山陽自動車道をアンダーパスすると市街地に入ります。そして今度は左へカーブして、山陽新幹線の高架橋をくぐって右から来た赤穂線と合流すると相生駅へと至ります。赤穂線、山陽新幹線と乗換可能です。
 
 

 

1番のりばより岡山方・門司方を望む。
ホーム端上空に橋上駅舎があります。1番のりばは正面に階段があり、左前方にEVがあります。
また、1951年以前は赤穂鉄道線が左(南)へ分岐していました。
この先、右へカーブして田園風景の中を西北西へ走ると矢野川を渡り、その後も右へカーブして左側を流れる千種川と右側の山地に挟まれた中を北上するようになると上郡町へと変わります。その後は千種川と山地が離れ、山あいの田園風景の中を北上しますが、やがて左カーブで進路を西寄りに変えると千種川を渡り、上郡の住宅地に入ります。最後は右へカーブして進路を西北西に変えると山陽本線における兵庫県内最西端の駅である上郡駅へと至ります。智頭急行線と乗換可能です。
 
 
あとがき  
私が有年駅で下車(乗車)したのは2018年3月の1度きりです。兵庫県の全駅を訪問する目的の一環で下車しました(2019年6月全駅制覇済)。しかし、駅前広場が工事中だったため、同年9月、周辺をドライブ時に有年駅へ立ち寄りました。しかし南口は駅前の工事が続いていました…。長らく明治期からの木造駅舎が使用されていましたが2017年に橋上駅舎へと生まれ変わりました。駅前ですが、南口側は古くからの町並みが広がっています。一方、北口は造成により新しい町並みが誕生しつつありますが、開発のペースは鈍いようです。
  
東京からですと東海道・山陽新幹線で相生駅まで行き、山陽本線下り普通列車(行先不問)に乗り継いで1駅目で下車です。但し、相生駅に発着する新幹線列車は本数が少ないため、時間が合わない場合は新幹線を姫路駅で下車して山陽本線の下り普通・播州赤穂行きに乗り換えて相生駅まで行き、上郡・岡山方面の普通列車に乗り換えても到達できます。じゅうぶん日帰り訪問可能です。
一方、大阪からですと大阪駅からJR神戸線の新快速に乗って姫路駅まで行き、姫路駅から先は上記のルートで到達できます。余裕で日帰り訪問可能です。
 
食料・飲料について、駅前にコンビニ、気軽に入れる商店・飲食店はありません。最寄りのコンビニは約1.1km西の国道2号線沿いにある「ファミリーマート」で、遠いです。必ず事前に用意して下さい。
 
東京からの到達難易度はやや高いですが、山陽本線を乗り鉄される際は、ぜひ一度は有年駅でも途中下車されてみて下さい!
  
(参考:JR西日本のHP、Google地図、地理院地図、Wikipedia)