岳南江尾駅【静岡県】(岳南電車岳南線。2011年訪問) | 『乗り鉄』中心ブログ(踏破編)

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今回の【駅】コーナーは、
静岡県富士市東部を走るローカル私鉄路線、岳南電車岳南線の終着駅である
岳南江尾駅 (がくなんえのおえき。GAKUNANENOO Station) です。
 
 
駅名
岳南江尾駅 (GD 10)
 
所在地
静岡県富士市  
 
乗車可能路線
岳南電車:岳南線  
 
隣の駅
吉原方……神谷駅 
 
訪問・撮影時
2011年8月
 
 

岳南江尾駅は地平駅で、北側のみに駅舎・出入口があります。
南側には出入口がないため、駅南側からアクセスする場合はこちらの駅舎へ回る必要があります。
駅舎は1953年(昭和28年)の開業当時からのものと思われます。相当年季が入っています。出入口に段差はありません。駅舎出入口には飲料自動販売機があります。
ちなみに駅前広場はありません。自動車で送迎の場合、切り返して戻らなければなりません。
また、駅前にバス停留所はなく、最寄りのバス停は約250m北の県道22号線沿いに設けられています。
駅舎の左側は岳南電車の駐車場になっています(月極、1日貸し)。通勤定期をお持ちの場合は月極駐車料金が半額になります。
そして、駅舎の右側は三弘紙業の私有地で、勝手に入る事はできません。
 
 

駅前の様子です。北東を望む。後方に駅舎があります。
駅周辺は住宅地になっていますが、駅前は倉庫などの事業所が多いです。駅の東側には江尾公園があります。
すぐ先で東海道新幹線の高架橋が横切っていて、その北側が江尾の中心部です。スーパー「マックスバリュ」がありますが、商店は少ないです。
北側には富士山がそびえており、晴れの日は富士山を眺める事ができます。
 
一方、駅南側は住宅が少なく、100mほど進むと広大な田園地帯になります。
そして、これは盲腸線の抜け道として有名ですが、南約2.7kmには東海道本線の東田子の浦駅があり、場合によっては電車の乗り継ぎより徒歩の方が早く着く事ができます。但し、両駅を結ぶ幹線道路は歩道がなく、見通しが良いため自動車の速度が上がりやすくなってしまい、結構危険です。
 
 

駅舎内の様子です。南を望む。後方に出入口があります。
岳南江尾駅は無人駅で、窓口は閉鎖されています。
改札口には簡易的なラッチが残っています。車いす対応幅になっています。
自動券売機は設置されていません。運賃は車内精算方式です(吉原駅を除く)。乗車時に整理券をお取り下さい。
尚、岳南電車では交通系ICカードを利用できません。
駅舎出口の上には発車標のようなものがありますが、使用されていません。
窓口跡の手前にはベンチがあります。また左側には自転車が置かれていますが、赤札が付いているのでここに駐輪してはダメなのでしょう。
 
 

改札ラッチを抜けると構内踏切を渡り、右へ曲がってスロープを上がるとホームに到達します。駅外~改札~ホーム間に段差はありませんが、ホームへのスロープが急で、手すりがないので車いすで乗降される場合は介助が必要です。
また、駅舎の外左側に簡易トイレがあります。
ちなみに駅周辺にコンビニはありません。約250m北、東海道新幹線の向こう側に「マックスバリュ」があります。
 
そして、岳南江尾駅に駅名標は見当たりませんでした(2011年時点)。2016年に設置されたそうです。
岳南江尾駅の駅ナンバリングは「GD 10」です。
 
 

岳南江尾駅は島式ホーム1面2線の地平構造で、西北西~東南東方向にホームが延びています。
番線は設定されていません。両ホームとも上り吉原方面です。私の訪問時は左の北側ホームに車両が留置されていました。
また、北側ホームの左側には側線がありますが、一部レールが剥がされています。過去にはもう1本側線があったようですが、そちらは大半が撤去されています。これらの側線は後に完全に撤去された模様です。
ホーム有効長は2両分で、ホーム幅はそこそこ広いです。中央は花壇になっています。
上屋は一番終端寄りの扉部分にしかありません。ホームと駅舎の間は雨ざらしになるので、雨天時は傘が必要です。
ホーム上にベンチはありません。終端部(奥)にスロープがあり、駅舎に通じています。
写真は南側ホームより終端方を望む。ホームには運転士が使用する発車ベルのボタンがあります。
 
 

南側ホームより吉原方を望む。左が南側ホーム、右が北側ホームです。
この先、各ホームからの線路と右側の側線跡が合流してからすぐに、正面に見える東海道新幹線の高架橋をアンダークロスして、右へカーブしながら住宅地の中を北西へ走ります。そして左へカーブして進路が西に変わると神谷駅へと至ります。
 
 

 

終端方を望む。ホーム端にスロープがあります。
スロープを下ってから左へ曲がり、構内踏切で北側ホームの線路と側線跡(後に撤去)を渡ると駅舎を通り抜けて駅外へと出ます。この構内踏切は遮断機と警報機がないので要注意です。
一方、線路はもう少し先まで延びています。
 
 

構内踏切より終端方を望む。右後方にホームがあります。
中央が北側ホームからの線路、右が南側ホームからの線路、そして左2線が側線です(後に撤去)。右の側線は吉原方で本線に合流していました。
少し先に車止めがあり(側線には未設置)、そこでレールが途切れていますが、岳南線は当初、沼津まで路線を延長する計画があったため、岳南江尾駅は中間駅型の配線になり、以前はもう少し先(民家の部分)までレールが延びていました。昔は全ての線路が合流して単線になった先に車止めがあり、列車が入線していない線路(特に側線)は機回し線として使用されていて、当時運転されていた貨物列車の機関車の付け替えが行われていました。貨物輸送は1984年に廃止となり、沼津への延長の可能性もなくなったため、不要な終端部はレールが撤去されて、跡地の一部は宅地に転用されました。結果、現状では沼津方面への延伸は不可能です(まぁ延伸計画が復活する事はないでしょう)。
 
 
あとがき
私が岳南江尾駅で下車(乗車)したのは2005年、2011年の計2度です。2005年は岳南線の乗りつぶしのため、そして2011年は岳南線の車窓風景撮影のため、終着駅ゆえに必然的に駅の外に出ました。島式ホーム1面2線の無人駅で、昔ながらの駅舎が現役でした。駅前は住宅地で、すぐ近くを東海道新幹線が通っています。また、晴れていれば駅周辺から富士山を望めるとは思いますが、私の訪問時はいずれも霞んでいて見る事ができませんでした…。
 
東京からですと東海道新幹線で三島駅まで行き、東海道本線下り電車に乗り換えて吉原駅まで行きます(沼津行きの場合は沼津駅で乗換)。吉原駅までは在来線の乗り継ぎでも少々時間がかかりますがOKです。そして吉原駅で岳南電車岳南線に乗り換えて、終点下車です。余裕で日帰り訪問可能です(最大滞在時間:13時間少々)。
一方、大阪からですと新大阪駅から静岡駅まで東海道新幹線を利用して、東海道本線上り電車に乗り換えて吉原駅まで行きます(興津行き、富士行き、身延線直通を除く)。以降は上記と同じルートで到達できます。じゅうぶん日帰り訪問可能です(最大滞在時間:12時間弱)。
 
食料・飲料について、駅前にコンビニ、気軽に入れる商店・飲食店はありませんが、約250m北にスーパー「マックスバリュ」があり、弁当も調達できます。心配な場合は事前に用意しておきましょう。
  
特に大阪からの到達難易度がやや高いですが、岳南電車岳南線を乗り鉄の際は、岳南江尾駅ですぐ引き返さずにぜひ一度は駅を観察されてみて下さい!
 
(参考:地理院地図、Google地図、Wikipedia)