釜石駅【岩手県】(釜石線、三陸鉄道リアス線。2014年、2019年訪問) | 『乗り鉄』中心ブログ(踏破編)

『乗り鉄』中心ブログ(踏破編)

当ブログでは、私の鉄道乗りつぶしの過程や、最近の乗り鉄のレポート等を中心に紹介いたします。

 

 


今回の【駅】コーナーは、
岩手県三陸地方南部の工業都市として発達した釜石市の玄関口である
釜石駅 (かまいしえき。Kamaishi Station) です。 
 
尚、釜石駅はJRと三陸鉄道で改札が分かれていますが、分割するとややこしいため一括記事でUPいたします。
また、山田線の宮古~釜石間は2019年の震災復旧と同時に三陸鉄道に移管され、移管区間は南リアス線(盛~釜石)、北リアス線(宮古~久慈)とともにリアス線として統合されました。
 
 
駅名
釜石駅 (三陸鉄道の副駅名:イオンタウン釜石駅)
 
所在地
岩手県釜石市  
 
乗車可能路線
JR東日本:釜石線
三陸鉄道:リアス線 (盛方面【旧:南リアス線】久慈方面【旧:JR山田線】)   
 
隣の駅
釜石線 (駅番号なし) 
花巻方……小佐野駅 
 
三陸鉄道リアス線 (駅番号なし)
盛方………平田駅
久慈方……両石駅 
 
訪問・撮影時
2014年8月、2019年8月
 
 

JR東日本の駅舎です。北西を望む。右隣(写真外)に三陸鉄道の駅舎が並んでいます。
駅舎は鉄筋コンクリート造の2階建てで、国鉄時代に改築されたと思われます。改札口は1階にあり、2階は一部が吹抜になっている他は業務用スペースになっていると思われます(かつては2階にレストランがありました)。
2011年に発生した東日本大震災の津波では流失を免れ、翌2012年には「鉄のまち」を象徴する駅舎にリニューアルされました(Wikipediaより)。
駅舎の左側にはJR東日本系の「ホテルフォルクローロ三陸釜石」があります。
また、ロータリーを有する駅前広場が整備されており、バス停留所とタクシー乗り場が併設されています。
 
 

こちらは三陸鉄道の駅舎です。北を望む。左隣(写真外)にJR東日本の駅舎が並んでいます。
三陸鉄道の駅舎は1984年の南リアス線(現・リアス線)開業時に設置されました。一部2階建てです。
三陸鉄道の釜石駅は2009年よりネーミングライツ(命名権)が導入され、現在は「イオンタウン釜石駅」です。
右側にはトイレがあります(多機能トイレはありません)。
 
 

駅前の様子です。西を望む。右手に駅前広場と各社の釜石駅舎があります。
手前(東)~奥(西)の道路は国道283号線で、国道の北側(右)は市街地になっていて、南側(左)の一帯は日本製鉄釜石製鉄所になっています。
写真右奥、釜石駅の西側、線路沿いには土産物店や観光案内所などが入っている「シープラザ釜石」があり、その左には鮮魚店や飲食店などが入っている「駅前橋上市場 サン・フィッシュ釜石(旧・橋上市場)」があります。
西側の市街地は釜石線と日本製鉄釜石製鉄所の間の細長い地域に形成されていて、小佐野駅を越えて松倉駅の辺りまで広がっています。国道283号沿いを中心に商店も多く見られます。
 
 

駅前の様子です。東を望む。左後方に駅前広場と各社の釜石駅舎があります。
手前(西)~奥(東)の道路は国道283号で、国道南側(右)の一帯は日本製鉄釜石製鉄所になっていて、北側(左)には三陸鉄道リアス線が並行しています。
すぐ先にある大渡橋南交差点を左折し、リアス線をくぐって甲子川を渡ると釜石市の中心市街地に入ります。
市街地には三陸鉄道の副駅名になっている「イオンタウン釜石(約800m東)」、釜石市役所(約1.4km東)、釜石港(約1.6km東)などがあります。
 
 

JR線の改札口です。北を望む。
当駅から釜石線(花巻・盛岡・東京方面)に乗る際はこの改札口を通る事になります。後方に出入口があります。
自動改札機、改札ラッチは存在せず、『Suica』のエリア外であるため簡易Suica改札機もありません。窓口または扉部分で改札を行います(有人改札)。
忘れてしまいましたが、列車別改札を導入している可能性もあり、もしそうならば列車の発車直前しか改札内に入れません。
改札口の左手前には『みどりの窓口』があり、その左手前には自動券売機があります。
そして改札口の右手前には待合室(ベンチあり)とJR東日本系のミニコンビニ「ニューデイズ」、そして立食いそば屋「そば処 釜石」があります。
改札を通ると地下通路で、右へ曲がってから左へ曲がるルートになります。盛土上にある各ホームとの間は階段で結ばれていて、各階段には車いす昇降機「エスカル」が併設されています。
トイレは改札内に存在せず、三陸鉄道駅舎左側にある設備(改札外)を利用する形になります。
 
 

また、地下通路には改札口寄り東側と3・4番線東側に三陸鉄道改札内への連絡口が設置されています。
写真は改札口寄りにある連絡口で、JR構内より三鉄構内方を望む。3・4番線に到着したリアス線列車の乗客が釜石駅を出場する際に利用しますが、私の訪問時は閉鎖されており、リアス線の乗客は3・4番線側の連絡口を通って三鉄の改札より駅外へ出ていました。

左側には液晶モニター式の発車標があります。
 
 

こちらは三鉄の地下通路より3・4番線側の連絡口を撮影。手前が三鉄側、奥がJR側です。
簡易ラッチが設置されていて、中間改札として使用可能です。
連絡口の先、正面には3・4番線へ上がる階段があり、手前を左へ曲がると1・2番線およびJR線の改札口方面です。
 
 

こちらは三陸鉄道の駅舎内の様子です。北を望む。
左奥に改札口・地下通路・ホームへの出入口があり、その手前に窓口が設置されています。
左側にはグッズ販売の棚、ベンチがあり、右側には自動券売機と待合室があります。私が訪問した2014年は待合室に鉄道模型のジオラマが展示されていました。
 
 

三陸鉄道の改札口です。北を望む。右側に三鉄駅舎への出入口があります。
2014年の時点で改札ラッチが残っていましたが三陸鉄道では駅で改札業務を行わず、そのまま通り抜け可能となっています。
現在は左側に3枚上の写真の連絡口が新設されたため、動線に干渉するこの改札ラッチが撤去されているかもしれません。
改札口の先は三鉄用の地下通路で、左側をJR線の地下通路が並行しています。途中で3・4番線方面への連絡口が左へ分岐しています。
そして地下通路を突き当たりまで進み、左折して階段を上ると盛方面専用ホームである5番線に到達します。この階段に車いす昇降機が設置されているかどうかは不明です…。
 
 

JR線の駅名標です。2番線の駅名標で、吊下式、電照式です。バックライトはLEDです。
JR東日本の標準デザインです。
釜石線のラインカラーである青と、リアス線のラインカラーである赤が表示されています。
駅ナンバリングは設定されていません。
尚、3番線の駅名標は花巻方に小佐野駅とリアス線・両石駅が併記されていて、矢印が二股になっています。
 
 

釜石駅は島式ホーム2面と単式ホームが1面の計3面5線の地平構造(盛土高架)で、北西~南東方向にホームが延びています。
左(南)の島式ホームが左から1番線・2番線の順でともに釜石線上り花巻方面、右(北)の島式ホームが左から3番線(釜石線上り花巻方面、リアス線下り久慈方面)、4番線(リアス線下り久慈方面・リアス線上り盛方面)の順です。そして4番線の離れた右側に行き止まり式の5番線単式ホームがあり、リアス線上り盛方面列車のみが使用します。4番線と5番線の間には留置線が2線、『SL銀河』の蒸気機関車(C58 239)用の引上線が1線、SL試運転線が1線あります。5番線の詳細につきましては後述します。
1~4番線のホーム有効長は7両分で、ホーム幅は1・2番線より3・4番線の方が広いです。
上屋は1・2番線が終端方(手前側。東側)の2両分で、3・4番線が終端方の6両分です。
1・2番線と3・4番線にはベンチと飲料自動販売機が設置されています。
各ホームの終端方の端(後方)には改札とを結ぶ地下通路へ通じる階段があります(車いす昇降機併設)。
写真は3番線より釜石線・花巻方、リアス線・久慈方を望む。
 
 

こちらは釜石線を走行中の列車内よりホームを望む。終端方を向いて撮影。
右(南)から1番線~4番線の順で、4番線の左側に留置線が2線、『SL銀河』の蒸気機関車用の引上線が1線、SL試運転線が1線あります。
留置されている車両で見えませんが、車両の向こう側(写真左奥)には三陸鉄道リアス線盛方面専用の5番線があります。
1番線の右側に駅舎があります。
また、左後方には『SL銀河』で使用される蒸気機関車の機関庫があり、さらに後方には転車台があります。
 
 

こちらが転車台です。北を望む。右側が釜石駅です。『SL銀河』の蒸気機関車がここで方向転換を行います。
転車台は岩手県出身の宮沢賢治の童話「銀河鉄道の夜」をイメージしたカラーリングに塗られています。
そして転車台の右側には機関庫があり、そちらも青系のカラーリングになっています。
 
 

こちらは5番線に設置されていた三陸鉄道の旧駅名標です。
岩手県と南リアス線の地図をベースにしたデザインで、左側には釜石湾を巡る遊覧船「はまゆり号」が描かれていました。「はまゆり号」は、2011年の東日本大震災における津波襲来時に漂流し、市街地にある2階建ての民宿の屋根の上に取り残されたため広く報道されました。「はまゆり号」はその後、解体されました。
尚、2019年の時点で駅名標はシンプルなデザインの物に取り替えられていました(駅名標のみの撮影はできていません)。
 
 

三陸鉄道所有の5番線ホームです。
ホーム有効長は3両分で、ホーム幅は全体的に狭く、両端と階段部分は特に狭くなっています。
上屋は中ほど盛寄り(写真奥)の約1両分のみ設置されています。
ホームにはベンチと飲料自動販売機が設置されています。
そしてホーム中ほど盛寄りの上屋下には改札および1~4番線とを結ぶ地下通路へ通じる階段があります。
写真は盛方(東)を望む。
 
 

こちらは4番線より5番線の盛方を望む。
5番線ホームは駅構内の北端部にポツンと設置されており、前述の通り1~4番線と離れた位置にあります。
 
 

4番線よりJR東日本の釜石線・花巻方、三陸鉄道のリアス線・久慈方を望む。
左から1番線~4番線、留置線2線、SL関連側線2線の順です。SL関連側線の先には機関庫と転車台があります。
この先、線路は2線に集約されて左が釜石線、右がリアス線になると左へカーブしながら甲子川を渡り、リアス線が直進、釜石線がさらに左へカーブして両路線が分かれます。
釜石線はその後、左側に広がる住宅街と右側に立ちふさがる山並みとの境界を南西へ走り、左へカーブすると短いトンネルを抜けて右へカーブし、左側を走る国道283号に寄り添い西へ並走するようになります。そして三陸自動車道をアンダーパスしますが、左側には釜石中央インターチェンジがあります。その後は小川川を渡り、左手に住宅街を見て左へカーブすると右手に山が迫り、小佐野駅へと至ります。
 
一方、リアス線は釜石線と分かれた後、山間部に入ると大きく右へカーブして進路を北に変え、釜石トンネルで山越えをします。トンネルを抜けると山間部を右へカーブしながら北~東へ走ります。そして左へカーブして右から国道45号が寄り添うと両石湾沿いを短いトンネルの連続で北へ走り、さらに左へカーブすると両石駅へと至ります。
 
 

3番線より釜石線・終端方、リアス線・盛方を望む。ホーム端には地下通路とを結ぶ階段があります。
 
この先、釜石線は1番線(右)~4番線(左)が1線の引上線に集約され、右へカーブした先に車止めがあります。この引上線は『SL銀河』の機回しに使用しています。尚、以前はこの引上線が貨物線として使用されていて、当時の新日鉄釜石製鉄所に繋がっていました。
 
また、階段の左側で4番線から5番線(リアス線盛方面)への片渡り線がありますが、1~3番線とリアス線の盛方面は繋がっておらず、リアス線の宮古・久慈方面~盛方面を直通する列車は4番線にしか発着できません。
リアス線の盛方面(左奥)はこの先、築堤を上って左へカーブして、4連トラス橋で甲子川を渡ります。その後は左手に「イオンタウン釜石」を、右手に甲子川を見ながら高架区間で南西へ走り、やがて右へカーブすると再び甲子川を渡ります。そして国道283号をオーバーパスすると牧根森山に突っ込み、長いトンネルで牧根森山をくぐります。そしてトンネルを抜けると左遠方に釜石湾を見て南下し、平田駅(へいたえき)へと至ります。
 
 

こちらは5番線よりリアス線・盛方を望む。右から1番線~5番線の順です。
カーブの関係でトラス橋が見えませんが、4番線から5番線(盛方面)への渡り線はハッキリと写っています。
 
 

5番線より旧・南リアス線の終端方を望む。すぐ先に車止めがあります。
離れた左側に4番線~1番線があります。
 
 
あとがき
私が釜石駅で駅の外に出たのは2003年、2014年と2019年の3度です。2003年は三陸鉄道南リアス線と山田線(現・三陸鉄道リアス線)の乗りつぶし時に、2014年は釜石線と三陸鉄道南リアス線の車窓風景撮影のため、そして2019年は三陸鉄道リアス線の車窓風景撮影と釜石線単純乗り鉄のため、それぞれ乗換時に時間があったので駅の外に出ました。主要駅かつ以前は製鉄所関係の貨物輸送があったため駅構内は広いです。一方、駅前は海岸と内陸に広がる2つの市街地の中間に位置しているため、やや閑散としていました。
 
東京からですと東北新幹線『やまびこ』で新花巻駅まで行き、釜石線下り列車(種別不問。全て釜石行き)に乗り換えて終点の釜石駅で下車です。尚、新幹線、釜石線とも本数が少なく、新花巻駅での乗換がスムーズにいかない場合もありますので、事前に時刻をご確認下さい。じゅうぶん日帰り訪問可能です(最大滞在時間7時間程度)。
一方、大阪からですと新大阪駅から東京まで東海道新幹線を利用して、東京駅から先は上記と同じルートで到達できます。結構タイトな日程になりますが、日帰り訪問可能です(最大滞在時間2時間程度)。
(飛行機の利用は考慮していません)
 
食料・飲料について、JR駅構内にミニコンビニ、駅前にもコンビニがあります。飲食店はJR駅構内に立食いそば屋があり、駅西側の「駅前橋上市場 サン・フィッシュ釜石」内に数店舗が入っています。また約800m東の「イオンタウン釜石」内にファストフードなど複数のチェーン店が入居しています。心配な場合は事前に用意しておきましょう。
  
東京、大阪とも到達難易度が高いですが、釜石線、三陸鉄道リアス線を乗り鉄の際は、釜石駅をスルーせずにぜひ一度は駅の外に出られてみて下さい!
 
(参考:JR東日本のHP、地理院地図、Google地図、Wikipedia)