第1406回('20) 近鉄大阪線を乗り鉄、山間部の駅を降り鉄(2) | 『乗り鉄』中心ブログ(踏破編)

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当ブログでは、私の鉄道乗りつぶしの過程や、最近の乗り鉄のレポート等を中心に紹介いたします。


 
前回の続き…
 
2020年12月29日~31日、例年であれば年末休みは関東遠征をするのですが、新型コロナウイルス感染の第三波襲来により関東地方では新規感染者(陽性者)が爆発的に増加しており、これは無理やな~と諦めて、近場を乗り鉄する事にしました。どこを乗り鉄しようかと探していたら、秋に近鉄が休日平日関係なく連続3日間乗り放題の『近鉄全線3日間フリーきっぷ (3,000円)』を発売したニュースを思い出し、今回は近鉄の小駅を中心に、しかも「スルッとKANSAI」のエリア外になる三重県内の駅を中心に、降り鉄の旅をする事にしました。年末はコロナの影響で「Go To トラベル」が停止されていましたが、私は「GoTo」があろうがなかろうが乗り鉄をするのでそれは関係ありませんでしたw また、『近鉄全線3日間フリーきっぷ』は前売制で、住まいも職場も兵庫県にある私はきっぷを買うのも一苦労ですが、それは3日前の12月26日に京都・滋賀方面の乗り鉄をする事でロスなく京都駅でフリーきっぷを購入できました。
また、近畿や東海にも新型コロナウイルス感染拡大の第3波は襲来しており、今回もいつもと同様にマスクの着用、アルコール消毒液の携帯といった新型コロナウイルス対策を講じました。
 
今回は初日後半の内容です。
三重県名張市桔梗が丘で昼食を済ませた後は、引き続き近鉄大阪線を東へ乗り鉄しながら1駅ずつ降り鉄していきました。そして伊勢中川駅で日没を迎えたため降り鉄を切り上げて、この日は松阪で宿泊しました。
 
今回の日程 2020年12月29日  (火)    【後半】
 
桔梗が丘1209(近鉄大阪線・急行)1214伊賀神戸1236(普通)1238青山町1303(急行)1306伊賀上津1342(普通)1345西青山1409(急行)1416東青山1430(普通)1433榊原温泉口1459(普通)1501大三1536(普通)1539伊勢石橋1618(普通)1621川合高岡1655(普通)1700伊勢中川1703(山田線・急行)1709松阪
 
【宿泊】
 
「天下一品」で昼食後は桔梗が丘駅へ戻り、近鉄大阪線の降り鉄を再開します。まず乗車したのは12時09分発の下り急行・青山町行きでした。車両はロングシートとクロスシートの両方に転換可能な座席を有する「L/Cカー」の「シリーズ21」版である5820系6連で、私が乗り込んだ最後部車両は誰も乗っておらず貸切状態でした(他の車両には乗客がいました)。平日ダイヤだったので座席はロングシートに固定されていました。休日ダイヤですとクロスシートになっているはずですが…。ちなみに関東ではこのデュアルシートをクロスシートにした状態で有料ライナーに使用する例が多いですが、近鉄では以前よりクロス時も運賃だけで乗車可能です。なので、関西人としては関東で料金を取る列車が多数誕生する動きに違和感があります。私は着席して車窓風景を眺めましたが、ロングシート時は背もたれが高くてうまく車窓風景を眺められませんでした。また、ロングシート時は客がむやみにクロスシートに転換しないように足元のレバーは格納されています。ちなみに近鉄「L/Cカー」には各座席のコンセントの設備はありません。
 
 

 
1駅目の美旗駅は昼前に下車したのでパスしました。その後は山あいの長閑な風景の中を走り、伊賀市に入って1駅目の伊賀神戸駅で下車しました。当駅は伊賀市の南の外れにありますが、事実上の伊賀市の玄関口として機能していて、一部の特急が停車します。伊賀市街へは当駅で接続する伊賀鉄道伊賀線(旧・近鉄伊賀線)でアクセス可能で、乗換客も少数ながらいました。また、駅前はローカル風景そのものでしたが、駅前にはパークアンドライド用の月極駐車場が見られました。伊賀市から大阪へは関西本線を使うより近鉄を使った方が早くて本数が多いです。
 
 

 
伊賀神戸駅からは12時36分発の普通・伊勢中川行きに乗車。1437系2連で、後部車両は大半の席が埋まっていましたが空席に座り、水分補給をしながら車窓風景を眺めました。客層を見ると伊勢中川まで乗り通しそうな長距離客が多かったです。近鉄としては特急を使ってもらいたいところでしょうが、特急料金を節約するために急行や普通で青山峠を越える乗客は昔から多いです。水分補給を終えるとすぐに電車は青山町駅に到着し、私は下車しました。伊賀神戸駅と青山町駅の間は結構近いです。青山町駅の構内は広く、ホームは10両対応で、実際に10両編成の電車も発着します。西側や北側には留置線がありました。この駅は大阪線近郊区間の東限で、一般列車の多くが当駅折り返しになります。「スルッとKANSAI」カードや「Jスルーカード」の東限でもありました。駅前は広場こそ整備されているものの、駅前通りが延びる南方向を除き田園風景が広がっていました。
 
 

 

 
青山町駅からは青山峠越えに臨みます。次は13時03分発の急行・五十鈴川行きに乗りました。5820系6連で、やはりロングシート固定でした。最後部車両は半分ほどの席が埋まっていました。私は空席に座ってしばし車窓風景を眺めました。そして1駅目の伊賀上津駅で私は下車しました。盆地の中にある小駅で、無人駅でした。駅前には民家が数軒あるのみで、田園風景が広がっていました。それにしても、近鉄はホーム側壁がブロック塀になっている駅が多いですね。ブロック塀は2018年の大阪などで発生した地震の時に崩壊して犠牲者が出て以降、撤去の動きが各地で見られます。
 
 

 
伊賀上津駅では後続の13時42分発、普通・伊勢中川行きに乗車しました。1253系2連で、後部車両で着席しました。大半の席が埋まっていて、やはり長距離客が多い印象でした。私は車窓風景を眺めました。発車後、すぐに山奥へと入り、視界は森林に遮られました。すると車掌が伊賀上津駅から乗車した私の乗車券を拝見にやって来ました。私が『近鉄全線3日間フリーきっぷ』を提示すると下車駅を尋ねられ、西青山と伝えると、車掌が「先ほど(13:25頃)、恩智駅付近で人身事故が発生して、後続の電車が来ないかもしれないので注意して下さい」と情報を教えてくれました。一瞬不安になりましたが、恩智駅は大阪府にあり、青山峠までまだ距離があるのですぐに影響は出ないと判断して私は西青山駅で下車する事にしました。もし電車が来なければ最悪の事態になりかねませんが…。そして私は山奥かつ新青山トンネルの手前にある西青山駅で予定通り下車しました。車掌と軽くあいさつした後、電車は新青山トンネルへと吸い込まれていきました。
 
 

 
西青山駅は近鉄の秘境駅として有名ですが、下車したのは私だけでした(他に係員が下車)。駅は新青山トンネル完成と同時に高架駅になりましたが、高架下の駅舎はコンクリートむき出しで、しかも無人駅という事もあり半ば廃墟に近い雰囲気でした。また、駅前には民家すらなく、国道165号が通っているだけでした。そして、駅南側には旧線跡があり、今はハイキングコースに転用されていますが、真冬という事もあり誰も歩いていませんでした。
 
 

 
西青山駅からはさらに東を目指しますが、正直、人身事故の影響が心配で(高安~河内国分が運休)、電車が来るかどうか気になっていました…。しかし、乗車する14時09分発の急行・五十鈴川行きは定刻にやって来て、ひとまずホッとしました。この急行は人身事故発生時に既に恩智駅を通過していたため、まだ遠く離れた西青山駅まで影響が及んでいませんでした。また、この日の宿泊地は松阪なので、青山峠(布引山地)を越えればもしダイヤ乱れや運休が発生しても何とかなると思いました。車両は「L/Cカー」の量産車である5800系6連で、やはりロングシート固定でした。乗り込んだ最後部車両は空いていて、私は着席して水分補給をしました。その後はトンネル区間だったので車窓風景は眺められず、スマホゲームをしていましたが電波が飛んでいたか圏外かは忘れました…。そしてトンネルを出ると急行は東青山駅に到着し、私はここで下車しました。山中にある駅ですが周りは開けていました。島式ホーム2面4線の高架駅ですが、まぁ利用者は少なそうなので無人駅でした。また駅の北側には近鉄が運営する自然公園「東青山四季のさと(入場無料。マイカーで訪問の場合は駐車場が有料)」があり、園内には1組の客がいて、私と同じ電車で来た客がそのグループに合流していました。あと、駅近くに単線時代の旧線跡が通っているのですが、時間の関係で回れませんでした…。
 
 

 

 
その後はホームへ戻り、ダイヤ乱れが波及していない事を祈りました。すると、伊勢中川方から当駅止まりの普通電車が大阪方面ホームに入線し、一旦引上線に入ってから折り返して伊勢中川方面ホームに入線しました。この電車が14時30分発の普通・伊勢中川行きになります。1422系2連でした。私は後部車両に乗り込み、着席しましたが、2両合わせて客は私だけでした。あとは人身事故の影響が気になりましたが、まだ運転見合わせが続いていたようで影響を受けていない普通列車は定刻に東青山駅を発車しました。ひとまずこれで山奥から脱出できるので助かりました…。また、この電車が東青山折り返しだった事も影響を受けずに済んだ要因かもしれません。道中はトンネルが多かったもののスマホは操作せずにトンネル内や車窓風景を眺めて過ごし、左右の車窓が開けてくると榊原温泉口駅に到着、下車しました。駅名の通り、榊原温泉への玄関口で、一部の特急が停車するためホームは10両分あります。有人駅で駅前広場があるものの、駅前は店舗すらなく閑散としていました。また、駅前散策をしていると榊原温泉の旅館の送迎車がやって来ました。客が人身事故の影響を受けていなければいいのですが…。
 
 

 

 
榊原温泉口駅からは14時56分発の普通・伊勢中川行きに乗車する予定ですが、いよいよ人身事故の影響が波及してきたようで、定刻になっても電車がやって来ません。まぁ、この普通は名張始発だったので心配でしたが…。しかし、電車は大して遅れておらず、3分遅れでやって来ました。まぁ3分であれば許容範囲でしょう。車両は1437系2連でした。大阪方面からの列車が止まっているのでもしかして満員かも…と思って後方車両に乗り込むと、意外と少なくて半分の座席が埋まっている程度でした。私は空席に座り、道中は水分補給をしつつ車窓風景を眺めて過ごし、すぐに到着した大三駅(おおみつえき)で下車しました。大三駅をはじめ榊原温泉口~伊勢中川間の急行が通過する各駅はいずれもホームが2両分しかなく、大阪線では最も短いです。このため、山間部では各駅に停車する急行も榊原温泉口~伊勢中川駅では通過運転になります。今後、もしかしたら合理化のために大三駅などのホームを6両分に延伸した上で急行の各駅停車区間を延長して普通列車の本数を削減する施策が取られる可能性もなきにしもあらずです。現に名古屋線ではその手法で急行が江戸橋~伊勢中川が各駅に停車するようになり、それに先立って南が丘駅と桃園駅のホームが延伸されています。また、大三駅は住宅地の中にある駅で、近くにコンビニやニュータウンもありますが、マイカー利用の住民が多いようで、大三駅を利用する人は少なかったです。
 
 

 

 
大三駅では15時36分発の普通・伊勢中川行きに乗車。この電車は東青山始発で、定刻通りの運転でした。まぁ、今後は15時前に高安~河内国分の運転が再開されたので遅れが波及するのは間違いなさそうですが…。1422系2連で、東青山駅から榊原温泉口駅まで乗った列車と同じ車両でした。車内はガラガラで(数人いました)、私は着席して、山間部の車窓風景を眺めました。大阪線最後のトンネルを抜けて平地に出ると電車は伊勢石橋駅に到着し、私は下車しました。伊勢石橋駅は駅舎すらない小駅で、また下り線と上り線の出入口が結構離れていました。駅前は農村風景でした。東側の雲出川沿いには戦時中の1943年に廃線となった中勢鉄道線の石橋駅跡があると案内図に書かれていましたが、少々距離があったため訪問は断念しました。
 
 

 
伊勢石橋駅からは16時02分発の普通・伊勢中川行きに乗車する予定ですが、定刻になっても電車はやって来ません…。普通より先に、人身事故で足止めされていたと思われる特急が先に通過しました。そして定刻から待つこと16分、ようやく普通・伊勢中川行きがやって来ました。1253系2連で、遅れていた分乗客が多いかと思いきや、前の車両も私が乗った後ろの車両もガラガラでした。私は着席して車窓風景を眺めましたが、中勢鉄道の線路跡らしき道路は分かったものの石橋駅跡は確認できませんでした…。そして私は次の停車駅である川合高岡駅で下車しました。16分遅れのままでしたが、定刻でも次に乗る電車まで間隔が相当空いていたので、行程的にはさほど問題はありませんでしたが、それより日没が迫っている事が気掛かりでした…。
 
 

 
川井高岡駅は無人駅ですが駅舎がありました。また駅前は旧・一志町の中心部で、小さな市街地になっていました(現在は津市)。そして、川合高岡駅の約200m南にはJR名松線の一志駅があるので、次の列車までの待ち時間を利用して訪問しました。5分もかからずに到着しましたが、駅舎が道路から凹んだ位置にあるため分かりづらかったです。無人駅かつ1面1線で、列車本数も少なく私の訪問時は誰もいませんでした。ちなみに、川合高岡駅と一志駅は乗換駅としても機能していて、津・久居方面から名松線・家城駅そばの白山高校に通う高校生の一部がこのルートを利用しているとの記事を前に見た事があります。
 
 

 
何とか明るいうちに一志駅の訪問を終え、川合高岡駅に戻りましたが、10人ほどが電車を待っていました。乗車予定の16時52分発、普通・伊勢中川行きも定刻には来ず、3分遅れで到着しました。1253系2連で、私は多くの人が乗り込んだ後部車両を避けて、先頭車両に乗車しました。車内は空いていました。私は着席して夕暮れ時の車窓風景を眺めて過ごしました。やがて名阪特急が通る中川短絡線が左へ分岐し、その直後に名古屋線が左から合流すると電車は終点の伊勢中川駅に3分遅れの17時ちょうどに到着しました。
 
 

 
当初は伊勢中川駅も観察する予定でしたが、電車が遅れている上に日没を迎えて結構暗くなってきたため、今回は断念しました。なので、宿泊地である松阪へ向かう事にしましたが、17時03分に名古屋線からの急行・宇治山田行きが発車するという事で、慌てて急行が停車しているホームへと移動しました。駆け込み乗車にはなりませんでしたが、10秒前に乗り込めました。そのため、最後部車両ではなく階段に近い3両目への乗車になりました。尚、この急行は定刻通りの運転でした。急行は転換クロスシート車である5200系4連の後ろにロングシート車の1233系2連を繋いだ6両編成で、乗り込んだ3両目は5200系でした。半分程度の席が埋まっていましたが、空いている窓側席があったので着席しました。この日は朝の223系を除き全てロングシートだったので、この転換クロスシートがやけに豪華に思えましたw 道中はだいぶ暗くなっていたので車窓風景は眺めずにスマホを操作していました。そして市街地が見えてくると急行は松阪駅に到着し(17:09着)、私は下車しました。この日の乗り鉄はここまでです。
 
 

 

 
松阪駅で下車後はJR側の南口から駅を出ました。もう暗くなっていましたが、新型コロナウイルスの感染拡大のため、人通りが少なかったです。折角松阪に来たので、夕食は駅弁にしようと思い、宿泊先である「松阪シティホテル」の1階にある「あら竹本店」へ。昼に食べた「天一」のラーメンなどが胃に持たれていたので今回は軽めの「モー太郎寿司」を注文しましたが、本店に在庫がなく駅構内の店舗にしかないと言われ、仕方ないので私は駅に戻って「モー太郎」弁当を購入しました。そのついでに駅東側にあるコンビニで買い出しをしましたが、コンビニの手前にはオープンしたばかりのラーメン屋がありました。コロナ禍での開業は誤算だったでしょうね…。入ってみたくもなりましたが、昼にラーメンを食べていて、夕食も購入していたので今回はパスしました。このラーメン屋がコロナ禍をしのいで長く続くように祈りつつ、私は「松阪シティホテル」にチェックインしました。
 
チェックイン後は「モー太郎弁当」を食べましたが、美味しかったものの量的にはやや物足りませんでしたw 
 
 

 
その後は入浴を済ませてテレビを観ながら翌日の行程を確認して、22時頃に寝ましたが、23時頃に腹痛に襲われ、目まいもして1時間ほど眠れませんでした…。後から思えば、コロナではなく脱水症状のような感じでした。たまたま「ポカリスエット イオンウォーター」を持っていたのでがぶ飲みしたのが良かったようで、翌日には治っていました。
 
 
(つづく)
 
 
今回の新規踏破路線、新規探訪廃線跡はありません
 
 
(参考:Wikipedia)