犬山遊園駅【愛知県】(名鉄犬山線。2018年訪問) | 『乗り鉄』中心ブログ(踏破編)

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今回の【駅】コーナーは、
愛知県犬山市北部の、木曽川にほど近い住宅街に位置する名鉄犬山線の全列車停車駅で、かつては観光地・犬山の玄関口として賑わっていたものの、行楽の多様化や日本モンキーパークへのアクセス路線だったモンキーパークモノレール線が廃止になったりして観光客の利用が減少し、「遊園」とは名ばかりの寂れた駅に成り下がってしまった
犬山遊園駅 (いぬやまゆうえんえき。INUYAMAYUEN Station) です。
 
 
駅名
犬山遊園駅 (IY 16)
 
所在地
愛知県犬山市
 
乗車可能路線
名古屋鉄道:犬山線 
 
隣の駅
枇杷島分岐点方・名鉄名古屋方……犬山駅
新鵜沼方……………………………新鵜沼駅 (岐阜県) 
 
訪問・撮影時
2018年4月、7月
 
 

犬山遊園駅は地平駅で、各ホームに面する形で東西に駅舎が設置されています。
写真は上り名古屋方面ホームに面した東口駅舎で、平屋建てながら大きな建屋を有していますが、これは屋上の一部に2008年に廃止となったモンキーパークモノレール線の線路・ホームがあった名残とも言えます。写真左奥に改札口があります。モノレール線が存在していた頃は改札口の左奥にも2階建てのモノレール線専用の駅舎がありましたが、廃止後に解体されて跡地は駐車場と公衆トイレになっています。
尚、駅前には広いスペースがあり、かつては観光バスの駐車場として利用されていましたが、観光利用が激減した今は名鉄協商のコインパーキングと月極駐車場として利用されています。そして東口前に路線バスは乗り入れておらず、西口前を通る県道27号線上にバス停留所が設置されています。
 
 

東口駅前の様子です。東を望む。右後方に東口駅舎があります。
東口の駅前は山地の斜面になっており、住宅や商店は少なく複数の寺院が建ち並んでいます。その関係で多くの緑が残っています。
左側(北東側)の一帯は善光寺山公園になっており、山の中腹に善光寺があります。
右側(南東側)には瑞泉寺などの寺院が立地しており、その裏手には成田山名古屋別院大聖寺があります。
また、写真奥の山中へ延びる道路を800mほど歩くと名鉄系の遊園地「日本モンキーパーク」の北ゲートに到達します(約15分)。
そして左後方(北)の線路沿いに並行する道路を150mほど進むと木曽川沿いに出ます。
 
 

東口から150mほど北上すると木曽川の岸に到達します。東を望む。対岸(左。北)は岐阜県各務原市鵜沼地区になります。
川には「木曽川うかい(鵜飼)」の船が停泊していて、写真右前方には乗船場があります。
また、この付近から約13km上流にかけての木曽川は峡谷になっていて、「日本ライン」と呼ばれています。
かつては広見線の日本ライン今渡駅付近の乗船場から当駅付近の下船場まで遊覧船「日本ライン下り」が運航していましたが、利用者数の減少などにより2013年以降は運航されていません。
 
 

名古屋方面上り2番線ホームに面して設置されている東改札口の様子です。西を望む。
右が木曽川方面です。かつては左後方にモンキーパークモノレール線の改札口がありました。
私の訪問時(2018年7月)は駅員が配置されていましたが、新型コロナウイルスの影響もあったのか、2020年5月25日以降は当面の間終日無人となっています。
駅員不在時に備えて駅集中管理システムが導入されているはずで、改札内外にインターホンが設置されています。
交通系ICカード『manaca』などに対応の自動改札機が2通路あり、どちらもICカード・磁気券併用タイプですが、右が幅広通路です。
自動改札機の右側には有人通路があり、通常時は柵により通れないです。
改札口の右手前には窓口があり、少し離れた右側に『manaca』のチャージが可能な自動券売機が1台とインターホンがあります。
改札内には磁気券専用の自動精算機がありますが、2018年7月現在、ICカードチャージ機は未設置です。チャージが必要な場合は西改札口の改札内に設置されているチャージ機を利用する必要があります。また、車いす利用で出場時にICカード残額が不足している場合はインターホンで係員にその旨をお伝え下さい。
また、改札内にはトイレがありません。改札外左側のモノレール線駅舎跡地に平屋建てのトイレ・多機能トイレがあります。
そして改札を入ると段差なしで正面にある名古屋方面上り2番線ホームに到達します。ホーム手前の左手(売店跡)には風除けのみ設置の待合室が、右手には岐阜方面下り1番線とを結ぶ地下通路の階段があります。尚、地下通路にエレベーターが設置されておらず、車いす利用で岐阜方面へ向かわれる場合は後述の西改札口へ回る必要があります。
尚、犬山遊園駅構内に売店・コンビニはありません。駅近くにもコンビニは存在しません。
 
 

こちらは西口駅舎です。東を望む。
西口駅舎は洋館風で、1985年に完成しました。後方を左右方向に延びる県道27号(旧・国道41号)に面して駅舎が設置されています。
駅前広場はありませんが、駅舎の前にはアスファルト敷きの広いスペースがあり、タクシー乗り場が設けられています。
 
 

西口駅前の様子です。西を望む。後方に西口があります。
左(南)~右(北)の道路は県道27号です。すぐ右側(北)を木曽川が流れています。
西口周辺は古くからの閑静な住宅街が広がっています。商店は少ないです。
国宝・犬山城は西へ1.5kmほどの場所にあり、当駅が最寄駅かつ徒歩圏内ですが、道順が分かりづらく、商店が立ち並ぶ城下町を経由しないため、犬山城のサイトでは犬山駅下車が推奨されています。
また、犬山城の東側には「名鉄犬山ホテル」がありましたが、2019年に閉館となり、建て替えの上で2021年度後半に「ホテル・インディゴ 犬山 有楽苑」として再オープンする予定です。
 
 

新鵜沼・岐阜方面下り1番線ホームに面して設置されている西改札口の様子です。南を望む。後方が木曽川方面です。
こちらは元より終日無人で、駅集中管理システムが導入されており、改札内外にインターホンが設置されています。
交通系ICカード『manaca』などに対応の自動改札機が2通路あり、どちらもICカード・磁気券併用タイプですが、左が幅広通路です。
また、右方向には臨時改札口がありますが、自動化されておらず簡素な改札ラッチがあるのみで普段は閉鎖されています。
改札口の左手前には『manaca』のチャージができない自動券売機が1台とインターホンがあります。
入場時に『manaca』のチャージが必要な場合は改札外のインターホンで係員にその旨を伝え、改札内にあるチャージ機を利用する必要があります。
改札内には磁気券用の自動精算機と、こちらにはICカードチャージ機があります。
また、改札内にはトイレがありません。改札外北側、県道27号の歩道沿いに設置されているトイレ・多機能トイレをご利用下さい。
そして改札を入ると正面にスロープがあり、それを上ると新鵜沼・名鉄岐阜方面下り1番線ホームに到達します。名古屋方面上り2番線へはホームに出て右手にある地下通路をご利用下さい(バリアフリー非対応)。尚、地下通路にエレベーターが設置されておらず、車いす利用で名古屋方面へ向かわれる場合は前述の東改札口へ回る必要があります。
 
 

1番線に設置されている吊下式の駅名標です。電照式(行灯式)です。現在は非電照式に取り替えられているかもしれません。
名鉄標準のデザインで、駅ナンバリングも併記されています (IY 16)。
駅ナンバリング部分には犬山線のラインカラーであるグリーンが使用されています。
尚、駅ナンバリングの「IY」ですが、犬山線の「犬」の「I」と「山」の「Y」を使用しています。
決してイトーヨーカドーの略ではありませんw
 
 

犬山遊園駅は相対式ホーム2面2線の地平構造で、概ね南北方向にホームが延びています。ホームはカーブを描いています。
右(西)が1番線で下り新鵜沼方面・各務原線直通名鉄岐阜方面、左(東)が2番線で上り名鉄名古屋方面・広見線方面・小牧線方面です。
ホーム有効長は8両分で、ホームドアは未設置です。以前は多かった観光利用に対応するためホーム幅は広くなっています。
上屋は1番線が中ほどの約3両分、2番線が名古屋方(写真奥)の約4両分に設置されています。雨天時に下車される際は注意が必要です。
各ホームにはベンチと飲料自動販売機が設置されていて、1番線にはコインロッカーと密閉型の待合室(空調は?)も設置されています。
1番線の新鵜沼方(右手前)には西改札口が、2番線の名古屋寄り(左前方)には東改札口があり、両ホーム間は中ほどに設置されている階段のみの地下通路で結ばれています。
そして東改札口のある東駅舎から前方の1番線上空には2008年までモンキーパークモノレール線のホームがありました。廃止後はモノレール設備の大半が撤去されましたが、ホームに設置されていた橋脚は今も残存しています。
写真は1番線より犬山方・名古屋方を望む。
 
 

1番線より枇杷島分岐点方・名鉄名古屋方を望む。
すぐ先に片渡り線がありますが、現在は撤去されているそうです。また、駅から左側の法面までの間にはモンキーパークモノレール線の高架橋が並走していて、法面の先で左へカーブしていましたが、既に撤去されています。
この先、左手に寺院などを見て住宅地の中を南へ走りますが、右手にはわずかに犬山城を望めます。その後は郷瀬川を渡り、右へカーブして市街地に入ると犬山駅へと至ります。広見線と小牧線に乗換可能です。
 
 

2番線より新鵜沼方・名鉄岐阜方(各務原線方面)を望む。
すぐ先で木曽川に架かる犬山橋を渡りますが、かつての犬山橋は鉄道・道路併用橋で、橋と前後部分は併用軌道区間になっていました。電車は県道27号を通る自動車を制して徐行運転で橋を通過していました。2000年には下流側(西。左)に県道27号の道路専用橋「ツインブリッジ」が完成して鉄道橋と道路橋が分離され、犬山橋は鉄道専用橋になり、併用軌道区間は解消されました。
この先、すぐに犬山橋で木曽川を渡り、岐阜県各務原市へ入ります。木曽川を渡り終えると右へカーブしますが、すぐに左へカーブして高山本線との間を結んでいて特急『北アルプス』が走っていた鵜沼連絡線跡が右へ分かれると各務原線との境界駅である新鵜沼駅へと至ります。
 
 
あとがき
私が犬山遊園駅で下車(乗車)したのは1999年、2006年、2018年2回の計4度です。但し2018年の1回は改札を出ていません。1999年と2006年はモンキーパークモノレール線と乗り換えるために下車しました。そして2018年は名鉄全駅訪問計画の一環で下車しました(2019年8月に全駅制覇済)。駅の風貌は観光地の玄関口といった感じですが、2018年訪問時は観光客の姿が全くと言っていいほど見られませんでした…。木曽川も犬山城も近いのですが、犬山城へは犬山駅から城下町地区を通るルートが一般的になっており、また日本モンキーパークへも犬山駅からしかバスが出ていませんので、観光で当駅を利用する客は少ないと思われます。また、駅前は西側が住宅街、東側が山林で、山の斜面には寺院が並んでいます。駅の北側を木曽川が流れていて、かつて道路併用橋だった犬山橋は現在、鉄道線用橋になっています。
 
東京からですと東海道新幹線で名古屋駅まで行き、隣接する名鉄名古屋駅から犬山線直通のミュースカイ、快速特急、特急、急行の新鵜沼行きに乗車して、乗換なしで当駅下車です。尚、ミュースカイと快速特急・特急の特別車は別途特別車両券(ミューチケット。360円)が必要です。じゅうぶん日帰り訪問可能です。
一方、大阪からは東海道新幹線or在来線(東海道本線)で名古屋駅、または近鉄で近鉄名古屋駅まで行き、以降は上記のルートで到達できます。じゅうぶん日帰り訪問できます。
 
食料・飲料について、駅前にコンビニ、気軽に入れる商店・飲食店は存在しません。ちなみに最寄りのコンビニは約1km北西、木曽川の対岸の岐阜県各務原市鵜沼地区にある「ファミリーマート」になります。必ず事前に用意して下さい!
 
東京、大阪とも到達難易度はやや高いですが、
名鉄犬山線を乗り鉄の際は、ぜひ一度は犬山遊園駅でも途中下車されてみて下さい!
また、犬山を観光の際はぜひ名鉄犬山線をご利用になり、犬山遊園駅も観察されてみて下さい!
 
(参考:Google地図、Wikipedia)