今回は、かつて名鉄新鵜沼駅構内に存在していた短絡線(連絡線)で、
国鉄(→JR東海)高山本線の富山方と結んで特急『北アルプス』が走行していた通称:鵜沼連絡線の廃線跡について簡単にレポートします。
国鉄(→JR東海)高山本線の富山方と結んで特急『北アルプス』が走行していた通称:鵜沼連絡線の廃線跡について簡単にレポートします。
鵜沼連絡線は名鉄と国鉄の貨車受け渡しのために建設され、戦前には開業していました。新鵜沼駅の手前で右へ分岐し、鵜沼駅の富山方で高山本線に合流する形でした。戦前より名鉄犬山線~高山本線を直通する旅客列車が運転された実績があります。戦後には準急『たかやま』で鵜沼連絡線を通過する旅客列車が設定され、『たかやま』は最終的に特急『北アルプス』となり、2001年の廃止時まで鵜沼連絡線を走り続けました。また、連絡線上には電留線もありました。そして『北アルプス』の廃止で鵜沼連絡線は役目を終え(名鉄の貨物輸送は昭和時代に全廃されていました)、JR側との接続部分は撤去されましたが、その他の廃線跡は架線が撤去された程度で放置プレー状態でした。その後、2008年に鵜沼駅自由連絡通路建設などの理由により線路などが完全に撤去され、道路や分譲住宅用地に転用されました。
今回は名鉄犬山線との接続部から高山本線との接続部の順にレポートします。
尚、今回の区間は徒歩でサラッと辿っただけなので調査が不十分なことをお詫び申し上げます。
また、2012年の探訪で、現在は廃線跡と周辺が変化しています。ご了承下さい。
また、2012年の探訪で、現在は廃線跡と周辺が変化しています。ご了承下さい。
(Yahoo!地図を使用)
路線名 | 区間 | 営業キロ | 備考 |
名古屋鉄道:【(※1)鵜沼連絡線】 | 名鉄犬山線~(※2)高山本線 | 約1.0km | 2001年旅客営業廃止 |
(※2) JR側との接続部分は鵜沼駅構内。
(※) 単線、直流1,500V電化。軌間1,067mm。
探訪・撮影時 | 2012年11月 |
(1)新鵜沼駅南側(犬山方)の踏切にて。
正面奥に新鵜沼駅があります。鵜沼連絡線は右側に分岐する線路からさらに右へ分岐していました。
正面奥に新鵜沼駅があります。鵜沼連絡線は右側に分岐する線路からさらに右へ分岐していました。
(2)この辺りで鵜沼連絡線が本線から右へ分岐していました。廃線跡は道路に転用されています。
本線側のすぐ先には新鵜沼駅のホームがありますが、連絡線にはホームが設置されておらず、
結果として『北アルプス』は当駅を通過していました。
本線側のすぐ先には新鵜沼駅のホームがありますが、連絡線にはホームが設置されておらず、
結果として『北アルプス』は当駅を通過していました。
(2)上写真と同じ地点にて犬山方を望む。
この辺りで鵜沼連絡線を走る『北アルプス』は犬山線に合流していました。
道路転用された連絡線跡の左側を見ると、名鉄型の柵が残存しています。
この辺りで鵜沼連絡線を走る『北アルプス』は犬山線に合流していました。
道路転用された連絡線跡の左側を見ると、名鉄型の柵が残存しています。
(3)道路転用された廃線跡は緩やかな右カーブを描いています。
左側に新鵜沼駅があり、連絡線の廃止後に駅前広場や駐車場が整備されたと思われます。
尚、私が探訪した2012年11月時点では廃線跡の道路は一部通行止でしたが、翌2013年に供用されました。
左側に新鵜沼駅があり、連絡線の廃止後に駅前広場や駐車場が整備されたと思われます。
尚、私が探訪した2012年11月時点では廃線跡の道路は一部通行止でしたが、翌2013年に供用されました。
(4)右へカーブして新鵜沼駅と離れた廃線跡は、現役時より住宅地の中を通っていました。
この辺りも道路化されています。
この辺りも道路化されています。
(5)右カーブが続きます。
廃線跡の道路転用に伴い若干の用地買収が行われたのか、沿道の民家の塀が新しくなっているのが印象的でした。
確かに道路幅は連絡線時代の単線より若干広がっている感じですが、気のせいかもしれません。
廃線跡の道路転用に伴い若干の用地買収が行われたのか、沿道の民家の塀が新しくなっているのが印象的でした。
確かに道路幅は連絡線時代の単線より若干広がっている感じですが、気のせいかもしれません。
(6)右カーブが終わると連絡線は高山本線と並行して東へ走るようになりました。
廃線跡は道路ではなく左側の分譲住宅地の位置を通っていました。
廃線跡は道路ではなく左側の分譲住宅地の位置を通っていました。
(7)この辺りでも鵜沼連絡線は高山本線に沿って分譲住宅地の場所を通っていました。
左側に高山本線の信号機が見えます。
左側に高山本線の信号機が見えます。
(8)分譲住宅地転用区間が終わると、写真では見にくいですが廃線跡は高山本線の側線のような形で姿を現し、
踏切の先で高山本線と合流していました。
踏切の先で高山本線と合流していました。
(9)前述の踏切の手前から線路が姿を現します。写真は犬山線方を望む。
車止めがあり、鵜沼連絡線はその先へ延びていました。
線路は使用されていない感じでしたが、草刈りなど整備されている模様です。
この辺りの線路はJR東海の所有かと思われます。
車止めがあり、鵜沼連絡線はその先へ延びていました。
線路は使用されていない感じでしたが、草刈りなど整備されている模様です。
この辺りの線路はJR東海の所有かと思われます。
(9)前述の踏切より美濃太田方を望む。
連絡線を走っていた『北アルプス』はこの先で水路を渡って、左側を走る高山本線に合流していました。
線路は完全に残っていて、当時の雰囲気を色濃く残しています。
連絡線を走っていた『北アルプス』はこの先で水路を渡って、左側を走る高山本線に合流していました。
線路は完全に残っていて、当時の雰囲気を色濃く残しています。
(おしまい)
私が名鉄鵜沼連絡線の廃線跡を探訪したのは2012年の1度だけです。尚、2001年には特急『北アルプス』で鵜沼連絡線を踏破しています。私の探訪時は終端側(JR側)が名鉄環境造園により宅地化されており、現役当時の面影は消えつつありました。
廃線跡の距離は約600mで、新鵜沼駅(名鉄)、鵜沼駅(JR)のどちらからでも徒歩で30分あれば探訪して元の駅へ戻るか、もう一方の駅へ行くことが可能です。
食料・飲料について、廃線跡周辺にコンビニはなく飲食店もありません。鵜沼では新鵜沼駅の北約1kmの場所を東西に走る国道21号線の沿道に飲食店が集中していて、徒歩では少ししんどい距離です。食事の時間帯にかかる場合は事前に用意しておきましょう。尚、自動販売機はありますので飲料については大丈夫です。
名鉄犬山線や各務原線、JR高山本線を乗り鉄の際は、ぜひ一度鵜沼連絡線の廃線跡にも立寄ってみて下さい!
(参考:地理院地図、Wikipedia)