五台山ロープモノレール【ロープウェイ】の廃線跡(高知県高知市。2017年訪問) | 『乗り鉄』中心ブログ(踏破編)

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今回は、高知県高知市の市街地南東部にそびえる五台山で1969年~1978年(廃止は1982年)に運行していたロープウェイ路線、
五台山ロープモノレールの廃線探索記を簡単に紹介します。
尚、今回の記事は全国の索道廃線を取り扱っているサイト『失われたロープウェイ』を参考に記事を作成しました。

  

『ロープモノレール』とは、普通のロープウェイとは違い、各搬器にエンジンを搭載してそれを動力とし、ロープ上を自走する珍しいシステムのロープウェイだったそうです。
開業当初は観光客で賑わっていたようですが、やがて五台山頂への道路が整備されると乗客は減少し、1978年には休止に追い込まれ1982年に正式に廃止となりました。利用者減の他にもロープモノレールの特殊な構造ゆえのメンテナンス費の高騰も休止の一因だったかもしれませんが…。
営業時間は不明ですが、搬器は岐阜県で営業していた恵那峡ロープウェイの搬器と類似した球形だったそうです。

  
  

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(Mapion地図を使用)  

  
  

区間   全長   高低差   方式  
青柳停留場~見国停留場  約999m  約116m  自走式索道(31人乗り球形搬器×4台)  

  

  

訪問・撮影時   2017年4月  

  

  

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山麓駅に相当する青柳停留場跡にて。奥に見える山が五台山です。
駅舎など施設は解体され、当時の面影はありません。
現在、青柳停留場跡はタクシー会社の用地に転用されています。


 

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青柳停留場跡は国分川にせり出す形で建てられていたそうですが、土台などの遺構は確認できませんでした。
五台山ロープモノレールは右側の道路橋(青柳橋)に並行して国分川を渡ったのち五台山へ登っていたそうです。


 

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青柳停留場跡より山頂駅に相当する見国停留場跡を望む。両駅間は1km弱で肉眼でも確認できます。
中央の柱はロープ関連の遺構だと思われます。
五台山ロープモノレールは3本の支柱があったようですが、国分川に小さい中州があるのが気になりました。
支柱の土台跡かもしれません。


 

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自動車で五台山頂へと登り、見国停留場跡へも行ってみました。
立派な3階建ての駅舎は改修の上で現在も「五台山展望サービスセンター」として使用されています。
見た目は2階建てですが、建物奥が斜面になっていて下にもう1フロアあります。駐車場側から見ると入口部分は2階となります。
また、2階と3階ではそれぞれカフェが営業しています。屋上には展望台があります。


 

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1階にある見国停留場ののりば跡です。現在は公園の雨避けスペースになっているのでしょうか?
おそらくプラットホームは建物の外にあったと思われます。


 

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のりばより青柳停留場跡方を望む。ホーム跡と思われる場所は公園として整備されています。
左側の円形の植え込みの中央にはロープ用と思われる柱の遺構(?)があります。


 

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屋上の展望台へ行ってみました。柱の上まで行けます。
おそらく現役当時は安全上の理由などでこの部分を展望台として開放していなかったのでは…と思ってしまいます。


 

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展望台より青柳停留場跡を望む。邪魔なものはなく高知市街まで一望できます。
「ロープウェイから見る景色はさぞ素晴らしかっただろうなぁ~」と思ってしまいます。


 

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青柳停留場跡を拡大して望む。やはり国分川の中州が支柱跡なのか気になります…。


 

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見国停留場跡の屋上より桂浜方を望む。
浦戸湾の奥に桂浜がありますが、手前の大畑山に遮られ見えません。

  

  
あとがき  

今回の交通手段は自動車でした。最初に青柳停留場跡を探索し、五台山に登って見国停留場跡を探索しました。山頂へのドライブウェイは道幅こそ狭いですが、一方通行なので離合の心配がなく安心でした。見国停留場跡は駅舎そのものが残っていましたが、青柳停留場跡は面影を感じませんでした。
標高は100mほどあるので、結構疲れました…。

  

しかしながら見国停留場跡の旧駅舎も老朽化が進行しています。いつ撤去されるか分からないので、早目の訪問をお勧め致します。  

  

  

見国停留場跡(山頂側)へのアクセス  

公共交通機関:土讃線(高松方面窪川方面)・高知駅前、とさでん交通桟橋線・高知駅前電停前のJR高知駅バス停より「とさでん交通」の『MY遊バス』の桂浜行きに乗り五台山展望台バス停まで往路約25分、復路約35分。JR高知駅発8:00~15:40、五台山展望台発9:58~17:28(概ね1時間毎)。五台山展望台バス停下車徒歩3分。

  

マイカー:高知自動車道・高知ICより桂浜方面へ。葛島四・高須新町一を右折して国道32号を西へ。国分川を渡って2つ目の信号を左折しローソンのすぐ先の信号を左折。この付近に青柳停留場跡があります。その後は1つ目の信号を左へ分岐して再び国分川を渡り、橋東詰の交差点が三又になっているので一番左の上り坂を進みます。その後は案内標識通り進めば五台山頂の駐車場にたどり着けます。高知ICより約20分(渋滞や信号のタイミングにより差があります)。

  

(参考:『失われたロープウェイ』、Wikipedia)