筑波研究学園線・土浦ニューウェイ【未成線】(茨城県土浦市~現・つくば市。2010年訪問) | 『乗り鉄』中心ブログ(踏破編)

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今回は、1985年に開催された国際科学技術博覧会(科学万博)のアクセス手段として土浦と万博会場の筑波研究学園都市(現・つくば市)を結ぶ目的で開通した土浦市街の高架道路、土浦ニューウェイや筑波研究学園都市内に建設された花室トンネルをはじめとする一連の道路について紹介しますが、これらの道路は将来的にの新交通システムへの転用可能な構造になっていると言われています。しかし採算上の問題などから道路の状態のまま現在へ至っています。
という事で、今回は未成線である仮称・筑波研究学園線について簡単にレポートします。

   

科学万博開催時はここを路線バスが走行して威力を発揮しましたが、その後はバブル崩壊やつくばエクスプレスの開業などが影響して、今回の土浦ニューウェイなどが新交通システムへと変わる可能性が実質的にゼロになっています。逆に言えばバスでもじゅうぶん需要に応えられるレベルであると言えます。

   

今回は土浦駅東口の駅予定地からつくばセンターの順にレポートします。

  

尚、今回の区間は路線バスでサラッと辿っただけなので調査が不十分なことをお詫び申し上げます。

  
  

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(Yahoo!地図を使用)  

  
  

路線名   区間   営業キロ  備考  
筑波研究学園線  土浦~つくば  約10km   未成線  
(※)全線複線の新交通システムで計画。    

  
  

探訪・撮影時   2010年12月ほか  

  

  

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(1)土浦駅東口の土浦ニューウェイ入口にて。
土浦ニューウェイは東口が起点(?)で常磐線を跨いでいるので、
仮に新交通システム路線が開通したとしても東口側に駅が設置されていたと思われます。
土浦駅は西口側の方が市街地に面しているのですが、建物が密集していて道路が狭く、
おそらく広い用地を求めて東口側にスペースを確保しようとしたと思われます。
もしかしたら写真左側の立体駐車場付近が駅予定地だったかもしれません。
尚、東口にはバスターミナルになっています(西口にもバスターミナルはあります)。
土浦ニューウェイを通る路線バスは東口から発着しています。

  
  

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(2)土浦駅東口駅から土浦ニューウェイへと入り、常磐線を跨いで市街地を進みます。
2車線の高架道路になっています。新交通システムに転用する場合は複線で使用すると推測されます。
この付近の高架下は遊歩道のような歩道になっています。

  
  

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(3)土浦ニューウェイ上には複数のバス停が設置されています。
写真は川口町にあるバス停ですが、駅に転用可能な構造にも見えます。
この付近から土浦ニューウェイは一般道路の高架部を走るようになります。

  
  

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(4)田中一丁目バス停にて。郊外へ出ても高架道路が続いています。

  
  

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(4)田中一丁目バス停の地平部にて。
下から見ると高架上を新交通システムの電車が走っていると勘違いしそうですw

  
  

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(5)そして桜川を渡る直前に高架道路は終点となり、高架下を走っていた一般道路(県道24号線)と合流します。
新交通システム転用時はこの先も中間分離帯に高架橋が建設されると推測されます。
自動車ユーザー目線で見ると、土浦駅東口からここまでインターチェンジやランプが存在しないので一見便利なようですが、
土浦の中心市街地をスルーしてしまうので通行台数は少ない印象でした。

  
  

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(6)桜川を学園大橋で渡ると国道6号線土浦バイパスをアンダーパスします。
新交通システムの線路を建設する際は高架のバイパスを跨ぐと思われ、かなりの高さの高架橋になりそうです。
ちなみにこの先では常磐自動車道とも交差しますが、
常磐道は掘割になっていて新交通システムの高架橋建設にさほど支障はなさそうです。

  
  

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(7)やがて田園風景を走ってから丘陵地へと入り、茨城県・土浦市からつくば市へと変わって常磐道を跨ぎます。
新交通システムが建設されると一気に道路側からの見通しが悪くなってしまいますね。

  
  

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(8)丘陵地を抜けると、つくば市郊外の平地へと出ます。
一帯は田園地帯で、新交通システムが建設されても開発されなければ利用客低迷で閑古鳥が鳴いてしまうかもしれません。

  
  

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(9)もう一つ丘陵地を抜けるとつくば市街へと近づき、県道は片側3車線になります。

  
  

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(10)そして新交通システム線計画区間は未成線遺構であるつくば花室トンネルへと入り、右へカーブします。
新交通システム線開業の暁にはトンネルの手前で高架から地下へ一気に下っていったのでしょう。

  
  

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(11)トンネルの中間部には吹抜があり、ここに花室バス停があります。
新交通システム転用された場合は半地下構造の駅になる見込みですが、
つくば駅から近いためここに駅が設置されるかどうか定かではありません。

  
  

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(12)その後もトンネルをくぐり、左へカーブすると地上へ出てつくば市街へと入ります。
新交通システム転用時はそのまま高架区間になる可能性が高いと思われますが、地下トンネルを延伸させる可能性もあるかもしれません。

  
  

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(13)そして『つくばエクスプレス』のつくば駅に着きました。
新交通システム転用時はこの付近の高架部に駅が建設されると思われます。

  
  

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(13)つくば駅の東側に隣接してバスターミナル「つくばセンター」があります。
土浦ニューウェイを走る一般路線バスはつくばセンターを経由します。
もし新交通システム路線が開業すればバス路線も再編される事でしょう。

  
  

(おしまい)

  

  
廃線跡探訪の注意点  

私が今回の未成線を探訪したのは2004年(レンタカー)と2010年(路線バス)の2度です。新交通システム路線が通ると思われる道路は全て辿れました。土浦ニューウェイの下部道路も走ったので未成線の雰囲気も味わえました。

  

未成線の距離は約10kmですが、土浦ニューウェイと花室トンネルのバス停以外の区間は徒歩や自転車では辿れないのでバスか自動車での移動が必須です。全線を通る路線バスは朝方の土浦駅東口発大穂テクノパーク行き1本のみで、高速バスも一部系統が土浦ニューウェイや花室トンネルを通りますが本数が少ないです。事前に利用するバス便と時刻の確認をお願いいたします。尚、土浦駅とつくばセンター(つくば駅前)を下道で結ぶ路線バスは数多く運行されていますので往復探訪も可能です。
また、土浦駅では常磐線が、つくばセンターではつくばエクスプレス(つくば駅)が接続しているので東京方面からですと片道探訪も可能です。

  

食料・飲料について、未成線は幹線道路なのですがコンビニは意外と少ないです。土浦市街やつくば駅前に集中しています。飲食店は点在していますが、さほど多くありません。もし土浦ニューウェイや花室トンネル以外の区間を徒歩探訪される際は事前に用意しておいた方が良いでしょう。

  

筑波山などへご旅行の際は、ぜひ一度筑波研究学園線の未成線を探訪されてみて下さい!

  

  
接続路線  

接続駅   接続路線  
土浦駅   JR東日本:常磐線  
つくば駅   首都圏新都市鉄道:つくばエクスプレス  
  
(参考:『鉄道ジャーナル』2015年6月号、地理院地図、Wikipedia)