名鉄築港線・東名古屋港~大江ふ頭の貨物線・引込線(愛知県名古屋市港区。2011年訪問) | 『乗り鉄』中心ブログ(踏破編)

『乗り鉄』中心ブログ(踏破編)

当ブログでは、私の鉄道乗りつぶしの過程や、最近の乗り鉄のレポート等を中心に紹介いたします。

イメージ 1
今回は、名古屋市の臨港部を走る名鉄築港線のうち、旅客営業を行っていない貨物線(引込線)の
東名古屋港~大江ふ頭(東名古屋港駅構内扱い)について簡単にレポートします。

 

名鉄築港線は、名古屋港東岸の埋立地開発を目的として前身の愛知電気鉄道により計画され、沿線に工場を誘致した後、1924年に全通しました。建設の経緯から貨物輸送の割合が高く、旅客輸送は沿線の工場への通勤客輸送が中心でした。
戦後に名古屋臨海鉄道が開業してから築港線の貨物輸送量が減少し、1984年に築港線の貨物輸送は廃止されました。その後、築港線は旅客輸送に重点を移しましたが、一方で大江埠頭への引込線(非電化)は廃止されずに残り、車両の輸出などに使用され続けています。最近ではJR東海のキハ40系やキハ11形(いずれも廃車後に大江ふ頭からミャンマーへ輸出)が走行したのが記憶に新しいです。

 

今回はその引込線を東名古屋港駅~大江ふ頭(大江埠頭)の順に簡単に紹介致します。

  

尚、今回のレポートは2011年の探訪記なので、現在は状況が変化しているかもしれませんが、ご了承願います。
そして、調査が不十分なことをお詫び申し上げますm(_)m

  
  

イメージ 17
(Yahoo!地図を使用)  

  
  

路線名   区間   営業キロ  備考  
名古屋鉄道:築港線  大江~東名古屋港  1.5km   全線単線・旅客線は直流1,500V電化  
(※) 軌間1,067mm。   
  
  
今回紹介の区間(全て東名古屋港駅構内)  
区間   実キロ   備考  
東名古屋港駅旅客ホーム~大江ふ頭   約1km   全線単線(交換設備あり)・非電化。  
(※) 軌間1,067mm。  

  
  

訪問・撮影時   2011年12月   

  

  

イメージ 2
(1)東名古屋港駅より大江ふ頭方を望む。
駅ホームの先で県道環状線と踏切で平面交差し、名古屋高速4号東海線をアンダーパスします。
その先へと引込線のレールは延びています。
尚、この環状線にはかつて名古屋市電が走っており、築港線と平面交差していました。


 

イメージ 3
(2)環状線との踏切を越えた地点より東名古屋港駅を望む。
環状線との踏切には警報器はありますが遮断機はありません。
引込線に列車が走る際は係員の誘導により道路を走行する車両を止めます。


 

イメージ 4
(2)上写真と同一地点にて大江ふ頭方を望む。
引込線は非電化になっており、列車が走る際は名古屋臨海鉄道のディーゼル機関車が車両を牽引します。
かつては旧東名古屋港駅まで電化されていたようです。


 

イメージ 5
(3。東名古屋港駅方を望む)少し進むと三菱社員駐車場専用通路と交差します。
第四種踏切の扱いと思われますが、道路側には停止線が引かれているだけです。
以前は左側にも線路があったようです。


 

イメージ 6
(4)先ほどの踏切を過ぎると線路は右へカーブします。
駐車場の部分に線路があったかと思いましたが、戦後間もない時期の空中写真を見てもこの場所に線路はありませんでした。


 

イメージ 7
(5)カーブを過ぎると線路が二手に分かれます。交換設備かと思われます。


 

イメージ 8
(6)そして踏切を通過すると旧・東名古屋港駅へと差し掛かります。
左側の駐車場には以前も線路はありませんでしたが、右側の駐車場は以前、線路(側線)が敷かれていました。


 

イメージ 9
(7)旧・東名古屋港駅にて。2kmポストが見えます。
ここに貨物駅の駅舎があったそうですが、2011年の時点では既に撤去されていました。
この場所で大半の線路が終点になっていましたが、左側の1本のみが左へカーブして大江ふ頭へ通じています。


 

イメージ 10
(7)旧・東名古屋港駅より現・東名古屋港駅方面を望む。1984年までは貨物列車の姿も見られました。


 

イメージ 11
(8)旧駅跡のいちばん左側に敷設されていた線路は左へカーブしてから築港線と並行している道路を斜めに横断し、大江ふ頭へと入っていきます。


 

イメージ 12
(9)大江ふ頭の入口です。埠頭へ入る部分には防潮扉があり、海が荒れている時は閉めるのでしょうね。


 

イメージ 13
(9)上写真と同一地点にて現・東名古屋港駅方面を望む。
この場所にも遮断機や警報機がないですね。


 

イメージ 14
(10)大江埠頭に着きました。
普段は立入禁止で大江埠頭への防潮扉が閉められていますが、訪問時は北側の防潮扉が更新工事中で開放されていました。
誰もいなかったのですが、停泊している船舶の乗組員が見えたので入港許可と撮影許可を得て撮影しました。
右手には岸壁があり、輸出入に使用する貨物線は線路にほぼ横付けできます。
船へはクレーンで運びます。


 

イメージ 15
(11)大江ふ頭内は配線がやや複雑です。やがて正面に海が見えてくるとその直前に線路が途切れます。
終端部はレールを曲げた車止めがあります。
また、レールの外側にもう1本レールがありますが、標準軌対応のレールでしょうか。
もしかしたら標準軌の国と車両の売買を行う場合はここで台車を履き替えているのかもしれません。


 

イメージ 16
(12)終端部より大江方を望む。かなり海に近い位置までレールが延びています。
大手私鉄の線路で港の埠頭まで延びているのは名鉄だけではないでしょうか?
(かつては近鉄志摩線も真珠港まで延びていましたが…)

  
  

(おしまい)  

  

  
探訪の注意点  

私が名鉄築港線の東名古屋港~大江ふ頭を探訪したのは2011年の1度きりです。昼間だったので大江駅から築港線に沿って大江ふ頭まで歩きました。埠頭へ入る事ができたので全区間を辿れました。帰りは東名古屋港駅前のバス停から名古屋市バスに乗って笠寺駅まで移動しました。

 

東名古屋港駅ホーム~大江ふ頭の距離は約1kmで、徒歩ですと40分あれば往復できるでしょう。昼間は築港線の列車が走っていないので、大江駅から東名古屋港駅までの間(片道1.5km)も歩く事になりますが、そうすると往復2時間弱くらい見積もった方が良いかもしれません。築港線に並行して道路があるので、大江駅付近で迂回する必要があるくらいで、大半の区間で道路から築港線を眺められます。
尚、築港線に並行する道路には名古屋市営バスも走っていて、片道はバス利用も可能です。但し、系統が多く行先が多岐にわたるので利用される場合は事前に調べておきましょう。

 

また、大江ふ頭へは普段は入る事ができないので、防潮扉の手前までの探訪となります。私は許可の上で偶然終端部まで行けましたが…。

 

食料・飲料について、沿線にコンビニはありません。商店や飲食店もありません。探訪が長時間になる場合は事前に用意しておきましょう。

  

名鉄築港線を乗り鉄の際は、ぜひともその先へ足を延ばしてみて下さい!

  

  
接続路線   

接続駅   接続路線  
東名古屋港駅   名古屋鉄道:築港線 (大江方面)    
  
(参考:地理院地図、Wikipedia)