黒部峡谷鉄道本線(宇奈月~欅平。富山県黒部市。2007年訪問) | 『乗り鉄』中心ブログ(踏破編)

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宇奈月駅にて。

  

今回は、富山県黒部市の宇奈月(うなづき)駅から欅平(けやきだいら)駅までを黒部川に沿って南へ走るナローゲージの路線で、
『黒部峡谷トロッコ電車』として注目を集めている観光路線、
黒部峡谷鉄道本線を紹介します。

  

黒部峡谷鉄道本線は元々、関西電力の前身会社による水力発電の電源開発が目的で建設されました。そして戦後に一般旅客にも開放されたのですが、今でも関電関係者の専用列車が運行されています。
また、黒部峡谷鉄道本線は素掘りのトンネルがとても多いです。トロッコ電車で素掘りのトンネルを通過する時は迫力があります。

  
  

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(Yahoo!地図を使用)  

  
  

路線名   区間   営業キロ  備考  
黒部峡谷鉄道:本線  宇奈月~欅平  20.1km   全線単線・直流600V電化。軌間762mm  

  

  

踏破達成時・撮影時   2007年5月  

  

  

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起点の宇奈月駅は宇奈月温泉街の南東の端に位置しています。富山地方鉄道の宇奈月温泉駅へは徒歩5分ほどです。
駅舎は大きく、中には売店や食堂があります。また、駅前には観光バス用の駐車場が用意されています。


 

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宇奈月駅は島式ホーム1面2線の構造です。構内には側線が多数あります。
また、写真右側のフェンスの向こう側には富山地鉄のレールが宇奈月温泉駅から延びています。


 

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また、宇奈月駅の終端方には車両基地があります。左側には富山地鉄の宇奈月温泉駅が見えます。


 

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宇奈月駅を発車するとすぐに短いトンネルを抜けて、新山彦鉄橋で黒部川を渡ります。

 
 

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その後はトンネルを抜け、右手に宇奈月ダムを見ながら走ります。

 
 

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そしてトンネルを抜けてしばらく走ると柳橋駅に着きますが、関西電力専用駅であり一般客は利用できません。駅前には新柳河原発電所があります。

 

柳橋駅を発車後は黒部川の峡谷を右に見ながら短いトンネルが続く区間を走り、こちらも関西電力専用駅である森石駅に着きます。
森石駅を発車後は段々と山深くなり、今度は一般客も乗降可能な黒薙(くろなぎ)駅に到着します。


 

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黒薙駅にて(欅平方より望む)。

  

黒薙駅を発車すると二見取水堰堤へ向かう関西電力黒部専用鉄道黒薙支線が左へ分岐し、こちらは右へカーブしながらトンネルを潜ります。そしてトンネルを抜けて左へカーブすると関電専用駅の笹平駅に着きます。


 

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笹平駅を発車後は黒部川に沿って山間部を南へ走り、やがて出し平ダムが見えてくると出平(だしだいら)駅に着きます。


 

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出平駅にて。こちらも関電専用駅です。

 

出平駅を発車後は右手に黒部川のダム湖を見ながら走りますが、トンネルが断続的に現れます。


 

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やがて右手に黒部川第二発電所(猫又発電所)が見えてくると関電専用駅の猫又駅に着きます。駅の宇奈月方には引込線が延びていて、黒部川を渡って黒部川第二発電所まで延びています。


 

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猫又駅を発車後も黒部川に沿って走りますが、やがて短いトンネルを潜った後にやや長いトンネルを潜ると黒部川を渡り、さらにもう一本トンネルを潜ると鐘釣(かねつり)駅に到着します。

 

 

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鐘釣駅にて。
旅行会社のツアーで黒部峡谷鉄道乗車が組み込まれている場合は当駅で折り返すケースが多いと思います。また、当駅は行違い可能駅ですが、長編成列車に対応するためにホームを延伸した際、地形の関係から安全側線にまでホームがかかってしまいました。なので、長編成の列車が鐘釣駅を発車する際は一度バックしてからポイントを切り替えて本線に進入するといった、停車場形スイッチバックの形態を取っています。

 

鐘釣駅を発車すると、さらに深くなった黒部川の峡谷を左手に見ながら走ります。



 

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そして長短のトンネルを7本抜けると関電専用駅の小屋平駅に着きます。
写真の車両はトロッコ車両の普通客車(オープン型)です。

 

小屋平駅を発車後は小屋平ダムやダム湖に沿って走りますが、トンネル区間の割合が高くなります。そして4本目の長いトンネルを抜けると、断崖に建設された終点・欅平(けやきだいら)駅に到着します。

 
 

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欅平駅にて。黒部峡谷鉄道の列車は電気機関車が牽引しています。


 

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欅平駅は単式ホーム1面1線の構造ですが、ホームはとても長く、2列車が縦列で停車できます。
また、駅は黒部川の断崖にあり、その崖には黒部川第三発電所があります。

 

尚、この先(写真手前側)にも関西電力黒部専用鉄道の線路が延びていて、黒部川第四発電所に通じていますが、
関電関係者または関電主催・富山県協賛の「黒部ルート見学会」に当選した人しか乗ることができません。


 

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欅平駅は深い山の中にあり、標高は599mです。駅構内には食堂があります。
また、駅近くには温泉や足湯があります。さらにハイキングコースがありますが、軽装備で行けない場所もあるので事前に確認を。

  

  
乗り鉄の注意点  

まず、黒部峡谷鉄道は11月16日~翌年4月19日までは冬期運休となります。また、運転開始となる4月下旬は宇奈月~出平・猫又・鐘釣の折り返し運転となりますが、関電専用駅の出平・猫又で折り返す場合は下車できずにそのまま同じ列車で戻ることになります。

  

黒部峡谷鉄道の列車は定員制です。立席乗車はできません。
乗車券は基本的に予約販売なのですが、当日券も発売されるので、閑散期は予約しなくても乗車できる可能性が比較的高いです。但し、繁忙期は乗車まで待ち時間が発生、最悪の場合乗車できない可能性もあります。確実に乗車したい場合は予約するに越したことはありません。

  

また、車両には普通客車(オープン型)、リラックス客車(窓付)、デラックス客車(窓付)の3ランクがあります。
隠列車にどのグレードの車両が連結されているかは、黒部峡谷鉄道HPの時刻表に掲載されています。

  

宇奈月~欅平の所要時間は1時間20分前後です。また、観光鉄道ゆえに運行時間は7時台~15時台(宇奈月駅発の列車。最終の宇奈月駅着は18時台)と、営業時間が短いのが特徴です。運転本数は概ね毎時2~3本ですが、一部列車は黒薙を通過します。

  

その他、詳しいことは黒部峡谷鉄道のホームページに掲載されています。

  

  

のりかえ  

乗換駅   乗換路線  
宇奈月駅   富山地方鉄道:本線 (宇奈月温泉駅まで徒歩5分)  
欅平駅   (※1)関西電力:黒部専用鉄道(下部軌道)【黒部ルート】  
(※1)関西電力関係者、「黒部ルート見学会」当選参加者以外は利用不可。

  

(参考:黒部峡谷鉄道のHP、Wikipedia)